おやじゴルフニュース「ビジターとして通いたいコースを探す」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2022年8月16日 03時00分
全国に2200ほどのゴルフ場がありますが、厳格な運営をしているメンバーシップコースは1割もありません。ほとんどのコースはネットなどで予約を受け付け、ビジターでも打てます。敷居の高い超名門ですら、開放デーを開催して地域住民との融和を計っており、ラウンドできないことはないんですよね。
これは必見! 気軽にプレー出来る「みんなの名コースガイド」
そんな状況を踏まえ、ビジターとして気軽に通えるコースはどんなのがいいかを考えてみます。いくつかの注意ポイントを書きましたので、ご一読ください。
1)ビジター全盛の世の中
会員権を買ってメンバーになれば、いつでも好きなときにラウンド出来ると思ってる方が多いようです。システム的にはそうですが、現実はちょっと難しい部分があります。
例えば会員数がさほど多くない、俗にいう準名門倶楽部(会員権価格200〜300万円程度)に、ふらっとひとりで行くと、ラウンドが出来ない場合があります。それは平日にメンバーがひとりで来ないからです。基本ひとりでラウンドさせてくれないのでスタッフと回るか、どこかの知らないビジターと回るしかないです。案外使いづらいでしょう。現実的には友達などを誘って2サムで、予約するしかないんですね。
それはクラブの文化というか、メンバーのライフスタイルであり、仕方のないことです。逆にメンバーの多い大衆的コースほど、平日のメンバー使用頻度が高く、そっちのほうがひとりでぶらっと行き、メンバーとの組み合わせラウンドが可能となります。
そもそも「ひとり予約」サービスが浸透している現在、メンバーになって、平日ひとりで行くために会員権を買うのはほとんどありえないです。これだけ予約が簡単に出来る世の中ですから、気ままにビジターライフを送ったほうが楽だと思います。
2)コースの質は必ずしも料金に比例しない
平日でもビジターで東京や神奈川のコースをラウンドすると、軽く2万円を越えます。そのくせコースはトリッキーでアップダウンがあり、わりと大変な思いをします。一方、千葉の北部や茨城に行くと、7000円ぐらいで、広くて平坦な林間コースを回れます。
この違いはなんでしょう。つまり都心から近いか遠いかの違いで、料金格差が出るのです。多少家から遠くても、ちゃんとしたコースで回りたいなら、平坦で土壌のよい千葉北部と茨城エリアを勧めます。
これは人による価値観ですから、片道2時間もかけてゴルフをやりたくないなら仕方ないです。ただ自分のラウンドの幅は広めに持っていたほうが、何かと都合よいかと思います。ひとりで練習的ラウンドをするときは、割高だけど近所の狭くて短いコースで、さくっと行って帰って来るとかね。
また別な日には、友達とちゃんとしたコースでラウンドすると決めて、茨城まで行って豪快にドライバーをぶっ放すと。TPO別に分けてラウンドするのが好ましいと思います。
3)コースとクラブハウスの関係
スコットランド好きのゴルフ通は「ゴルフ場はコースがすべて、クラブハウスは質素でいい」みたいな意見を言いますが、バブルを経験した日本のおやじはちょっと違う考えとなります。
やっぱり立派なクラブハウスの玄関で出迎えられ、吹き抜けのロビーで受け付けをするのは格別なものがあります。そしてふかふかのソファーに座りひと休み、重厚な木製ロッカーにジャケットを吊るし、広いテーブルで豪華な食事を頂き、最後はサウナ付きのジャグジー風呂で癒すとかね。豪華なクラブハウスは、なかなか魅力的なゴルフ場のコンテンツだと思います。
狙いとしてはバブル時期に作って、パブリックになってしまったコースがいいかも知れません。当時の資料を探し「最終募集価格6000万円かあ〜、それが今パブリックで自由に打てる。まさに、つわものどもが夢の跡だな〜」と往時を忍び述懐するのも、しみじみしてよろしいです。
4)コースのよしあし
これは気持ちの問題ですが、どうせラウンドするならパー72のコースがいいです。パー70や71だとせっかく89とか出して、友達に自慢しても「そこはパー71だから本来は90だよ」と突っ込みを入れられます。
そしてコースが狭い、隣家が近いなどの理由で、アイアンショット縛りがあるコースも勘弁して欲しいです。あとは砲台グリーンがブラインドになっているのも、なんとかならないですかね。今はセルフプレー全盛なので、キャディがいないことが多いです。そこでナイスショットしても、グリーンで乗ったかどうか分からないのは問題です。グリーンを外したかも知れないと、保険をかけてウェッジを持って行かねばなりませんし。
そもそもショットをしてボールがグリーンに届いたら、その場で乗ったのが分からないと、面白くないじゃないですか。砲台グリーンは昔の設計の基本ですが、それはキャディさんが常にいた時代の産物です。狙うピンが見えないホールは、セルフプレーヤーにとってはしんどいかな。
