おやじゴルフニュース「ゴルフを長く続けるにはどうすればいいか?」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2022年6月21日 03時00分
絶好のゴルフシーズン突入と浮かれていたら、練習のやり過ぎでヒジを痛めてしまいました。2週間ぐらい休んで元に戻ったのですが、これだけ体がポンコツになっていたとは驚きです。日々老いている身としては、これから先、どうなるんだろうかという不安で一杯です。
60歳以上日本一の室田淳の今年の目標は「5キロ痩せる」
そこでおやじのゴルフ人生すごろくはどこへ向かうのか、多方面から検討したいと思います。まずはこれです。
1)アマチュアのシニア入りとは
アマチュアゴルファーは、60歳あたりを境目に飛距離がガクンと落ちます。アマチュア競技でいうところのシニア入りです。プロは50歳でシニアツアーに参加できます。アマチュアはシニア入りに対してこれといった決まりはないですが、おおよそ60歳あたりからといわれています。
プロとアマの約10歳の差はなんだろうか? それは各クラブに所属しているアマチュアゴルファーの平均年齢が50代だからです。名門の古いクラブなんか、平均年齢60歳を越えています。だから50歳以上のシニア競技を開催しても、参加者の顔ぶれは通常の競技参加者とさほど変わらない。しかも日本のアマチュアの腕前は、50代が最高というデータが出ています。
やや飛距離が落ちても、アプローチやパターのショートゲームが冴え、ゴルフ人生の最高潮に達するのです。というわけでアマチュアをシニアでくくるなら、60歳以上が望ましいとなるんですね。
2)体の故障箇所続発について
おじさんになると体のいたるところに故障が生じます。それは経年変化というやつです。新築で買ったマンションも30年経てば、お湯の出が悪くなり、壁紙もすすけることでしょう。人間の体も、30年ぐらいゴルフをやっていると、至るところがダメになります。
個人的にはまず足がダメ。外反母趾で右足の親指がぐんにゃり曲がってます。しかも、年々その曲がりが激しくなっていて、もってあと20年ぐらいかな。さらに四十肩を2回、五十肩を1回やって、六十肩がいつ来るのか、楽しみに待っていました。代わりにゴルフヒジというヒジ痛が襲って来たというわけです。
五十肩の原因はパソコンの使い過ぎで、肩を丸めてキーボードを打ちまくっていたから。俗にいう「巻き肩」になり、肩に負担がかかって炎症を起こし、ゴルフでそれを悪化させたのです。今は巻き肩にならないようにノートパソコンの前にキーボードを置き、猫背にならないようにキーを打つことにしています。結果、五十肩の症状は皆無に。ところがその代わりに、ヒジに負担がかかって来ました。その状態で頻繁にショットを打ったからゴルフヒジって、なんだかなあですよ。
とりあえず今は、無理しないことにしています。ほか何の前触れもなくいきなりやってくる、スカッドミサイルみたいな病もあります。昨年やらかした網膜剥離がそれです。ある日、喫茶店で打ち合わせをしていたら、右目の内側にゴミみたいなものが溜まってきて、ものの30分で視界が5パーセント以下に。実は内出血して血液が視界を遮ったんですね。
それから慌てて病院に行って、網膜剥離と判明。その日に緊急手術して入院です。こうなってくると、いつどこが故障するか分かりません。病気・怪我ガチャ突入世代とでもいいましょうか。これに懲りて生命保険を見直しました。それぐらいしか、対応措置がないんですね。
3)メンタル&睡眠も大事
年を取ると早起きをするようになります。なぜか意味もなく朝5時ぐらいにパッチリ目が醒める。じゃ早く寝ているのかというと、そうでもないのです。まず夜中に頻繁にトイレに行ってしまう。これにはいろんな説があるんですが、一般的には膀胱のキャパが少なくなったから、トイレが近いといわれています。
しかもなかなか眠れない人が多い。将来に対する漠然とした不安っていうのか? そもそもおやじは、すでに十分生きたんじゃないの的解釈も出来るのですが。いったん眠れないパラドックスに陥ると、非常にややこしいです。まず眠れないから、寝酒と称して酒を飲む。するとトイレが近くなり途中起きてしまう。そこで目が醒め、夜中の3時に深夜テレビやエロ画像などを見るとかね。
これがゴルフ前日だと、さらに大変に。ゴルフに興奮して眠れなくなります。早く寝れたと思ったら、夜中2時に起きたり、もう無茶苦茶です。じゃあ、この眠れない状態をどうするか? 日頃からうまく睡眠リズムをつくるようにするしかないです。
今やっているのは、午後7時〜8時頃の散歩です。1日の仕事の反省と明日は何しようかなど、いろいろひとりプラン会議をして、近くの公園を歩きます。1時間ぐらい歩くと結構な運動量で疲れます。そして家に戻って軽くお茶を飲み、夜11時には寝ることに。水分は夜9時までしか摂りません。夜中トイレに起きるから。そして朝7時に起きて、朝ドラはNHKBSで早めに見て、朝8時には家を出て仕事をするのです。
