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トレーナーに訊いた! 世界を目指す日本ドラコン王のコンディション作りの真髄
今年10月開催のドラコン世界大会の決勝に向け、昨年から「体の効果的な使い方」という課題に取り組んでいる豊永智大プロ。今回は、そんな豊永プロのトレーナーの柳本絵美さんに「これまで実践してきたコンディション作りの真髄」について訊いてみた。
配信日時:2022年8月19日 09時00分
トレーニングスタジオ『LOWMEL』の代表トレーナーを務めている柳本絵美さんは、異色の経歴の持主だ。中学生の時に女優を目指して芸能界入りし、その後はアイドルやラウンドガール、プロ野球リポーターなどで活躍。しかし、ストレスで体重が増えたのをきっかけに、美しい体を求めてトレーニングに目覚めると才能が開花。2017年に『ベストボディ・ジャパン』のガールズクラスでグランプリに輝き、その後も『マッスルマニア』や『マッスルコンテスト』などで好成績を収めた。現在はパーソナルトレーナーとして、理想の体作りのサポートを行っている。
何から始めよう…そう感じるほど 「直した方が良い箇所」だらけ
「私が出会った頃の豊永プロは足首など、痛みを感じる箇所を複数抱えていて、しゃがむこともままならない状態でした。足首にボルトを一度入れていたり、元々ケガの既往歴もありましたし、今と比べるとメンタル的にも暗い印象でした。冗談が通じないかも…みたいな(笑)。
その後、私が豊永プロのセッションを見させて頂くようになったのですが、まずは“体の使い方を改善すること”に主眼を置いたんです。理由は、体を使えていない…支えられていない状態に見えたからです。それが様々な部位の痛みや違和感に繋がっていたと思います。豊永プロは190cm近くの身長で体が大きく筋肉もありますが、インナーマッスルは使えていない状態で力任せにスイングしているように見えました。インナーマッスルと外側の筋肉が連動していないのですが、それでも飛距離が出せる筋肉量を持っていたわけです。
しかし、この状態でプレーを続けるとケガや故障もしやすくなります。そのため、インナーマッスルも含め体のコンディショニングが必要でした」
当時、柳本さんは「この体でよくプレーしているな…逆に凄いかも」と心配に思ったという。
「潜在的なポテンシャルの高さは申し分なかったので、インナーマッスルを鍛えて体を効果的に使えるようになれば “この人は本当に凄くなる” と感じました。ちょっと失礼な言い方ですが、高いポテンシャルが無駄使い状態だったわけです(笑)。そこを変えれば、さらに自信もついて大きく変わると思いました」
その後、私が豊永プロのセッションを見させて頂くようになったのですが、まずは“体の使い方を改善すること”に主眼を置いたんです。理由は、体を使えていない…支えられていない状態に見えたからです。それが様々な部位の痛みや違和感に繋がっていたと思います。豊永プロは190cm近くの身長で体が大きく筋肉もありますが、インナーマッスルは使えていない状態で力任せにスイングしているように見えました。インナーマッスルと外側の筋肉が連動していないのですが、それでも飛距離が出せる筋肉量を持っていたわけです。
しかし、この状態でプレーを続けるとケガや故障もしやすくなります。そのため、インナーマッスルも含め体のコンディショニングが必要でした」
当時、柳本さんは「この体でよくプレーしているな…逆に凄いかも」と心配に思ったという。
「潜在的なポテンシャルの高さは申し分なかったので、インナーマッスルを鍛えて体を効果的に使えるようになれば “この人は本当に凄くなる” と感じました。ちょっと失礼な言い方ですが、高いポテンシャルが無駄使い状態だったわけです(笑)。そこを変えれば、さらに自信もついて大きく変わると思いました」
足の裏の筋膜リリースや 股関節の引き込みがポイントに!
「コンディショニングの具体的な方法としては、足の裏もポイントでした。豊永さんは体重が120キロ近くあり、それを足の裏で支えている状態で凄く負担があったからです。そこで、この部分の筋膜リリース(筋膜を柔らかくし滑りを良くして解きほぐすこと)を行いました。さらに、足の内側の筋肉(足内筋)も全然使えていなくて、結果的に足首にも負担が生じていたんです。足の内側の筋肉が使えていない状態でスイングすると、踏み込む際に親指に力を入れることができず、外側に力が逃げてしまいます。
インパクトの瞬間に内側に強く踏み込めないと、踏ん張りも効きません。豊永さんは、それを体と筋肉の大きさでカバーしてボールを飛ばしていたわけです。この点を解消するため、足の内側の筋肉が使えるようになるトレーニングを取り入れました。例えば、タオルギャザーなど、足の指を動かす運動ですね」
プロ選手は特殊なトレーニングをしているのでは…と思いがちだが、実は意外とシンプルなところから始めるケースも多いようだ。
「さらに、豊永さんは股関節も硬かったので関節の可動域を広げるトレーニングも行いましたね。関節をしっかり動かしていく形で…あとは “股関節の引き込み” です。ゴルフはアドレス時に股関節を引き込みますが、豊永さんは少し反り腰で上手くできていないと感じたんです。引き込んでいる風に見えているだけと言いますか…。股関節の引き込みは、歩く、しゃがむ、踏み込むなど、普段の生活でも行っている動きなんです。いわば、人間が生きていくうえで必要な動作ですね。それがスポーツにも繋がっています」
インパクトの瞬間に内側に強く踏み込めないと、踏ん張りも効きません。豊永さんは、それを体と筋肉の大きさでカバーしてボールを飛ばしていたわけです。この点を解消するため、足の内側の筋肉が使えるようになるトレーニングを取り入れました。例えば、タオルギャザーなど、足の指を動かす運動ですね」
プロ選手は特殊なトレーニングをしているのでは…と思いがちだが、実は意外とシンプルなところから始めるケースも多いようだ。
「さらに、豊永さんは股関節も硬かったので関節の可動域を広げるトレーニングも行いましたね。関節をしっかり動かしていく形で…あとは “股関節の引き込み” です。ゴルフはアドレス時に股関節を引き込みますが、豊永さんは少し反り腰で上手くできていないと感じたんです。引き込んでいる風に見えているだけと言いますか…。股関節の引き込みは、歩く、しゃがむ、踏み込むなど、普段の生活でも行っている動きなんです。いわば、人間が生きていくうえで必要な動作ですね。それがスポーツにも繋がっています」
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