おやじゴルフニュース「ゴルフ人生第3次成長期に突入!」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2022年7月5日 03時00分
最近、最小の努力で80台ギリギリを連発し、60歳を過ぎて何やら覚醒した模様です。個人的には「ゴルフ人生第3次成長期に突入」といっています。中学生になった頃、突然、陰毛が生え、声変わりをして身長が伸びる、第二次性徴が起こるでしょう。ゴルフに性徴期はないけど、成長期はあるのではないか? どういうことか検証してみましょう。
プロだってゴルフの成長と戦っている「渋野日向子 キレッキレだった4月と今は何が違う?」
■ゴルフの第1次成長期は、100を切ることです■
ゴルフを始めるとまず、100切りが最初の関門となります。ここをうまくクリア出来れば、第1次成長期クリアとなります。ゴルフの面白さにはまり、毎回ラウンドが楽しくてしょうがない状態になります。もちろん100を切れずに挫折する人もいますが、それはあしからず。向き不向きはどのスポーツにもあります。とりあえずクリアしたってことで、前に進ませて頂きます。
■第2次成長期は腕前が上達し、ゴルフ人生最高潮に達する時期です■
コンペ荒らしとか、競技で優勝するとか、名誉も地位も小遣いも最大になります。大きなピークが来なくても、100をコンスタントに切ってれば、生涯の友としてゴルフは伴走してくれるでしょう。
■第3次成長期は飛距離が落ちる60歳あたりか■
飛距離が落ち小遣いも減らされ、ラウンド回数も減り、後輩にどんどん抜かれてしまう。ここでゴルフ人生下り坂、つまらなくなるのが70パーセントぐらいでしょうか。私もそうなりかけていました。ところが、あることがきっかけで覚醒したのです。飛ばない逆境をバネにアプローチでリカバリー。「寄せ職人」となり、再び平均スコアが上がりだしたのです。
そして第4次成長期はおまけのエージシュート達成です。到達できる人は非常に少ないです。ただ平均寿命が延びれば、達成者はもっと増えると思いますがね。
というわけで今回は、おやじの第3次成長期の話です。私事ですが今年に入り、ゴルフで覚醒が起きました。まず何が起きたか?
1)飛ばしを諦めてからの開き直り
20年前に使っていたドライバーを、何げにキャディバッグに入れて、練習をしてみました。しかし、シャフトが硬くて全然当たらない。つまりヘッドスピードがものすごく落ちていたんですね。
20年前、ヘッドスピードはだいたい42m/sでした。今は37m〜38/sです。シミュレーションマシンで打つと、ドライバーの飛距離は190ヤードがいいとこ。ひどいと180ヤード台に。この飛ばない現実を認めつつ、どう対処すべきか?
ここで導き出される答えはふたつです。まずは飛ばすように勤める。これは筋トレなどをして、とんでもない努力を要します。ゴルフをレジャーととらえている者に取っては無理な注文です。そもそもマン振りするとボールが当たりません。だからパワーで飛ばそうとするのは、現実的ではないです。じゃあ、ニューギアとフィッティングで飛距離を伸ばすか? それも手間とお金がかかるし、出来てもせいぜい5ヤードぐらいでしょう。
そこで飛ばしを諦め、自分の出来ることを考えたのです。そして編み出したのが
2)刻みラウンド作戦
自分のドライバーの飛距離が190ヤード、セカンドショットが5番ウッドで170ヤードと考えましょう。360ヤードならツーオン出来るというわけです。実際はライの関係もあるので、350ヤードのパー4ならだいたいツーオン狙い。それ以上だったらスリーオン狙いとなります。
そうなるとパー3やパー5を含めて、パーオン狙いできるホールはせいぜい5〜6ホール。そこで何とかパーを2つ3つ拾う。そしてダボも2つ3つあると計算して、あとの残りはボギー。さすればスコア90前後のゴルフになると考えました。具体的に細かいことを書きますと、発想の転換というか、刻むってこういうことかと、よく分かってきます。
3)ウッドを充実させる
ドライバーを変えて飛距離を伸ばすのもテですが、ドライバーは価格が高いクラブ。だったらほかのクラブを2〜3本変えて戦力増強をしたほうが、コスパがよくないですか。以前から気になって何度か試打していたものに、キャスコのUFOシリーズがあります。中古だと2万円を切るので、スプーンと5番ウッドを購入しました。
見た目がUTなのにウッドの飛距離。非常に打ちやすく、飛距離が伸び、ショットの安定度が増しました。とても心強い武器となっています。今回買った2本は、見栄を張らずにシャフトの固さはRにしました。今まではSとかSRを使用して、メーカーの設定は甘めといってましたが、そんなことはない。おやじにはRシャフトが丁度いい。この2本を多用してボギーオン作戦を展開させます。じゃ具体的にはどうするか?
4)どこをどう刻むか?
