おやじゴルフニュース「ゴルフにいきなり行くか、調べてから行くか?」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2022年7月19日 03時00分
皆さんゴルフ場へ行くとき、いろいろ調べてから行きますか? あるいは何も考えず、出たとこ勝負でラウンドしますか?
「みんなの名コースガイド」うまくなってこんなコースを回りたい
どうでもいいと言えば、それまでの話なんですがね。ゴルフに対する愛情やコースへのリスペクトが多少あれば、調べて行くのも悪くないです。
確かに忙しいころはコースを調べる余裕がなく、連れていかれるままのラウンドもありました。スコアは毎週ラウンドしているせいで、そこそこまとまりましたけどね。帰りの電車でそのコースを調べて、「へえ〜、そうだったの」なんてこともありました。ダンドリが逆だろうってね。
今は月1〜2回のラウンドで、時間的な余裕もあります。やはり多少調べて行くと、充実した一日が過ごせるではないですか。調べるポイントを各分野別に分けましたので、下調べのヒントにして頂けたら幸いです。
1)リクエストの吟味
知り合いからゴルフのお誘いを受けたら、たいがい行きますが、一応条件をみます。基本的にはスタート前に体をアップしたいし、トイレにも行きたいし、電車ゴルフが多いので、遅めの9時以降のスタートが都合いいです。知り合いはそこらへんの条件を知っているので、滅多に早いスタートでゴルフをしたことがありません。
事前調査で一番大事なことは、練習場があるかということです。あれば早く行って、体をほぐしてから打ちます。これをやるとやらないとでは、だいぶ違ってきます。もちろん練習場のないコースは、素振りでショットの代わりをやり、あとはパターなどをやります。アプローチ場にバンカーがあったらもうけもの。家の近所には、バンカーが打てる練習場がないので、念入りに打ちます。
練習場の事前情報は結構大事です。行ってみてアイアンのみしか打てないのか、とがっかりしたこともあります。パッティンググリーンしかないと分かったら、前日の夜、練習場に行っておく案もありますから。
2)アクセスを調べる
ゴルフに行くのは、たいていクルマか電車ですが、いずれにせよ朝食をどこでどうするかが最大の課題になります。そしてそれは、朝食イコールトイレ問題に繋がります。つまりスタートぎりぎりにコース着いて、特急豚汁朝食なんかをかっこんで、いきなりスタートをすると、2ホール目の真ん中あたりから便意をもよおして、大変なことになります。過去にそういう経験を何度もしています。
だから朝はトイレタイムを逆算して、移動すること。いっそ朝食を食べないのもありです。ちなみに電車派の私は、朝早く出て東京駅に向かうことが多いです。そこから各ゴルフ場のクラブバスの発着ステーションへJRの快速で行きます。そのとき、早朝から営業している駅弁売り場で弁当を買い、グリーン車に乗ります。快速のグリーン車は1000円程度なので、プチ贅沢ですかね。それは朝から電車で立ちたくない。並ぶストレスを減らしたいからです。
あと、さきほどのトイレ問題ね。グリーン車のトイレは比較的すいてて、清潔なことが多いので結構使えます。だから便意襲来の保険をかけてグリーン車に乗るというわけです。
3)コースの研究
コースは設計者が有名な人だったら、ぜひラウンドしたいと思うので、モチベーションが上がります。何回か有名設計家のコースをラウンドすると、おぼろげに特徴を見いだせます。そしたらしめたもの。ひとつラウンドの楽しみが増えたことになります。
井上誠一なら、ラウンド中逆光に遭遇することはまずない(例外もあります)。実際、鶴舞CCにメンバーとして7年いましたが、一度も逆光に遭遇していません。ほか井上誠一は砲台グリーン、バンカーの造形にこだわっているとかね。
あと設計者の系譜ですね。井上誠一なら、弟子は宮澤長平(東急系)、大久保昌とかね。造りが似ているので、比較するのも楽しいです。コース設計数日本一と言われている富澤誠造は、井上誠一設計の川崎国際CCの工事監督・グリンキーパーで、井上誠一の背中を見ながら育ってます。
井上誠一は天才設計家ゆえ、予算も潤沢で金持ち相手のコース設計をしていたと聞きます。一方、富澤誠造は依頼された仕事をほとんど断らず低予算でも、みんなに愛される庶民が楽しめるコースを作りに励んだと言われています。富澤誠造は名コースも造ってますが、数が多いから庶民的コースも沢山造っています。
都心から離れて立地も悪いけど、そこそこまとまったレイアウトになってて面白いとかね。そういうことが分かるのです。一方、外国人設計家はわれわれの想像を越えるデザインをなさる方が多いです。怖いもの見たさに行く、名物ホール(アイランドグリーンなど)を堪能しに行く、インスタ映えのために行くとかね、目的はいろいろでよろしいかと思います。そんなわけでどんな有名設計家が作っているかは、とても大事な情報です。
4)練習に反映させる
