おやじゴルフニュース「ゴルフのトータル満足度を考察しました」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2022年5月17日 03時00分
ゴルフの腕前は、一般的にスコアやハンデキャップで表します。ほかにうまい下手は別にして、満足度というモノサシはないのでしょうか?
これが打てれば上級者「渋野日向子の直ドラ」
あのコースは難しい、いいスコアが出たという表現はあります。けど、あのラウンドは楽しかった、あの競技は充実感があった。または、叩いたけど次回に繋がるラウンドだった。プレー後の打ち上げは腹を抱えて笑った。そういう感想や判断も大事かと思います。
というわけで、旅行や宴会などのアトラクションやコンペ、競技会なども含め、トータルの満足度を考えてみます。
個人的には平均90台前半のゴルフをし、ラウンド終了後に宴会をやるのが一番楽しいと思っています。世の中の多様化の流れで、ゴルフのプレースタイルもだいぶ様変わりをしました。たったひとりでラウンドする完全ひとりプレーが、常時ラウンド可能(マクレガーカン
トリークラブ・千葉県)の世の中になりましたからね。
というわけでタイプ別に分け、ゴルフの満足度を考えます。さまざまな価値観があり、納得できない部分もあると思いますが、大きな寛容の心でお読みください。
1)友人とのラウンド 満足度☆☆☆
まずはゴルフで一番多いと思われる、友人とのラウンド。それについての考察です。友達ラウンドは、たいがい呼ばれるケースが多いです。そうなると日にちや時間、料金や服装(ジャケット着用等)とか、いろいろ気を使わねばなりません。
ゴルフのラウンドは仕切りたがる人と、呼ばれる人がいるのです。役割分担が成立しているケースが多いです。4人で幹事を輪番制にして、スケジュールを決める。そういうケースは稀だと思います。「お前が仕切るとダンドリ悪くて。俺がやるから、お前は呼ばれていればいい」と、大概そうなります。
あとは呼ばれることが、心地よいとなればよろしいです。次第に方向性が変わり、高額なコースに行くとか、早い時間帯ばかりのスタートになるとか、いつの間にか人数が増えているなど、変化に対応できなくなるとキャンセルが増え次第に行かなくなります。あくまで自由意思の友達ラウンドですが、それが義務化されると、またしんどいです。そういう状況も含めて☆を3つにしました。
あくまでスタンダードのラウンドスタイル。ここからいろんなラウンドに変化していくということです。
2)クラブ競技や試合などの本格モードゴルフ 満足度☆☆☆
クラブ競技に何度か出ました。最初は緊張しますが、慣れてくるとその緊張感がたまらないとおっしゃる方が多いです。しかも、クラブ競技はまずハンデキャップを取得してからの参加となり、最初のハンデは20程度と甘い場合が多いです。だから入賞の可能性もあり、わりと楽しいのです。
ちなみにクラブの月例競技程度の表彰式は、軽いスピーチで終わります。しかし、理事長杯やキャプテン杯などのメジャー競技は、飲めや歌えやの大宴会になり、結構楽しいです。結論からいうと競技開始1年ぐらいは、かなり充実したゴルフライフを送れるんじゃないですか。もちろん、日頃の練習は怠りなく。
ただし競技ですからオーケーパットもないし、ルールやマナーをしっかり守らねばなりません。そういう緊張感はかなりあります。自分のベストを尽くした結果、順位が下の場合、やる気が失せることもあります。50人が参加する競技なら、満足するのは5位ぐらいまで。まあまあ納得するのが15位ぐらい。残り6〜7割は、参加することに意義があるだけで、これを続けて行くと精神的ストレスが溜まります。
毎回競技に出ても下の順位、出る意義があるのかとなります。けどかなりのお金を払って、メンバーになったわけだしと。まさに競技や試合は「諸刃の剣」です。高い満足度を得られる人は少ないのです。入賞者の数は決まっていますからね。低迷期間が続いたなら、いったん休む選択肢もあると考えた方がよいでしょう。