あとコースで問題となるのは距離です。だんだん飛ばなくなると、短いコースで打ちたがりますが、あまりにも短いのもどうか? 個人的にはレギュラーティで全長6200ヤード程度、400ヤード程度のパー4ホールが、ハーフにふたつぐらいあるけど、短いパー4ホールもあり、バランスが取れている。そういうコースが好きです。
パーオンしないホールは諦め、どう刻むか考え、チャンスホールはどうやってそれを生かすか。それを考えるのが楽しいです。
5)ラウンドの疲労度の問題
最近ゴルフをやると疲れが残るので、なるべく楽なコースでラウンドするように心がけています。何が一番疲れないか? それは乗用カートでフェアウェイに乗り入れ出来ることです。
それならばカートを降りたらその場で打つだけですから、体力は相当温存できます。逆に考えると名門の歩きコースは苦手です。高いお金を払っての歩きは、もはや修行です。でも付き合いもあるので、体力確認&維持のために年1〜2回ぐらいはラウンドしますかね。
あと乗用カートがあるからといっても、アップダウンがきつい、べたべたな山岳コースはしんどいです。山岳コースでも、比較的ラウンドしやすいのが、登り部分をコースのインターバルで解消している場合です。それなら、そこそこ楽しめます。ポイントは平成時代以降に出来たコースは土木技術が進み、大量の土砂を動かして、山岳エリアでもフラットなコースを作っています。あと古いコースでも、改造をして登り部分を解消してあれば苦になりません。
気になるようでしたら、行く前にコースのホームページを見て、確認しておくのもテだと思います。今は各ホールのレイアウトやドローン映像などを公開してますから、おおよその概要が分かりますよ。
6)最終的には総合判断
結局、コースの価値は自分の好みだと思います。そしてどこかで妥協するしかないのです。過去にメンバーだったことが15年間ぐらいありましたが、すべてに満足することはなかったです。
コースはいいけど食事がまずい。コースレイアウトはおおむねいいが、ひとつだけ納得のいかないホールがある。気に入らないメンバーがいたこともあります。土日に混みすぎてコース内は渋滞だらけというのもありました。レストランでメンバー同士が怒鳴り合って、大喧嘩していたのを目撃もしています。なんだかな〜ですよね。
けどビジターでラウンドする場合、気に入らなくなったら通わなければいいのです。今はスマホでコースの予約ページを見ながら、次はどこに行こうとコースをエアーラウンド。これが結構楽しいんですよね。
これは必見! 気軽にプレー出来る「みんなの名コースガイド」
そんな状況を踏まえ、ビジターとして気軽に通えるコースはどんなのがいいかを考えてみます。いくつかの注意ポイントを書きましたので、ご一読ください。
1)ビジター全盛の世の中
会員権を買ってメンバーになれば、いつでも好きなときにラウンド出来ると思ってる方が多いようです。システム的にはそうですが、現実はちょっと難しい部分があります。
例えば会員数がさほど多くない、俗にいう準名門倶楽部(会員権価格200〜300万円程度)に、ふらっとひとりで行くと、ラウンドが出来ない場合があります。それは平日にメンバーがひとりで来ないからです。基本ひとりでラウンドさせてくれないのでスタッフと回るか、どこかの知らないビジターと回るしかないです。案外使いづらいでしょう。現実的には友達などを誘って2サムで、予約するしかないんですね。
それはクラブの文化というか、メンバーのライフスタイルであり、仕方のないことです。逆にメンバーの多い大衆的コースほど、平日のメンバー使用頻度が高く、そっちのほうがひとりでぶらっと行き、メンバーとの組み合わせラウンドが可能となります。
そもそも「ひとり予約」サービスが浸透している現在、メンバーになって、平日ひとりで行くために会員権を買うのはほとんどありえないです。これだけ予約が簡単に出来る世の中ですから、気ままにビジターライフを送ったほうが楽だと思います。
2)コースの質は必ずしも料金に比例しない
平日でもビジターで東京や神奈川のコースをラウンドすると、軽く2万円を越えます。そのくせコースはトリッキーでアップダウンがあり、わりと大変な思いをします。一方、千葉の北部や茨城に行くと、7000円ぐらいで、広くて平坦な林間コースを回れます。
この違いはなんでしょう。つまり都心から近いか遠いかの違いで、料金格差が出るのです。多少家から遠くても、ちゃんとしたコースで回りたいなら、平坦で土壌のよい千葉北部と茨城エリアを勧めます。
これは人による価値観ですから、片道2時間もかけてゴルフをやりたくないなら仕方ないです。ただ自分のラウンドの幅は広めに持っていたほうが、何かと都合よいかと思います。ひとりで練習的ラウンドをするときは、割高だけど近所の狭くて短いコースで、さくっと行って帰って来るとかね。