初めて行くコースのために練習といっても、やりようがありません。狭い広いも感覚的なことなので、実際行ってみると「ちゃんと逃げ道あったじゃん」となるので、余計な心配をしなくていいと思います。
もしピンポイントで練習するなら、ショートホールを調べると面白いです。4つあるショートホールが長めなのか、短めなのか? コース案内図を見れば分かります。その表示された距離を見て「明日行くコースのショートはみんな長い。ウッドの練習をしておくか」なんてことをすればよいかと思います。
あとバンカーの砂ですか。口コミなどで、重くて何回も打ったなどと書いてあれば、それなりの対策をですね。
5)ゴルフ以外のこと
レストランの名物メニューは、一応調べておいたほうがいいです。せっかく行くのだから、名物料理を食べないテはないです。千葉のヌーヴェルゴルフ倶楽部の握り寿司特上1.5人前とかね。各地にお値頃で美味しいメニューが沢山ありますよ。
お昼ゴハンはハーフ終わりなので、頭はゴルフのことでいっぱい。だからをすぐに食事モードに切り換えられません。全然メニューが頭に入って来ないのです。だから名物料理は前もって調べて、スコアカードにでも書いておけばいいです。
あとお土産もね、焼きたてのアップルパイなどがあれば昼に頼んで、持って帰りましょう。これは自分のためというより、家族のためです。ひと手間加えたお土産を家族にあげると、次回のラウンド計画がスムーズに運びますよ。
今はスマホでコースのホームページを、さくさく見ることが出来ます。行く前にちょろっとチェックして見てください。
6)結局ゴルフは想定外のことが面白い
そうやって丁寧にゴルフをやっても、思い出に残ることは想定外のハプニングが多いです。過去のゴルフのスコアなんてほとんど覚えてないでしょう。90台以上は全部忘れてます。頭に残ってるのはたまの80台のみ。年を取ると、頭の中のメモリの残量が少ないので、都合の悪いことは記憶しないことになっているのです。
誰かがキャディさんと喧嘩したとか、雷警報が鳴り途中からレンストランで宴会になったとか。鹿に会った、子供のキツネを拾ったとかね。そんなことのほうが案外思い出に残ってます。この前、北海道に行ってYというコースをラウンドしました。名前が特徴的なので20年前ぐらいに1回ラウンドしたのは覚えてます。その痕跡を辿ろうとフロントやコースを歩き、必死に思いだそうとしましたが、何ひとつ覚えていない。こういう経験は初めてです。人間は丸一日かけて体験したことでも、すべて忘れられるんだなあと。
年を取るとなんでも忘れやすいので、スマホで写真をマメに撮っておきましょうか。う〜ん、写真を撮ったことも忘れそうで怖いんですが……。
「みんなの名コースガイド」うまくなってこんなコースを回りたい
どうでもいいと言えば、それまでの話なんですがね。ゴルフに対する愛情やコースへのリスペクトが多少あれば、調べて行くのも悪くないです。
確かに忙しいころはコースを調べる余裕がなく、連れていかれるままのラウンドもありました。スコアは毎週ラウンドしているせいで、そこそこまとまりましたけどね。帰りの電車でそのコースを調べて、「へえ〜、そうだったの」なんてこともありました。ダンドリが逆だろうってね。
今は月1〜2回のラウンドで、時間的な余裕もあります。やはり多少調べて行くと、充実した一日が過ごせるではないですか。調べるポイントを各分野別に分けましたので、下調べのヒントにして頂けたら幸いです。
1)リクエストの吟味
知り合いからゴルフのお誘いを受けたら、たいがい行きますが、一応条件をみます。基本的にはスタート前に体をアップしたいし、トイレにも行きたいし、電車ゴルフが多いので、遅めの9時以降のスタートが都合いいです。知り合いはそこらへんの条件を知っているので、滅多に早いスタートでゴルフをしたことがありません。
事前調査で一番大事なことは、練習場があるかということです。あれば早く行って、体をほぐしてから打ちます。これをやるとやらないとでは、だいぶ違ってきます。もちろん練習場のないコースは、素振りでショットの代わりをやり、あとはパターなどをやります。アプローチ場にバンカーがあったらもうけもの。家の近所には、バンカーが打てる練習場がないので、念入りに打ちます。
練習場の事前情報は結構大事です。行ってみてアイアンのみしか打てないのか、とがっかりしたこともあります。パッティンググリーンしかないと分かったら、前日の夜、練習場に行っておく案もありますから。
2)アクセスを調べる
ゴルフに行くのは、たいていクルマか電車ですが、いずれにせよ朝食をどこでどうするかが最大の課題になります。そしてそれは、朝食イコールトイレ問題に繋がります。つまりスタートぎりぎりにコース着いて、特急豚汁朝食なんかをかっこんで、いきなりスタートをすると、2ホール目の真ん中あたりから便意をもよおして、大変なことになります。過去にそういう経験を何度もしています。
だから朝はトイレタイムを逆算して、移動すること。いっそ朝食を食べないのもありです。ちなみに電車派の私は、朝早く出て東京駅に向かうことが多いです。そこから各ゴルフ場のクラブバスの発着ステーションへJRの快速で行きます。そのとき、早朝から営業している駅弁売り場で弁当を買い、グリーン車に乗ります。快速のグリーン車は1000円程度なので、プチ贅沢ですかね。それは朝から電車で立ちたくない。並ぶストレスを減らしたいからです。