3)泊まりゴルフ、観光&宴会付き 満足度☆☆☆☆☆
ゴルフで一番楽しいのは、旅行のついでにゴルフをすること。あるいはゴルフのついでに旅行をすることと、解釈していただいてもよろしいと思います。仲間とわいわい旅行をしながら観光地を巡り、美味しいものを食べて、温泉に入って、夜は派手なネオン街をさまよい散々疲れ果てて、翌日はゴルフ。いや〜おやじにとっては、クリスマスと正月がいっぺんにやって来たって感じです。
大事なのはスケジュールです。勢いをつけて朝早く行き、現地で1ラウンド、それから宴会、夜遊びをやって、翌日またラウンド。いわゆる1泊2ラウンドの弾丸ツアーは、体にこたえますね。前日はゆっくり観光をしてから泊まり、翌日1ラウンドで十分です。
泊まり観光ゴルフの最大の魅力は、なんといってもゴルフ以外の楽しみが豊富なことです。だから大叩きをしても、ツアーそのものは楽しいのです。食事が期待していた味ではなかったとガッカリしても、夜のお店で優しくしてもらって機嫌を直したとか。観光地が素晴らしかったとか、酒が美味かったなど、幾らでもリカバリーポイントがあるので、ストレスを溜めることはありません。
交通トラブルや予約アクシデントなど、不測の事態が起きない限り、物すごく満足度が高いと思います。予算次第で北海道や沖縄、果ては海外リゾートまで、どこへでもゴルフ旅行が出来ますからね。
4)コンペ 満足度☆☆☆☆
最近のコンペはほとんど新ペリア方式で集計をするようになり、優勝は運任せになりました。そうなると本来の腕前を競うコンペの意義は薄れて来ます。おやじ世代では、旧友と再開する同窓会的なことが目的になり、無事に生きているかの生存確認、腕前は落ちてないかの確認が主たる目的となります。
昔の仲間としゃべり、今度会うときまで「元気でいろよ〜」とエールの交換をする。いつ今生の別れになるか分かりませんからね。だからコンペは、自分が出席できなくなるか、あるいはコンペ自体が出席者減少で消えてしまうかの、サバイバル競争をしていると理解されたし。コンペに出て優雅に振る舞っていますが、実はコンペに出席できるように健康維持をしつつ、お金を稼ぎ、恥をかかない程度に腕前を維持している。みんな白鳥の水掻きみたいなことを、陰でやっているのです。
今後、新しいコンペに参加するのは難しいでしょう。出会いが減っているし、呼ばれもしないからです。だから今参加しているコンペを大事しましょう。年に1回開催のコンペは年賀状代わり。互いの無事を確認する、それで十分楽しいですよ。
5)ひとりゴルフ 満足度☆☆☆☆
ひとりゴルフに参加する人がこれだけいることに、驚きを隠せません。最大手の「1人予約ランド」は、1100コースの提携、80万人の会員ですから、日本の半分のコースは、ひとりで行けるってことです。ひとりで行く最大の理由は、人間関係です。つまりひと組予約すれば、誰かを誘わねばならない。あるいは誰かに誘われれば、コースや時間の制約を受けてしまうことです。
何月何日に仕事がキャンセルで突然空いた、そのとき、ひとりで行けたらいいんじゃないか。そういう発想で生まれたシステムです。メンバーシップのコースでも、ひとり予約は可能です。けど平日対応しているコースは、ケースバイケースです。メンバーさんが平日にさほど来ないコースは、組み合わせに苦慮します。あとメンバーの組み合わせによっては気を使うので、気軽にひとり予約を使い社会的ポジションを隠してプレーしたいという方もいます。
これだけ支持されているのは、それだけ満足度が高い証拠です。利用理由はコンペや競技の前、ラウンド感覚を戻しておきたいなど、様々あると思いますね。
とまあいろいろ書きましたが、あとは自分の気分、モードで使い分けることです。現在の私はうまくなりたいモードなので、ひとり予約でコソ練ラウンドをしたい気分です。けど実際は誘いラウンドが多いので、しばらくはそれに忙殺されているかな。ひと息ついたら、武者修行に出たいですね。
