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    第27回 毎日練習! トレーニング! そのモチベーションを維持するためには?【小田美奈のキャディ目線】

    かつては専属キャディとして宮里藍を支え、現在は二児の母として家庭を支え、ハウスキャディとして一般ゴルファーも支える小田美奈さんが、ツアーの裏側やゴルフに役立つ情報をお届け!

    配信日時:2022年5月31日 05時00分

    • ゴルフライフ
    目次 / index
    14年の全米オープンで、片足でバランスを取りながら、対角線の手で打つ練習をする宮里藍(撮影:GettyImages)
    14年の全米オープンで、片足でバランスを取りながら、対角線の手で打つ練習をする宮里藍(撮影:GettyImages) (撮影:GettyImages)
    • 宮里藍は17年9月の「エビアン選手権」を最後に現役を引退した(撮影:GettyImages)
    • ゴルフの予定がないと、練習場に行く気が起こらないものだが、練習自体を習慣化してしまえばいい(画像協力:大宮ゴルフコース)
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    ラウンドの予定がないと、練習に行く気がしない。そんなモチベーションの低下に悩むゴルファーへ、宮里藍の元専属キャディであり、現在ハウスキャディとして働く小田美奈さんがすすめる、モチベーションを維持するための考え方。
    __________________________

    宮里藍、涙の引退会見【写真】

    「努力ができることは、才能のひとつ」と言われることがあります。しかし、私はその言葉に少し違和感を覚えています。なぜなら、プロキャディの時代に関わってきた「天才」と言われる(言われたであろう)プロゴルファーは、往々にして努力を「努力」と感じていないのではないかと思っていたからです。

    モチベーションは低下するもの

    宮里藍は17年9月の「エビアン選手権」を最後に現役を引退した(撮影:GettyImages)

    宮里藍は17年9月の「エビアン選手権」を最後に現役を引退した(撮影:GettyImages) (撮影:GettyImages)

    出会いやイベントの多い4月が過ぎ、GWも終わると、大なり小なり下がりがちなのが「モチベーション」。ゴルフツアーにおいても、開幕から既に週を重ね、賞金王や女王といった1年をかけた戦いはまだ現実味を帯びておらず、なんとなく練習をして、なんとなくトレーニングをする…そんな風に過ごしがちな時期です。

    やる気を引き出すような「動機」や「目的意識」という意味で、「モチベーション」という言葉が用いられますが、特にスポーツの世界ではその言葉をよく耳にします。それは、ゴルフ業界でも同じ。特に、「職業としてのプロゴルファー」ということに意識が引っ張られてしまうと、その低下は顕著になりがちです。

    モチベーションを維持するための方法は、その人によってではありますが様々な方法が言われています。「目標の設定」や、それに対しての「達成状況の確認」。「体力の温存」とそのための「オンオフの切り替え」といったことです。

    予選を通過する。シードを獲得する。優勝する。アメリカツアーに挑戦する。――といったように、プロゴルファーという職業は、目標を掲げやすく、モチベーション維持も比較的容易な職業と言えますが、大きな荷物を抱えて日本全国を転々と移動する日々。欠かせない練習とトレーニング。そして、そこから発生するモチベーションの低下に対する不安。常にそれを高く維持していなければならない職業であるからこそ、その維持は難しいものに感じます。

    2017年に引退をした宮里藍プロも、モチベーションの維持がいかに難しかったかを会見で語っていましたが、私がキャディをさせていただいていたときにもそういった時期がありました。悩んだ週に、あっさり優勝して再び元気になっていましたが。

    努力の習慣化

    ゴルフの予定がないと、練習場に行く気が起こらないものだが、練習自体を習慣化してしまえばいい(画像協力:大宮ゴルフコース)

    ゴルフの予定がないと、練習場に行く気が起こらないものだが、練習自体を習慣化してしまえばいい(画像協力:大宮ゴルフコース) (撮影: )

    そんな中でも練習とトレーニングを欠かさないというのは、それが既に習慣化しているからだと思います。朝はスタートの〇時間前に起きる。コース入りは〇時間前。ストレッチ、練習。そしてラウンド終了後にまた練習。そしてトレーニング…といったように、毎日のルーティンが出来上がっているから、当たり前のようにこなしているのではないかなと。モチベーションは、おそらくそうやって習慣化されたものによって裏付けられて、再び芽吹くものだと思うのです。

    モチベーションは、時とともに下がるもの。それは仕方のないことで、「100を切りたい」という明確な目標があった頃は夢中になって練習していたゴルフも、ラウンドの予定がなければ練習場にも行く気が起きない。――そう悩むなら、「何曜日の何時になったら練習場に行く」と決めてしまえば、そのうちにまた新たな目標が見えてくるかもしれません。

    ■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。

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