まずティショットですが、ドライバーで行けるところはどんどん行きます。しかしドライバーは、ハーフが終わったぐらいで突然崩れたりするんですね。なんでかというと、たぶん、体幹が追いつかないから。おじさんは疲れやすいのです。だから最近は、後半ドライバーでミスショットをしたら、すぐ作戦を変えます。スプーンでティショットをするようにしています。
あと、幅の狭いホールは全部スプーンです。距離の問題じゃないです。ゴルフは曲げたら終わりの世界ですから、狭いホールはとにかく刻まないと。
5)100ヤード以内のアプローチ命
これだけボギーオン作戦を徹底させると、ほとんどが刻み。アプローチが大事になります。寄せで大事なのは、グリーン手前100ヤード以内を乗せることです。これはクラブに役割分担をさせており、100ヤード用のアイアンから、PW、AW、果てはロフト60度のサンドウェッジまで沢山揃えておきます。
距離はすべて目測。ヤーデージの樹木を見て、あとはカートのナビで十分。距離の出し方は、一番振りやすい振り幅と申しましょうか。決してフルショットをしない。クラブは短ければ短いほどフルショットが難しいです。だからスリークォーター、ハーフショットを多用して、なるべくゆっくり振ります。
6)飛ばないことは、スコアにさほど影響をもたらさないと悟る
400ヤードのパー4があったとします。自分が若かった頃を思い出してください。この距離はドライバーとセカンドの5番ウッドを、両方ナイスショットしないと乗らない距離です。多くの場合はグリーン手前か、飛んでもグリーン脇のバンカーに入り、よくてボギーでしょう。
現在、パー4のパーオン可能距離は350ヤードぐらいです。それで十分じゃないですか。グリーン手前50ヤードからアプローチをすれば、ちゃんと3オンします。実は一番飛んでいた時期と、さしてスコアは変わらないのです。さらにいえば、飛ばないからこそ、ガードバンカーにもつかまらないし、グリーン脇のバンカーにも入らない。池越えなんて無謀なことは決してしない。ハザードを避けてラウンド出来るメリットがあるのです。
一度、70歳ぐらいのシングルさんと、ラウンドされたほうがよろしいです。ティショットなんか、さほど飛ばず、我々とどっこいですから。けど上がると70台後半で回ってくる。やはりバンカーからのリカバリーや、寄せワンの確率が異常に高いんですね。そこまで高みを求めなくても、コンスタントにボギーぐらいは取れるんだ。そういうことを学ぶべきかと思います。
だからひとり予約ゴルフなどで、やってくるお年寄りはかなりの腕前です。だって逆に考えてごらんなさい。自分が70歳過ぎて、ひとりゴルフに参加しますか? 普通は、ほかの皆さんに迷惑がかかると心配します。つまり足手まといになるからと、二の足を踏みがち。70歳過ぎてひとりで来るってことは、足手まといにならない自信があるのです。
というわけで将来的には、70歳過ぎてひとりゴルフに参加し、ブイブイいわせたい。そんな妄想を抱きながら、ゴルフ人生第3次成長期を実感しています。
プロだってゴルフの成長と戦っている「渋野日向子 キレッキレだった4月と今は何が違う?」
■ゴルフの第1次成長期は、100を切ることです■
ゴルフを始めるとまず、100切りが最初の関門となります。ここをうまくクリア出来れば、第1次成長期クリアとなります。ゴルフの面白さにはまり、毎回ラウンドが楽しくてしょうがない状態になります。もちろん100を切れずに挫折する人もいますが、それはあしからず。向き不向きはどのスポーツにもあります。とりあえずクリアしたってことで、前に進ませて頂きます。
■第2次成長期は腕前が上達し、ゴルフ人生最高潮に達する時期です■
コンペ荒らしとか、競技で優勝するとか、名誉も地位も小遣いも最大になります。大きなピークが来なくても、100をコンスタントに切ってれば、生涯の友としてゴルフは伴走してくれるでしょう。
■第3次成長期は飛距離が落ちる60歳あたりか■
飛距離が落ち小遣いも減らされ、ラウンド回数も減り、後輩にどんどん抜かれてしまう。ここでゴルフ人生下り坂、つまらなくなるのが70パーセントぐらいでしょうか。私もそうなりかけていました。ところが、あることがきっかけで覚醒したのです。飛ばない逆境をバネにアプローチでリカバリー。「寄せ職人」となり、再び平均スコアが上がりだしたのです。
そして第4次成長期はおまけのエージシュート達成です。到達できる人は非常に少ないです。ただ平均寿命が延びれば、達成者はもっと増えると思いますがね。
というわけで今回は、おやじの第3次成長期の話です。私事ですが今年に入り、ゴルフで覚醒が起きました。まず何が起きたか?
1)飛ばしを諦めてからの開き直り
20年前に使っていたドライバーを、何げにキャディバッグに入れて、練習をしてみました。しかし、シャフトが硬くて全然当たらない。つまりヘッドスピードがものすごく落ちていたんですね。
20年前、ヘッドスピードはだいたい42m/sでした。今は37m〜38/sです。シミュレーションマシンで打つと、ドライバーの飛距離は190ヤードがいいとこ。ひどいと180ヤード台に。この飛ばない現実を認めつつ、どう対処すべきか?
