ゴルフウエアが目指すサステナブルは細部にも宿る
持続可能な環境は、持続可能なゴルフライフにもつながる。そんな意識はすでにゴルフウエアメーカーにも浸透しているようだ。
配信日時:2022年8月10日 10時30分
サステナブルな社会、それを目指すためのSDGsは、企業、個人を問わず、現代の課題となっているのはご存じの通り。気がつくと、コンビニでレジ袋を利用することが、めっきり減っているように、こうした意識は確実に日常生活に根づきつつある。それはゴルフライフでも同様だ。
持続可能な地球環境、それに合わせて持続可能なゴルフライフを目指して、ゴルフ場では伐採した樹木以上の植林事業を進めたり、クラブハウスの浴場からビニール袋が消えたりとさまざまな取り組みが行われている。ではゴルフウエア(アパレル)の世界はどうなっているのだろう。8月3日に開催されたTSI(マスターバニーエディション、PINGアパレル、パーリーゲイツなど、多くの人気ゴルフウエアブランドを擁するアパレル企業)のサステナブル展示会で、その現状が紹介された。
確かに新しいゴルフウエアを手にするとき、それが環境に配慮された素材で作られていれば、サステナブルな社会を目指す手助けにもなるわけで、理想的なショッピングと言える。だが価格やウエアの機能性、色柄の志向などと比べて、こうしたエコな素材を使用していることが、購入の動機のとしては、まだ大きくないというのも事実だ。もちろん過渡期だからと、とらえることもできるが、作り手サイドのメーカーは、そんな状況下でも、さまざまな方策でサステナブルを目指していた。
たとえばウエアにいくつもぶらさがる紙タグ。ここにも新しい、サステナブルを目指すアイデアが凝らされていた。たとえばブランド名や価格、素材を示す以外にも、商品の取り扱いや洗濯の方法を示すものなども加わり、ウエアに何枚もの紙タグがぶらさがることがあたり前になっている。
こうした状況を解消するために、ウエアの内側につく洗濯ラベルにQRコードをつけて、読み込むことで、紙タグに記されるはずだった情報を確認できるようになった。紙タグを削減することで、材料となる資源やゴミの削減、輸送に関わるコストやエネルギーの削減にもつながる。また紙タグをウエアにとりつける ”ヒモ“ にも目が向けられている。糸部分、樹脂部分とも、リサイクル素材が用いられているという。その堅牢度は従来のものと変わらないそうだ。
小さな紙タグとヒモとはいえ、すべてのウエアにつくことを考えれば、その蓄積がもたらす効果は少なくないはず。リサイクル素材を使ったゴルフウエアには、まだなびかないゴルファーでも、サステナブルな社会に貢献できるプロセスとなっているのだ。
またマスターバニーエディションなどが店頭でのセールを行わないことで、過剰な生産を抑えて、適正な在庫量を保つようにしていることも、ジャックバニーがジュニアゴルファー育成につとめているのも、PINGアパレルの納品袋(これがゴルフや旅行に出かけるときの、バッグインバッグとして使い勝手がいい!)が牛乳瓶のフタから生まれた再生ポリエチレンから作られていることも、持続可能な環境、そして持続可能なゴルフライフを目指す一助となっている。
ゴルフウエアを介して、作り手サイドはサステナブルな取り組みを着々と進めている。そこにゴルファーの意識が加わることで、この先も、これまでのようにゴルフライフを満喫することができるようになるのでは。