また別な日には、友達とちゃんとしたコースでラウンドすると決めて、茨城まで行って豪快にドライバーをぶっ放すと。TPO別に分けてラウンドするのが好ましいと思います。
3)コースとクラブハウスの関係
スコットランド好きのゴルフ通は「ゴルフ場はコースがすべて、クラブハウスは質素でいい」みたいな意見を言いますが、バブルを経験した日本のおやじはちょっと違う考えとなります。
やっぱり立派なクラブハウスの玄関で出迎えられ、吹き抜けのロビーで受け付けをするのは格別なものがあります。そしてふかふかのソファーに座りひと休み、重厚な木製ロッカーにジャケットを吊るし、広いテーブルで豪華な食事を頂き、最後はサウナ付きのジャグジー風呂で癒すとかね。豪華なクラブハウスは、なかなか魅力的なゴルフ場のコンテンツだと思います。
狙いとしてはバブル時期に作って、パブリックになってしまったコースがいいかも知れません。当時の資料を探し「最終募集価格6000万円かあ〜、それが今パブリックで自由に打てる。まさに、つわものどもが夢の跡だな〜」と往時を忍び述懐するのも、しみじみしてよろしいです。
4)コースのよしあし
これは気持ちの問題ですが、どうせラウンドするならパー72のコースがいいです。パー70や71だとせっかく89とか出して、友達に自慢しても「そこはパー71だから本来は90だよ」と突っ込みを入れられます。
そしてコースが狭い、隣家が近いなどの理由で、アイアンショット縛りがあるコースも勘弁して欲しいです。あとは砲台グリーンがブラインドになっているのも、なんとかならないですかね。今はセルフプレー全盛なので、キャディがいないことが多いです。そこでナイスショットしても、グリーンで乗ったかどうか分からないのは問題です。グリーンを外したかも知れないと、保険をかけてウェッジを持って行かねばなりませんし。
そもそもショットをしてボールがグリーンに届いたら、その場で乗ったのが分からないと、面白くないじゃないですか。砲台グリーンは昔の設計の基本ですが、それはキャディさんが常にいた時代の産物です。狙うピンが見えないホールは、セルフプレーヤーにとってはしんどいかな。
あとコースで問題となるのは距離です。だんだん飛ばなくなると、短いコースで打ちたがりますが、あまりにも短いのもどうか? 個人的にはレギュラーティで全長6200ヤード程度、400ヤード程度のパー4ホールが、ハーフにふたつぐらいあるけど、短いパー4ホールもあり、バランスが取れている。そういうコースが好きです。
パーオンしないホールは諦め、どう刻むか考え、チャンスホールはどうやってそれを生かすか。それを考えるのが楽しいです。
5)ラウンドの疲労度の問題
最近ゴルフをやると疲れが残るので、なるべく楽なコースでラウンドするように心がけています。何が一番疲れないか? それは乗用カートでフェアウェイに乗り入れ出来ることです。
それならばカートを降りたらその場で打つだけですから、体力は相当温存できます。逆に考えると名門の歩きコースは苦手です。高いお金を払っての歩きは、もはや修行です。でも付き合いもあるので、体力確認&維持のために年1〜2回ぐらいはラウンドしますかね。
あと乗用カートがあるからといっても、アップダウンがきつい、べたべたな山岳コースはしんどいです。山岳コースでも、比較的ラウンドしやすいのが、登り部分をコースのインターバルで解消している場合です。それなら、そこそこ楽しめます。ポイントは平成時代以降に出来たコースは土木技術が進み、大量の土砂を動かして、山岳エリアでもフラットなコースを作っています。あと古いコースでも、改造をして登り部分を解消してあれば苦になりません。
気になるようでしたら、行く前にコースのホームページを見て、確認しておくのもテだと思います。今は各ホールのレイアウトやドローン映像などを公開してますから、おおよその概要が分かりますよ。
6)最終的には総合判断
結局、コースの価値は自分の好みだと思います。そしてどこかで妥協するしかないのです。過去にメンバーだったことが15年間ぐらいありましたが、すべてに満足することはなかったです。
コースはいいけど食事がまずい。コースレイアウトはおおむねいいが、ひとつだけ納得のいかないホールがある。気に入らないメンバーがいたこともあります。土日に混みすぎてコース内は渋滞だらけというのもありました。レストランでメンバー同士が怒鳴り合って、大喧嘩していたのを目撃もしています。なんだかな〜ですよね。
けどビジターでラウンドする場合、気に入らなくなったら通わなければいいのです。今はスマホでコースの予約ページを見ながら、次はどこに行こうとコースをエアーラウンド。これが結構楽しいんですよね。
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
連載
木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報