第24回 そのお先パット、ちょっと待って!【小田美奈のキャディ目線】
かつては専属キャディとして宮里藍を支え、現在は二児の母として家庭を支え、ハウスキャディとして一般ゴルファーも支える小田美奈さんが、ツアーの裏側やゴルフに役立つ情報をお届け!
配信日時:2022年5月20日 11時30分
思わず雑に打ってしまいがちなお先パット。しかし、それも大事な一打であることは間違いない。宮里藍の元専属キャディであり、ハウスキャディとして働く小田美奈さんが勧める、お先パットの前にした方が良い○○とは?
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アイアンは左手でパターは右手 リディア・コの片手ルーティン【写真】
お先に——と、片手でちょいっと入れるはずが…雑に打ってしまったがばかりに、思わぬ1打を打つ羽目になってしまったこと、ありませんか?
本来ならマークをして仕切り直したい距離だけど、後ろの組は待っているし、なんとなく焦って「お先に」と打ったらカップに蹴られてしまった。そんながっかりな経験をした人も、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。
お先パットのような短い距離のパットなど、打ち急いでしまいがちな状況では、プレーヤー本人の意思でそのアドレスを解くことは難しいように感じます。そして、打ち急ぎがちな状況であるからこそ、普段なら違和感を抱くようなアドレスに対して、「何も感じない」 または、「感じているのに、アドレスを解くことなくそのまま打ってしまう」 といったことが時として起こります。
キャディをしている立場で言えば、お先パットをしていただけることは大変ありがたいこと。でも、だからこそ焦らず打ってほしい。
プレーヤーが明らかに雑にアドレスした時、キャディがそれを指摘して待ったをかけるといったことは、なかなかできるものではありません。プレーヤー自身が気持ち悪さを感じて、アドレスを解いてくれることを祈るばかり。一度アドレスを解き、ルーティンを始めからやり直すことが最良なのですが、せめて「間をとる」ということを心掛けてほしいと思います。
トーナメント中継を見ていればわかるように、プロの場合、ほぼすべてのパットで、マークしてボールを取り上げ、ボールのラインを合わせるなどして置き直すという作業をします。触れば入るような短いものは別として、お先パットの場合でさえも、一度置き直すような動作を見せることも少なくありませんし、構えてからも少し間を置く姿をよく見かけます。
お先パットをするにしても、とにかく焦ることのないように必ずひと呼吸入れるということを心がけてみてはいかがでしょうか。そして、どんなに短い距離でもフェースの向きをしっかり確認してほしい。お先パットだからといって、目をつぶってでも入るというものではないのです。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。
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アイアンは左手でパターは右手 リディア・コの片手ルーティン【写真】
お先に——と、片手でちょいっと入れるはずが…雑に打ってしまったがばかりに、思わぬ1打を打つ羽目になってしまったこと、ありませんか?
本来ならマークをして仕切り直したい距離だけど、後ろの組は待っているし、なんとなく焦って「お先に」と打ったらカップに蹴られてしまった。そんながっかりな経験をした人も、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。
お先パットのような短い距離のパットなど、打ち急いでしまいがちな状況では、プレーヤー本人の意思でそのアドレスを解くことは難しいように感じます。そして、打ち急ぎがちな状況であるからこそ、普段なら違和感を抱くようなアドレスに対して、「何も感じない」 または、「感じているのに、アドレスを解くことなくそのまま打ってしまう」 といったことが時として起こります。
キャディをしている立場で言えば、お先パットをしていただけることは大変ありがたいこと。でも、だからこそ焦らず打ってほしい。
プレーヤーが明らかに雑にアドレスした時、キャディがそれを指摘して待ったをかけるといったことは、なかなかできるものではありません。プレーヤー自身が気持ち悪さを感じて、アドレスを解いてくれることを祈るばかり。一度アドレスを解き、ルーティンを始めからやり直すことが最良なのですが、せめて「間をとる」ということを心掛けてほしいと思います。
トーナメント中継を見ていればわかるように、プロの場合、ほぼすべてのパットで、マークしてボールを取り上げ、ボールのラインを合わせるなどして置き直すという作業をします。触れば入るような短いものは別として、お先パットの場合でさえも、一度置き直すような動作を見せることも少なくありませんし、構えてからも少し間を置く姿をよく見かけます。
お先パットをするにしても、とにかく焦ることのないように必ずひと呼吸入れるということを心がけてみてはいかがでしょうか。そして、どんなに短い距離でもフェースの向きをしっかり確認してほしい。お先パットだからといって、目をつぶってでも入るというものではないのです。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。