これが打てれば上級者「渋野日向子の直ドラ」
あのコースは難しい、いいスコアが出たという表現はあります。けど、あのラウンドは楽しかった、あの競技は充実感があった。または、叩いたけど次回に繋がるラウンドだった。プレー後の打ち上げは腹を抱えて笑った。そういう感想や判断も大事かと思います。
というわけで、旅行や宴会などのアトラクションやコンペ、競技会なども含め、トータルの満足度を考えてみます。
個人的には平均90台前半のゴルフをし、ラウンド終了後に宴会をやるのが一番楽しいと思っています。世の中の多様化の流れで、ゴルフのプレースタイルもだいぶ様変わりをしました。たったひとりでラウンドする完全ひとりプレーが、常時ラウンド可能(マクレガーカン
トリークラブ・千葉県)の世の中になりましたからね。
というわけでタイプ別に分け、ゴルフの満足度を考えます。さまざまな価値観があり、納得できない部分もあると思いますが、大きな寛容の心でお読みください。
1)友人とのラウンド 満足度☆☆☆
まずはゴルフで一番多いと思われる、友人とのラウンド。それについての考察です。友達ラウンドは、たいがい呼ばれるケースが多いです。そうなると日にちや時間、料金や服装(ジャケット着用等)とか、いろいろ気を使わねばなりません。
ゴルフのラウンドは仕切りたがる人と、呼ばれる人がいるのです。役割分担が成立しているケースが多いです。4人で幹事を輪番制にして、スケジュールを決める。そういうケースは稀だと思います。「お前が仕切るとダンドリ悪くて。俺がやるから、お前は呼ばれていればいい」と、大概そうなります。
あとは呼ばれることが、心地よいとなればよろしいです。次第に方向性が変わり、高額なコースに行くとか、早い時間帯ばかりのスタートになるとか、いつの間にか人数が増えているなど、変化に対応できなくなるとキャンセルが増え次第に行かなくなります。あくまで自由意思の友達ラウンドですが、それが義務化されると、またしんどいです。そういう状況も含めて☆を3つにしました。
あくまでスタンダードのラウンドスタイル。ここからいろんなラウンドに変化していくということです。
2)クラブ競技や試合などの本格モードゴルフ 満足度☆☆☆
クラブ競技に何度か出ました。最初は緊張しますが、慣れてくるとその緊張感がたまらないとおっしゃる方が多いです。しかも、クラブ競技はまずハンデキャップを取得してからの参加となり、最初のハンデは20程度と甘い場合が多いです。だから入賞の可能性もあり、わりと楽しいのです。
ちなみにクラブの月例競技程度の表彰式は、軽いスピーチで終わります。しかし、理事長杯やキャプテン杯などのメジャー競技は、飲めや歌えやの大宴会になり、結構楽しいです。結論からいうと競技開始1年ぐらいは、かなり充実したゴルフライフを送れるんじゃないですか。もちろん、日頃の練習は怠りなく。
ただし競技ですからオーケーパットもないし、ルールやマナーをしっかり守らねばなりません。そういう緊張感はかなりあります。自分のベストを尽くした結果、順位が下の場合、やる気が失せることもあります。50人が参加する競技なら、満足するのは5位ぐらいまで。まあまあ納得するのが15位ぐらい。残り6〜7割は、参加することに意義があるだけで、これを続けて行くと精神的ストレスが溜まります。
毎回競技に出ても下の順位、出る意義があるのかとなります。けどかなりのお金を払って、メンバーになったわけだしと。まさに競技や試合は「諸刃の剣」です。高い満足度を得られる人は少ないのです。入賞者の数は決まっていますからね。低迷期間が続いたなら、いったん休む選択肢もあると考えた方がよいでしょう。
3)泊まりゴルフ、観光&宴会付き 満足度☆☆☆☆☆
ゴルフで一番楽しいのは、旅行のついでにゴルフをすること。あるいはゴルフのついでに旅行をすることと、解釈していただいてもよろしいと思います。仲間とわいわい旅行をしながら観光地を巡り、美味しいものを食べて、温泉に入って、夜は派手なネオン街をさまよい散々疲れ果てて、翌日はゴルフ。いや〜おやじにとっては、クリスマスと正月がいっぺんにやって来たって感じです。
