第26回 スコアが崩れがちな“雨の日ゴルフ”の攻略法は「集中しすぎないこと」【小田美奈のキャディ目線】
かつては専属キャディとして宮里藍を支え、現在は二児の母として家庭を支え、ハウスキャディとして一般ゴルファーも支える小田美奈さんが、ツアーの裏側やゴルフに役立つ情報をお届け!
配信日時:2022年5月27日 05時30分
近づく梅雨入り。雨の日のゴルフを苦手とするゴルファーは少なくないはずだ。それでもラウンドしなければならない状況の時、少しでもいいプレーをするためにできることとは。宮里藍の専属キャディを経て、現在某ゴルフ場でハウスキャディとして働いている小田美奈さんが考える、雨の日ゴルフを楽しむ方法とは。
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石川遼がぬれても傘をささないのはなぜ?【写真】
雨の日が増える梅雨。雨の日のゴルフは、ちょっと残念ですね。明日ゴルフなのに、天気予報は雨。さて、みなさんは雨でもラウンドする派ですか?
お友達とのラウンドであればキャンセルすれば良いだけのことでも、コンペや接待といった場合など、キャンセルできないという状況もよくあることです。明日の天気が雨だとわかったら、少しでも楽しめるように準備が必要です。
雨の日、一般のお客様の場合ではどうしてもスコアが崩れがち。しかし、プロのトーナメントではあまり崩れません。風がなく雨だけという場合、硬いグリーンが雨のおかげでやわらくなり、ボールが止まりやすくなるなどして、かえってスコアが伸びる場合もあります。
雨の日にスコアを崩す理由は、その状況に慣れていないということがやはり大きいのかなと思います。やわらかい地面に重い芝、いつもと違うコースの状況に加え、慣れないレインウェア、面倒な傘の取り扱い、滑るグリップ、帽子から垂れる雨水、早くなりがちなスイングスピードなど。雨に対する意識が、道具や自分自身に向いてしまっているときは、どうしてもコースに対する集中力に欠けがちです。
リズムが早くなってしまうことも、雨の日ならでは。いつも以上にゆっくりと素振りをする、もしくは構える時にワンテンポ置くなどして、早くならないように心がけることができたら良いですね。
集中しすぎないということも、大切です。雨の日は、どうしても下を向きがち。そうすると、アドレスもいつもより小さくなってしまうものです。 「雨だから、仕方がない」 くらいの気持ちでのんびりとラウンドすれば、焦ることもがっかりすることもなく、良い感じで力が抜けるのではないでしょうか。
一緒にラウンドしている人たちとの会話も、顔も上げるのに効果的。おやつなど、ちょっとしたリフレッシュができるものを口にするといったこともおすすめです。乾いたタオルは多めに用意しておいて、数ホールに一度、頭や手や腕といったところを拭くこと、そしてグローブを変えるといったことも、良い気分転換になります。
雨によってどれだけ球が飛ばなくなるか、ランがどれくらい減るかといった計算や、雨水によって起こるフライヤー、重くなったラフ、硬いバンカー、やわらくなったグリーン…そういった状況の変化への対応が求められる雨の日のゴルフを攻略するためには、やはり経験することです。
経験がものを言う雨の日のゴルフは、そういった難しさを楽しむことが苦手克服への第一歩と言えるかもしれません。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。
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石川遼がぬれても傘をささないのはなぜ?【写真】
雨の日が増える梅雨。雨の日のゴルフは、ちょっと残念ですね。明日ゴルフなのに、天気予報は雨。さて、みなさんは雨でもラウンドする派ですか?
お友達とのラウンドであればキャンセルすれば良いだけのことでも、コンペや接待といった場合など、キャンセルできないという状況もよくあることです。明日の天気が雨だとわかったら、少しでも楽しめるように準備が必要です。
雨の日、一般のお客様の場合ではどうしてもスコアが崩れがち。しかし、プロのトーナメントではあまり崩れません。風がなく雨だけという場合、硬いグリーンが雨のおかげでやわらくなり、ボールが止まりやすくなるなどして、かえってスコアが伸びる場合もあります。
雨の日にスコアを崩す理由は、その状況に慣れていないということがやはり大きいのかなと思います。やわらかい地面に重い芝、いつもと違うコースの状況に加え、慣れないレインウェア、面倒な傘の取り扱い、滑るグリップ、帽子から垂れる雨水、早くなりがちなスイングスピードなど。雨に対する意識が、道具や自分自身に向いてしまっているときは、どうしてもコースに対する集中力に欠けがちです。
リズムが早くなってしまうことも、雨の日ならでは。いつも以上にゆっくりと素振りをする、もしくは構える時にワンテンポ置くなどして、早くならないように心がけることができたら良いですね。
集中しすぎないということも、大切です。雨の日は、どうしても下を向きがち。そうすると、アドレスもいつもより小さくなってしまうものです。 「雨だから、仕方がない」 くらいの気持ちでのんびりとラウンドすれば、焦ることもがっかりすることもなく、良い感じで力が抜けるのではないでしょうか。
一緒にラウンドしている人たちとの会話も、顔も上げるのに効果的。おやつなど、ちょっとしたリフレッシュができるものを口にするといったこともおすすめです。乾いたタオルは多めに用意しておいて、数ホールに一度、頭や手や腕といったところを拭くこと、そしてグローブを変えるといったことも、良い気分転換になります。
雨によってどれだけ球が飛ばなくなるか、ランがどれくらい減るかといった計算や、雨水によって起こるフライヤー、重くなったラフ、硬いバンカー、やわらくなったグリーン…そういった状況の変化への対応が求められる雨の日のゴルフを攻略するためには、やはり経験することです。
経験がものを言う雨の日のゴルフは、そういった難しさを楽しむことが苦手克服への第一歩と言えるかもしれません。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。