あと、さきほどのトイレ問題ね。グリーン車のトイレは比較的すいてて、清潔なことが多いので結構使えます。だから便意襲来の保険をかけてグリーン車に乗るというわけです。
3)コースの研究
コースは設計者が有名な人だったら、ぜひラウンドしたいと思うので、モチベーションが上がります。何回か有名設計家のコースをラウンドすると、おぼろげに特徴を見いだせます。そしたらしめたもの。ひとつラウンドの楽しみが増えたことになります。
井上誠一なら、ラウンド中逆光に遭遇することはまずない(例外もあります)。実際、鶴舞CCにメンバーとして7年いましたが、一度も逆光に遭遇していません。ほか井上誠一は砲台グリーン、バンカーの造形にこだわっているとかね。
あと設計者の系譜ですね。井上誠一なら、弟子は宮澤長平(東急系)、大久保昌とかね。造りが似ているので、比較するのも楽しいです。コース設計数日本一と言われている富澤誠造は、井上誠一設計の川崎国際CCの工事監督・グリンキーパーで、井上誠一の背中を見ながら育ってます。
井上誠一は天才設計家ゆえ、予算も潤沢で金持ち相手のコース設計をしていたと聞きます。一方、富澤誠造は依頼された仕事をほとんど断らず低予算でも、みんなに愛される庶民が楽しめるコースを作りに励んだと言われています。富澤誠造は名コースも造ってますが、数が多いから庶民的コースも沢山造っています。
都心から離れて立地も悪いけど、そこそこまとまったレイアウトになってて面白いとかね。そういうことが分かるのです。一方、外国人設計家はわれわれの想像を越えるデザインをなさる方が多いです。怖いもの見たさに行く、名物ホール(アイランドグリーンなど)を堪能しに行く、インスタ映えのために行くとかね、目的はいろいろでよろしいかと思います。そんなわけでどんな有名設計家が作っているかは、とても大事な情報です。
4)練習に反映させる
初めて行くコースのために練習といっても、やりようがありません。狭い広いも感覚的なことなので、実際行ってみると「ちゃんと逃げ道あったじゃん」となるので、余計な心配をしなくていいと思います。
もしピンポイントで練習するなら、ショートホールを調べると面白いです。4つあるショートホールが長めなのか、短めなのか? コース案内図を見れば分かります。その表示された距離を見て「明日行くコースのショートはみんな長い。ウッドの練習をしておくか」なんてことをすればよいかと思います。
あとバンカーの砂ですか。口コミなどで、重くて何回も打ったなどと書いてあれば、それなりの対策をですね。
5)ゴルフ以外のこと
レストランの名物メニューは、一応調べておいたほうがいいです。せっかく行くのだから、名物料理を食べないテはないです。千葉のヌーヴェルゴルフ倶楽部の握り寿司特上1.5人前とかね。各地にお値頃で美味しいメニューが沢山ありますよ。
お昼ゴハンはハーフ終わりなので、頭はゴルフのことでいっぱい。だからをすぐに食事モードに切り換えられません。全然メニューが頭に入って来ないのです。だから名物料理は前もって調べて、スコアカードにでも書いておけばいいです。
あとお土産もね、焼きたてのアップルパイなどがあれば昼に頼んで、持って帰りましょう。これは自分のためというより、家族のためです。ひと手間加えたお土産を家族にあげると、次回のラウンド計画がスムーズに運びますよ。
今はスマホでコースのホームページを、さくさく見ることが出来ます。行く前にちょろっとチェックして見てください。
6)結局ゴルフは想定外のことが面白い
そうやって丁寧にゴルフをやっても、思い出に残ることは想定外のハプニングが多いです。過去のゴルフのスコアなんてほとんど覚えてないでしょう。90台以上は全部忘れてます。頭に残ってるのはたまの80台のみ。年を取ると、頭の中のメモリの残量が少ないので、都合の悪いことは記憶しないことになっているのです。
誰かがキャディさんと喧嘩したとか、雷警報が鳴り途中からレンストランで宴会になったとか。鹿に会った、子供のキツネを拾ったとかね。そんなことのほうが案外思い出に残ってます。この前、北海道に行ってYというコースをラウンドしました。名前が特徴的なので20年前ぐらいに1回ラウンドしたのは覚えてます。その痕跡を辿ろうとフロントやコースを歩き、必死に思いだそうとしましたが、何ひとつ覚えていない。こういう経験は初めてです。人間は丸一日かけて体験したことでも、すべて忘れられるんだなあと。
年を取るとなんでも忘れやすいので、スマホで写真をマメに撮っておきましょうか。う〜ん、写真を撮ったことも忘れそうで怖いんですが……。
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
連載
木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報