大事なのはスケジュールです。勢いをつけて朝早く行き、現地で1ラウンド、それから宴会、夜遊びをやって、翌日またラウンド。いわゆる1泊2ラウンドの弾丸ツアーは、体にこたえますね。前日はゆっくり観光をしてから泊まり、翌日1ラウンドで十分です。
泊まり観光ゴルフの最大の魅力は、なんといってもゴルフ以外の楽しみが豊富なことです。だから大叩きをしても、ツアーそのものは楽しいのです。食事が期待していた味ではなかったとガッカリしても、夜のお店で優しくしてもらって機嫌を直したとか。観光地が素晴らしかったとか、酒が美味かったなど、幾らでもリカバリーポイントがあるので、ストレスを溜めることはありません。
交通トラブルや予約アクシデントなど、不測の事態が起きない限り、物すごく満足度が高いと思います。予算次第で北海道や沖縄、果ては海外リゾートまで、どこへでもゴルフ旅行が出来ますからね。
4)コンペ 満足度☆☆☆☆
最近のコンペはほとんど新ペリア方式で集計をするようになり、優勝は運任せになりました。そうなると本来の腕前を競うコンペの意義は薄れて来ます。おやじ世代では、旧友と再開する同窓会的なことが目的になり、無事に生きているかの生存確認、腕前は落ちてないかの確認が主たる目的となります。
昔の仲間としゃべり、今度会うときまで「元気でいろよ〜」とエールの交換をする。いつ今生の別れになるか分かりませんからね。だからコンペは、自分が出席できなくなるか、あるいはコンペ自体が出席者減少で消えてしまうかの、サバイバル競争をしていると理解されたし。コンペに出て優雅に振る舞っていますが、実はコンペに出席できるように健康維持をしつつ、お金を稼ぎ、恥をかかない程度に腕前を維持している。みんな白鳥の水掻きみたいなことを、陰でやっているのです。
今後、新しいコンペに参加するのは難しいでしょう。出会いが減っているし、呼ばれもしないからです。だから今参加しているコンペを大事しましょう。年に1回開催のコンペは年賀状代わり。互いの無事を確認する、それで十分楽しいですよ。
5)ひとりゴルフ 満足度☆☆☆☆
ひとりゴルフに参加する人がこれだけいることに、驚きを隠せません。最大手の「1人予約ランド」は、1100コースの提携、80万人の会員ですから、日本の半分のコースは、ひとりで行けるってことです。ひとりで行く最大の理由は、人間関係です。つまりひと組予約すれば、誰かを誘わねばならない。あるいは誰かに誘われれば、コースや時間の制約を受けてしまうことです。
何月何日に仕事がキャンセルで突然空いた、そのとき、ひとりで行けたらいいんじゃないか。そういう発想で生まれたシステムです。メンバーシップのコースでも、ひとり予約は可能です。けど平日対応しているコースは、ケースバイケースです。メンバーさんが平日にさほど来ないコースは、組み合わせに苦慮します。あとメンバーの組み合わせによっては気を使うので、気軽にひとり予約を使い社会的ポジションを隠してプレーしたいという方もいます。
これだけ支持されているのは、それだけ満足度が高い証拠です。利用理由はコンペや競技の前、ラウンド感覚を戻しておきたいなど、様々あると思いますね。
とまあいろいろ書きましたが、あとは自分の気分、モードで使い分けることです。現在の私はうまくなりたいモードなので、ひとり予約でコソ練ラウンドをしたい気分です。けど実際は誘いラウンドが多いので、しばらくはそれに忙殺されているかな。ひと息ついたら、武者修行に出たいですね。
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
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木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報