フリーランス生活を40年以上やっていますが、定年過ぎた年齢でサラリーマン的生活を始めるのが、不思議でなりません。でも朝7時起床は、ゴルフのときも便利です。通常通り夜11時に寝て、目覚ましを朝5時半や6時にセットしておけばよいだけ。通常より1時間だけの睡眠不足は、大したストレスじゃないです。
4)やる気の問題
ゴルフってちょっとさぼると、しょせん趣味なんだからまあいいや。練習もやめようなんて気分になります。一番の解決方法は、無理矢理スケジュールを入れてしまうことです。久々のゴルフって前日から、準備して大変です。コースへ向かう途中なんか、なんで仕事さぼって高いお金払って、朝早くから遠くに行かねばならないの? って思います。
けどゴルフ場に来てしまえば、なんだよ結構楽しいじゃん。人生、こういうことがないと、やってられないと思うから笑えますね。とにかくひと月に1回はゴルフの予定を入れる。冬場はさぼってもよろしいですけどね。それでなんとか1年間、回しましょう。
5)時間と金の問題
これは個人の問題ですが、多くの人の場合、年を取るに連れて時間が余ってるわりには、収入は増えない。むしろ減る一方ということが起きています。だから昔のように、のべつまくなしにコンペに出て二次会まで楽しむとか、南の島や涼しい高原に泊まりがけでゴルフをするなんてなかなか出来ないんですね。しかも、女性も参加してなんてことはほとんどありません。
時間があって、お金がない状態が続くと、ひとりで予約してひとりで安いコースなんかに行ったりするわけです。今まで平日でも1万円ぐらい払っていたのに、ちょっと遠いだけで3980円のコースがあるとかね。行ってみれば、みんな考えていることは同じ。わりと遠いところから来ている人が多いのに驚きます。結局大事なのは、年を取って微妙にライフスタイルを変えれるかってことです。
こんなことがありました。偶然出会ったおじいちゃんが、長いミドルホールのときにさりげなく「飛ばないんで、ここはシニアティで打ちます」というのです。見ず知らずのパーティに入ったら、通常は白のレギュラーティで打ちますよね。けどその護送船団方式からひとり毅然と、自分の権利を主張してくる。なかなか出来ることじゃありません。結果、その人は数ホールをシニアティで打って、一番スコアがよかったです。決して前で打ったから成績がいいというわけではないのです。パーオンが出来ないホールは、ゲームとしてつまらないから、自分の飛距離に合わせて調整しただけです。
自分がおじいちゃんになって、果たして数ホールだけ前で打たせてっていえるだろうか。例えいえても100叩きじゃ、どこから打っても変わらないと突っ込まれるだけ。ときどき前のティから打って80台を出す、そんなダンディなおじいちゃんを目指したいものです。
60歳以上日本一の室田淳の今年の目標は「5キロ痩せる」
そこでおやじのゴルフ人生すごろくはどこへ向かうのか、多方面から検討したいと思います。まずはこれです。
1)アマチュアのシニア入りとは
アマチュアゴルファーは、60歳あたりを境目に飛距離がガクンと落ちます。アマチュア競技でいうところのシニア入りです。プロは50歳でシニアツアーに参加できます。アマチュアはシニア入りに対してこれといった決まりはないですが、おおよそ60歳あたりからといわれています。
プロとアマの約10歳の差はなんだろうか? それは各クラブに所属しているアマチュアゴルファーの平均年齢が50代だからです。名門の古いクラブなんか、平均年齢60歳を越えています。だから50歳以上のシニア競技を開催しても、参加者の顔ぶれは通常の競技参加者とさほど変わらない。しかも日本のアマチュアの腕前は、50代が最高というデータが出ています。
やや飛距離が落ちても、アプローチやパターのショートゲームが冴え、ゴルフ人生の最高潮に達するのです。というわけでアマチュアをシニアでくくるなら、60歳以上が望ましいとなるんですね。
2)体の故障箇所続発について
おじさんになると体のいたるところに故障が生じます。それは経年変化というやつです。新築で買ったマンションも30年経てば、お湯の出が悪くなり、壁紙もすすけることでしょう。人間の体も、30年ぐらいゴルフをやっていると、至るところがダメになります。
個人的にはまず足がダメ。外反母趾で右足の親指がぐんにゃり曲がってます。しかも、年々その曲がりが激しくなっていて、もってあと20年ぐらいかな。さらに四十肩を2回、五十肩を1回やって、六十肩がいつ来るのか、楽しみに待っていました。代わりにゴルフヒジというヒジ痛が襲って来たというわけです。
五十肩の原因はパソコンの使い過ぎで、肩を丸めてキーボードを打ちまくっていたから。俗にいう「巻き肩」になり、肩に負担がかかって炎症を起こし、ゴルフでそれを悪化させたのです。今は巻き肩にならないようにノートパソコンの前にキーボードを置き、猫背にならないようにキーを打つことにしています。結果、五十肩の症状は皆無に。ところがその代わりに、ヒジに負担がかかって来ました。その状態で頻繁にショットを打ったからゴルフヒジって、なんだかなあですよ。
