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    おやじゴルフニュース「距離感や現場感覚について考察してみました」

    ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。

    配信日時:2022年6月7日 03時00分

    • ゴルフライフ
    イラスト・かざま鋭二
    イラスト・かざま鋭二
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    最近のゴルフは距離計測器が普及し、すこぶる便利になりました。けどそれは若者が使う場合が多く、機械に弱いおじさんはどうも苦手みたいです。おやじはメガネ使用者が多く、しかもほとんどが老眼。だから距離計測器を使うのをおっくうに感じるようです。そもそもおやじは面倒くさがり屋が多いですからね。

    日本女子ツアーでは今季から試合で距離計測器の使用がOK!

    一番助かるのは、近くで若者が距離計測器を持っている状況です。「ちょっとこっちも頼むよ」といえば、みんな気軽に距離を計測して教えてくれます。ただおやじゴルファーとして問題なのは、その距離を正確に打てるかってことですよね。ショートホールの場合、乗用カートのモニターに出る距離表示に、誰かが距離計測しているのを合わせて、わりと正確な距離が分かります。しかも、おやじは後の順番で打つことが多いので風向きなどのデータ収集はバッチリです。

    そのわりには、池ポチャやOBが多いのはなんでかって? ゴルフって、頭でっかちでもいけないんですね。自分のラウンドでは、距離を結構気にするのはピンまで100ヤード以内です。けど気にはしても行動が伴わない。50〜100ヤードは、見た目で適当に打ってます。これが調子がいいとグリーンにポンポン乗りますが、読みがズレだすとまったく乗りません。最初にショートすると、次のホールは強くと思ってオーバーして、だんだん分からなくなりがちです。

    ただ50ヤード以内は、なるべくなら歩測します。全部、歩測しているとプレーが遅いといわれるので、全体の半分ほどですか。約50ヤードなら、半分の25ヤードを、大股の1歩が1ヤードと計算して計ります。

    問題はそこからで、歩測でエネルギーを消耗して肝心のショットに集中力が伝わらない。結果、ウェッジを加減して打ってしまいショートする。そういうこともしょっちゅうです。実は何も考えず、リズム重視で打ったほうが好スコアが出ます。そういうことが多いです。

    ちなみに自分のアプローチの基本は、PWでハーフショットを打つことです。これでだいたい50ヤードとなります。時計の針の3時から9時までのように丁度半分で打つと約50ヤードが打てるのです。

    最近は飛ぶアイアンやウェッジが出て飛距離が伸びるのは嬉しいのですが、使えば自分の距離感との調整をせざるを得なくなります。だからウェッジ類は昔のクラブを愛用して、従来の距離感や打ち方でラウンドしています。

    自分の思った距離を正確に打つのはなかなか難しいです。やっと50ヤードを覚えた、じゃ次は40ヤード、そして60ヤードってなりますよね。そのときどうするのか? 距離調整のやり方ですが、それはおおよそふたつの方法があります。

    1)クラブの振り幅で決める
    例えばPWが得意クラブだったら、それの強弱で打ち分ければよろしいです。けど言うのは簡単ですが、実際やるとなるとこれこそ反復練習するしかないですね。振り幅調整ショットの特徴としては、1本のクラブのみでアプローチをするので、打ちやすいです。だから大ミスはしません。チョロやシャンク、トップ、ザックリなどは少ないでしょう。

    ただ狙った距離が正確に打てるか、ボールがしっかり止まるかは、難しい場合があります。ですがボギーゴルファーにとっては、これで十分でしょう。

    2)振り幅は一緒でクラブで打ち分ける
    さっきPWのハーフショットで50ヤードぐらいを打つと書きましたよね。ハーフショットは打ち慣れているので、比較的得意です。ならば同じ振り幅でクラブを替えて、打つのはどうでしょうか。

    今度は同じ打ち方が得意という人向けです。AWやSWも同じ振り幅で打てば、30ヤードの高いボールとなり、うまくいけばピンそばにぴたりと寄ることも。ポイントは今からのシーズンには、比較的向いているということ。冬場の枯れ芝でSWを使ってボールを上げるのは難しいです。芝が生えているほうが打ちやすいですが、何回も打って慣れておかないとですね。

    とまあ距離感を利用してのアプローチの話をしましたが、そもそも何割ぐらい理想のアプローチができるでしょうか。つまり現場感の問題が生じてきます。現場感といってもピンとこないでしょうから、スキーやスノボを例に取ってみましょうか。

    12月あたりのウィンタースポーツの幕開けの時期に初滑りをしますよね。そのとき、8カ月ぐらいブランクがあって思うように滑れない。そういう体験をしたことがあると思います。まあ2〜3回上から降りてくれば前年のように滑れますけど。それこそが現場の感覚というやつです。

    でもゴルフは通年やるから現場感覚は関係ないと思うでしょうが、どっこい微妙に関係があります。ゴルフは月イチラウンドをやっている限り、現状維持が精一杯という説が定着しています。しかも練習がまったくなしなら、むしろ腕前は低下していくともいわれています。うまくなろうと思ったら、毎週のラウンドが基本、そして練習も毎週やるべき。そう信じて40代ぐらいまでは上達街道まっしぐらでした。やはりそれだけやっていると技術どうのというより、現場感が研ぎ澄まされ、どんどんうまくなります。先週失敗したミスが脳裏に浮かび、その反省ショットがこれまたうまく行き、一時はアプローチ無双状態になり、30ヤード以内は結構寄るなんてことも起きていました。

    これが徐々にスケジュール優先状態になり、週1回のラウンドはこなすけど、練習が皆無となり、そこから長期低落傾向が始まりました。答えとしてはラウンドだけ増えても、さほど上達しないということです。それはなぜかというと、ショットは絶えず流動的で調整が必要だからです。

    「最近左ばっか行くんだよなあ」とか「アプローチでトップしがち」とか、いろいろな悩みが生じますよね。それは何かの拍子でショットがズレだして、その間違いが少しづつ増大してしまうのです。そしてひとつの癖になりつつあると、やっかいになります。ここは一度練習場で、冷静に自分を見つめ直す。あるいは対処が分からないなら、うまい人にみてもらう、はたまたレッスンプロのお世話になるのもいいでしょう。

    毎月何回もゴルフをしてながら、スランプに陥ったことがあります。それは五十肩になったこともありますが、シャンクばかり出るといったダメショットが連発したからでもありました。だいたいどのスポーツでもプロがスランプに陥るのですから、アマチュアはなって当然ですよ。

    結局、いろんなことを総合的に考え、おやじのゴルフのペースを構築しました。まずラウンドですが、年間20ラウンド強、月2回程度がよろしいと思います。そして練習、これも月2回程度。簡単にいえば、1週ごとに練習したり、ラウンドしたりするわけです。現在このペースで3月あたりからゴルフライフを実践してますが、すこぶる調子がいいです。

    やはり練習して、ひとり反省会をして、なんであのときに打てなかったんだよ〜と、戒めることは大切です。

    50代のとき、ただひたすらラウンドばかりして、現場だけのゴルフをしてました。それは現場感があれば大丈夫だろうという甘い考えでした。でもそれは間違いだったのです。本当の現場感は、練習して初めて成立するもの。常にショットを打って、アプローチを頻繁に打って距離感を養い、それを再現することが大切です。

    いやほんと当たり前のことなのに、仕事が忙しいことを理由に練習をさぼってました。今はラウンドと練習をバランスよくこなしています。秋に向けてのゴルフが楽しみです。
    木村和久
    きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。

    かざま鋭二
    かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
    連載

    木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報

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