第37回 洋芝、砲台… 簡単に感じているコースで、スコアがまとまらない理由【小田美奈のキャディ目線】
かつては専属キャディとして宮里藍を支え、現在は二児の母として家庭を支え、ハウスキャディとして一般ゴルファーも支える小田美奈さんが、ツアーの裏側やゴルフに役立つ情報をお届け!
配信日時:2022年8月25日 02時00分
今週、小樽カントリー倶楽部で開催される「ニトリレディス」。難易度の高いコース、そしてふかふかな洋芝のフェアウェイに苦戦するプロもいるはずだ。そういったコースの攻め方を考える上で、コースとの相性は無視できないと、宮里藍の元専属キャディの小田美奈さんはいう。
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距離はないけど難しい 砲台グリーンの中日クラウンズ【大会写真】
常にスコアを意識しながらラウンドしているプレーヤーにとって、コースとの相性というのは無視できないものです。飛距離はあるけれど曲がるという人は、OBがいくつもあるような狭いコースではスコアがまとまりにくいですし、飛距離のない人が距離の長いコースでは良いスコアが出ないのは、当然とも言えることです。そういった、コースとの相性を知ることは、攻め方や目標スコアなどを考える上でとても重要です。
コースとの相性が良いか悪いかは、飛距離だけで判断できるものばかりではありません。高い球を必要とするような砲台グリーンの多いコースでは、球が低い人にとっては特に難しく感じますし、右がOBばかりでスライサーにはつらい! といったように、自分の球筋によっても感じる難しさは違ってきます。
ドローヒッター向けのコース、フェードが求められるようなコースセッティングなど、球筋による相性は、プロのトーナメントにおいても必ず念頭に置いておくもの。それによって、攻めるか守るかといった判断が少し変わって来るからです。
芝質によっても、得手不得手が分かれます。例えば、フェアウェイが洋芝の場合、距離感が掴めないといったような経験の差によるものもありますが、力のない人が絡みつくベント芝を苦手とするのは仕方のないこと。
今週の「ニトリレディス」が開催される北海道の小樽カントリー倶楽部や、先日「NEC軽井沢72」が開催された長野の軽井沢72ゴルフ北コースもそうですが、洋芝のやわらかいフェアウェイに苦戦するプロは少なくありません。
もうだいぶ前の話ですが、高速ベントグリーンで開催される公式戦の前に高麗芝のグリーンでプレーしたくないからと、前週の大会を欠場するプロが続出したことで問題になったことも。コースとの相性は、プロでも無視することのできないものなのです。
なぜだか理由はわからないけれど、あのコースではいつも良いスコアで上がれるということもありますし、逆に、簡単なコースに感じるのに、スコアがまとまらないといったこともあると思います。
良いスコアが出そうな広いコースではイメージが漠然としてしまい、狭いコースの方がイメージを出しやすいといったように、難しいと言われるコースの方がスコアがまとまるという人もいます。そういったコースとの相性は、もちろんプロにも当てはまるもの。この試合ではいつも上位にくる。この試合ではいつも予選落ちという状況が生まれるのは、まさにその相性によるものです。
よく行くコースがいくつかある場合、それぞれのコースのベストスコアを記録しておくようにすれば、自分がどういったコースを苦手としているのかを知ることもできるかもしれません。そして、その原因が球筋によるものであれば、ターゲットを工夫したり、マネジメントを変えてみたりと攻め方について考えるべきだし、飛距離のような仕方がない部分であれば、目標スコアを変えるなどして、余分な力が入らないように工夫することが大切です。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。
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距離はないけど難しい 砲台グリーンの中日クラウンズ【大会写真】
常にスコアを意識しながらラウンドしているプレーヤーにとって、コースとの相性というのは無視できないものです。飛距離はあるけれど曲がるという人は、OBがいくつもあるような狭いコースではスコアがまとまりにくいですし、飛距離のない人が距離の長いコースでは良いスコアが出ないのは、当然とも言えることです。そういった、コースとの相性を知ることは、攻め方や目標スコアなどを考える上でとても重要です。
コースとの相性が良いか悪いかは、飛距離だけで判断できるものばかりではありません。高い球を必要とするような砲台グリーンの多いコースでは、球が低い人にとっては特に難しく感じますし、右がOBばかりでスライサーにはつらい! といったように、自分の球筋によっても感じる難しさは違ってきます。
ドローヒッター向けのコース、フェードが求められるようなコースセッティングなど、球筋による相性は、プロのトーナメントにおいても必ず念頭に置いておくもの。それによって、攻めるか守るかといった判断が少し変わって来るからです。
芝質によっても、得手不得手が分かれます。例えば、フェアウェイが洋芝の場合、距離感が掴めないといったような経験の差によるものもありますが、力のない人が絡みつくベント芝を苦手とするのは仕方のないこと。
今週の「ニトリレディス」が開催される北海道の小樽カントリー倶楽部や、先日「NEC軽井沢72」が開催された長野の軽井沢72ゴルフ北コースもそうですが、洋芝のやわらかいフェアウェイに苦戦するプロは少なくありません。
もうだいぶ前の話ですが、高速ベントグリーンで開催される公式戦の前に高麗芝のグリーンでプレーしたくないからと、前週の大会を欠場するプロが続出したことで問題になったことも。コースとの相性は、プロでも無視することのできないものなのです。
なぜだか理由はわからないけれど、あのコースではいつも良いスコアで上がれるということもありますし、逆に、簡単なコースに感じるのに、スコアがまとまらないといったこともあると思います。
良いスコアが出そうな広いコースではイメージが漠然としてしまい、狭いコースの方がイメージを出しやすいといったように、難しいと言われるコースの方がスコアがまとまるという人もいます。そういったコースとの相性は、もちろんプロにも当てはまるもの。この試合ではいつも上位にくる。この試合ではいつも予選落ちという状況が生まれるのは、まさにその相性によるものです。
よく行くコースがいくつかある場合、それぞれのコースのベストスコアを記録しておくようにすれば、自分がどういったコースを苦手としているのかを知ることもできるかもしれません。そして、その原因が球筋によるものであれば、ターゲットを工夫したり、マネジメントを変えてみたりと攻め方について考えるべきだし、飛距離のような仕方がない部分であれば、目標スコアを変えるなどして、余分な力が入らないように工夫することが大切です。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。