とりあえず今は、無理しないことにしています。ほか何の前触れもなくいきなりやってくる、スカッドミサイルみたいな病もあります。昨年やらかした網膜剥離がそれです。ある日、喫茶店で打ち合わせをしていたら、右目の内側にゴミみたいなものが溜まってきて、ものの30分で視界が5パーセント以下に。実は内出血して血液が視界を遮ったんですね。
それから慌てて病院に行って、網膜剥離と判明。その日に緊急手術して入院です。こうなってくると、いつどこが故障するか分かりません。病気・怪我ガチャ突入世代とでもいいましょうか。これに懲りて生命保険を見直しました。それぐらいしか、対応措置がないんですね。
3)メンタル&睡眠も大事
年を取ると早起きをするようになります。なぜか意味もなく朝5時ぐらいにパッチリ目が醒める。じゃ早く寝ているのかというと、そうでもないのです。まず夜中に頻繁にトイレに行ってしまう。これにはいろんな説があるんですが、一般的には膀胱のキャパが少なくなったから、トイレが近いといわれています。
しかもなかなか眠れない人が多い。将来に対する漠然とした不安っていうのか? そもそもおやじは、すでに十分生きたんじゃないの的解釈も出来るのですが。いったん眠れないパラドックスに陥ると、非常にややこしいです。まず眠れないから、寝酒と称して酒を飲む。するとトイレが近くなり途中起きてしまう。そこで目が醒め、夜中の3時に深夜テレビやエロ画像などを見るとかね。
これがゴルフ前日だと、さらに大変に。ゴルフに興奮して眠れなくなります。早く寝れたと思ったら、夜中2時に起きたり、もう無茶苦茶です。じゃあ、この眠れない状態をどうするか? 日頃からうまく睡眠リズムをつくるようにするしかないです。
今やっているのは、午後7時〜8時頃の散歩です。1日の仕事の反省と明日は何しようかなど、いろいろひとりプラン会議をして、近くの公園を歩きます。1時間ぐらい歩くと結構な運動量で疲れます。そして家に戻って軽くお茶を飲み、夜11時には寝ることに。水分は夜9時までしか摂りません。夜中トイレに起きるから。そして朝7時に起きて、朝ドラはNHKBSで早めに見て、朝8時には家を出て仕事をするのです。
フリーランス生活を40年以上やっていますが、定年過ぎた年齢でサラリーマン的生活を始めるのが、不思議でなりません。でも朝7時起床は、ゴルフのときも便利です。通常通り夜11時に寝て、目覚ましを朝5時半や6時にセットしておけばよいだけ。通常より1時間だけの睡眠不足は、大したストレスじゃないです。
4)やる気の問題
ゴルフってちょっとさぼると、しょせん趣味なんだからまあいいや。練習もやめようなんて気分になります。一番の解決方法は、無理矢理スケジュールを入れてしまうことです。久々のゴルフって前日から、準備して大変です。コースへ向かう途中なんか、なんで仕事さぼって高いお金払って、朝早くから遠くに行かねばならないの? って思います。
けどゴルフ場に来てしまえば、なんだよ結構楽しいじゃん。人生、こういうことがないと、やってられないと思うから笑えますね。とにかくひと月に1回はゴルフの予定を入れる。冬場はさぼってもよろしいですけどね。それでなんとか1年間、回しましょう。
5)時間と金の問題
これは個人の問題ですが、多くの人の場合、年を取るに連れて時間が余ってるわりには、収入は増えない。むしろ減る一方ということが起きています。だから昔のように、のべつまくなしにコンペに出て二次会まで楽しむとか、南の島や涼しい高原に泊まりがけでゴルフをするなんてなかなか出来ないんですね。しかも、女性も参加してなんてことはほとんどありません。
時間があって、お金がない状態が続くと、ひとりで予約してひとりで安いコースなんかに行ったりするわけです。今まで平日でも1万円ぐらい払っていたのに、ちょっと遠いだけで3980円のコースがあるとかね。行ってみれば、みんな考えていることは同じ。わりと遠いところから来ている人が多いのに驚きます。結局大事なのは、年を取って微妙にライフスタイルを変えれるかってことです。
こんなことがありました。偶然出会ったおじいちゃんが、長いミドルホールのときにさりげなく「飛ばないんで、ここはシニアティで打ちます」というのです。見ず知らずのパーティに入ったら、通常は白のレギュラーティで打ちますよね。けどその護送船団方式からひとり毅然と、自分の権利を主張してくる。なかなか出来ることじゃありません。結果、その人は数ホールをシニアティで打って、一番スコアがよかったです。決して前で打ったから成績がいいというわけではないのです。パーオンが出来ないホールは、ゲームとしてつまらないから、自分の飛距離に合わせて調整しただけです。
自分がおじいちゃんになって、果たして数ホールだけ前で打たせてっていえるだろうか。例えいえても100叩きじゃ、どこから打っても変わらないと突っ込まれるだけ。ときどき前のティから打って80台を出す、そんなダンディなおじいちゃんを目指したいものです。
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
連載
木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報