ここで導き出される答えはふたつです。まずは飛ばすように勤める。これは筋トレなどをして、とんでもない努力を要します。ゴルフをレジャーととらえている者に取っては無理な注文です。そもそもマン振りするとボールが当たりません。だからパワーで飛ばそうとするのは、現実的ではないです。じゃあ、ニューギアとフィッティングで飛距離を伸ばすか? それも手間とお金がかかるし、出来てもせいぜい5ヤードぐらいでしょう。
そこで飛ばしを諦め、自分の出来ることを考えたのです。そして編み出したのが
2)刻みラウンド作戦
自分のドライバーの飛距離が190ヤード、セカンドショットが5番ウッドで170ヤードと考えましょう。360ヤードならツーオン出来るというわけです。実際はライの関係もあるので、350ヤードのパー4ならだいたいツーオン狙い。それ以上だったらスリーオン狙いとなります。
そうなるとパー3やパー5を含めて、パーオン狙いできるホールはせいぜい5〜6ホール。そこで何とかパーを2つ3つ拾う。そしてダボも2つ3つあると計算して、あとの残りはボギー。さすればスコア90前後のゴルフになると考えました。具体的に細かいことを書きますと、発想の転換というか、刻むってこういうことかと、よく分かってきます。
3)ウッドを充実させる
ドライバーを変えて飛距離を伸ばすのもテですが、ドライバーは価格が高いクラブ。だったらほかのクラブを2〜3本変えて戦力増強をしたほうが、コスパがよくないですか。以前から気になって何度か試打していたものに、キャスコのUFOシリーズがあります。中古だと2万円を切るので、スプーンと5番ウッドを購入しました。
見た目がUTなのにウッドの飛距離。非常に打ちやすく、飛距離が伸び、ショットの安定度が増しました。とても心強い武器となっています。今回買った2本は、見栄を張らずにシャフトの固さはRにしました。今まではSとかSRを使用して、メーカーの設定は甘めといってましたが、そんなことはない。おやじにはRシャフトが丁度いい。この2本を多用してボギーオン作戦を展開させます。じゃ具体的にはどうするか?
4)どこをどう刻むか?
まずティショットですが、ドライバーで行けるところはどんどん行きます。しかしドライバーは、ハーフが終わったぐらいで突然崩れたりするんですね。なんでかというと、たぶん、体幹が追いつかないから。おじさんは疲れやすいのです。だから最近は、後半ドライバーでミスショットをしたら、すぐ作戦を変えます。スプーンでティショットをするようにしています。
あと、幅の狭いホールは全部スプーンです。距離の問題じゃないです。ゴルフは曲げたら終わりの世界ですから、狭いホールはとにかく刻まないと。
5)100ヤード以内のアプローチ命
これだけボギーオン作戦を徹底させると、ほとんどが刻み。アプローチが大事になります。寄せで大事なのは、グリーン手前100ヤード以内を乗せることです。これはクラブに役割分担をさせており、100ヤード用のアイアンから、PW、AW、果てはロフト60度のサンドウェッジまで沢山揃えておきます。
距離はすべて目測。ヤーデージの樹木を見て、あとはカートのナビで十分。距離の出し方は、一番振りやすい振り幅と申しましょうか。決してフルショットをしない。クラブは短ければ短いほどフルショットが難しいです。だからスリークォーター、ハーフショットを多用して、なるべくゆっくり振ります。
6)飛ばないことは、スコアにさほど影響をもたらさないと悟る
400ヤードのパー4があったとします。自分が若かった頃を思い出してください。この距離はドライバーとセカンドの5番ウッドを、両方ナイスショットしないと乗らない距離です。多くの場合はグリーン手前か、飛んでもグリーン脇のバンカーに入り、よくてボギーでしょう。
現在、パー4のパーオン可能距離は350ヤードぐらいです。それで十分じゃないですか。グリーン手前50ヤードからアプローチをすれば、ちゃんと3オンします。実は一番飛んでいた時期と、さしてスコアは変わらないのです。さらにいえば、飛ばないからこそ、ガードバンカーにもつかまらないし、グリーン脇のバンカーにも入らない。池越えなんて無謀なことは決してしない。ハザードを避けてラウンド出来るメリットがあるのです。
一度、70歳ぐらいのシングルさんと、ラウンドされたほうがよろしいです。ティショットなんか、さほど飛ばず、我々とどっこいですから。けど上がると70台後半で回ってくる。やはりバンカーからのリカバリーや、寄せワンの確率が異常に高いんですね。そこまで高みを求めなくても、コンスタントにボギーぐらいは取れるんだ。そういうことを学ぶべきかと思います。
だからひとり予約ゴルフなどで、やってくるお年寄りはかなりの腕前です。だって逆に考えてごらんなさい。自分が70歳過ぎて、ひとりゴルフに参加しますか? 普通は、ほかの皆さんに迷惑がかかると心配します。つまり足手まといになるからと、二の足を踏みがち。70歳過ぎてひとりで来るってことは、足手まといにならない自信があるのです。
というわけで将来的には、70歳過ぎてひとりゴルフに参加し、ブイブイいわせたい。そんな妄想を抱きながら、ゴルフ人生第3次成長期を実感しています。
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
連載
木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報