おやじゴルフニュース「ジャケットを着なくてすむ夏が終わってしまいます」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2022年9月6日 03時00分
長かった夏も終わりましたな〜。秋になると衣替えのシーズン突入で、ゴルフ場はおおむねジャケット着用が推奨されます。でも今は地球温暖化だから、まだまだ暑いです。従来の6月から9月までのジャケット無着用期間を、伸ばしてもよいと思いませんか。例えば5月から10月までジャケット着用は省略でいいとかね、そんな気もします。
松山英樹がグリーンジャケットに袖を通した日は忘れられない
そうなってくると、半年間ノージャケット。ならば、いっそ1年中ジャケットを着なくていいかも知れません。単に暑いからジャケット着なくていい程度のマナーなら、最初から着なくてもよかったりして。
■そもそもゴルフ場はなぜジャケット着用なのか?■
現在、多くのコースで自動チェックイン機が導入され、フロントで対面受付をしない状況です。だったらジャケットを着て行っても、誰にそれを見せるのでしょうか? 腕に腕章をした週番や生活指導の先生がいるわけでもないしって、中学校かよ〜。
そもそもなんでゴルフ場に行くときに、ジャケットを着用しなければいけないのか? 正しく説明できる人は少ないんじゃないですか? これは一度NHKに電話して、チコちゃんに聞いてみたほうがいいかもですね。
そこで私が知る限りの、ジャケットの話をしてみたいと思います。日本では多くのメンバーシップのゴルフ場をカントリークラブといいます。本来のカントリークラブはポロやテニス、ヨット、乗馬などのスポーツ全般を楽しむ社交クラブのことを指します。だからゴルフのみだとカントリークラブとは言いません。ゴルフクラブが正しいのです。呼びやすいとか見栄えのために、カントリークラブって、そこがそもそも間違ってるんですよ。
そして本来のカントリークラブは、大英帝国時代のロンドンの社交クラブが発端とされてます。今から100年以上も前からあり、そこらへんの描写は、人気推理小説の「シャーロック・ホームズ」にたびたび登場します。ホームズの兄のマイクロフトが高級官僚をしていて、社交クラブに出入りするシーンが、何度も描かれているのです。
一般的なクラブのメンバーは男子のみで、そこでパーティや食事会、イベントなどを開催し、飲酒、カードゲーム、シガーをたしなむなど、紳士の隠れ家的な場所として使われます。その郊外版がカントリークラブでした。つまり社交クラブ、カントリークラブは限られたメンバーの紳士淑女が集うから、メンバーの証としてジャケット着用を義務づけているのです。
だから日本の超名門倶楽部が「ジャケットを着用しろ」と言うのは理解できますし、自分が行くときは、当然ジャケットを着用して行きます。そこにはあくまでメンバーか、メンバーの知り合いしかいないからです。けど9割以上のネットで予約できるゴルフ場はどうでしょうか? メンバーシップと言ってるけど、平日はセミパブリックのコースになっています。そこでジャケット着用しろというのは、無理がある話です。
個人的には昔メンバーだったコースで、平日はジャケットを着用していませんでした。ただし月例などの競技の日は、ジャケットを着用していました。それは万が一、入賞するとスピーチをしなければならないからです。競技で最初から入賞もしないと諦めるのは、気持ちですでに負けています。だから入賞するんだという意気込みを見せるための、ジャケット着用でした。
何を言いたいかというと倶楽部競技、クラブイベントで何かに参加するなら、ジャケット着用です。メンバーとしての誇りを見せたいときにもね。それをネットで予約したメンバーと関係のないビジターに、ジャケット着用をお願いするのは筋違いです。
倶楽部側の言い分は、由緒あるメンバーシップのコースを、特別にビジターに開放しているのだから、クラブのルールに従ってジャケットを着用してくださいとなります。けどそれは建前であって、実情はもはやメンバーのみで運営が成り立たなくなったクラブが、ネットに頼んで大量にビジターを動員しているのです。だからビジター連中同士で「あそこは口うるさいから、もう行かない」みたいになっているのはよくあります。
ビジター側がこれはジャケット着用して行くべきコースと思えば、着ていけばいいだけの話です。大衆的なクラブは、そこらへんの事情を分かっていて、表現がマイルドになっています。通常はホームページにこう書いています。「入場の際にはジャケット着用をお願いします」です。しかし、服装が緩めの倶楽部は「ゴルフに相応しい服装で来場してください」と、ジャケットという文字を入れないのです。そこらへんは狙い目ですね。
■ジャケット着用と歩きラウンド■
次にゴルフ文化を英国とアメリカに分けて考えてみます。大雑把に分類すると、ジャケット着用と歩きラウンドは英国流の文化といえます。だから平成以降に出来た新名門クラブでも、皆さんジャケット着用で来場し、しっかり歩きラウンドしています。それはそれでブリティッシュスピリットを大切にしており、むしろ清々しいと思います。
だからジャケット着用にするなら、しっかり歩きラウンドをして、メンバー同伴の客以外入れないで頂きたいです。一方、アメリカンスタイルのゴルフといえば、乗用カートのセルフプレーが主体です。日本ではそれに、GPSナビを付けて、キャディさんがほとんどいないコースが増えています。そういうアメリカンスタイルで、ネット予約をばんばんやっていながら、ジャケット着用はないでしょう。私はそう言いたいのです。
だいたいアメリカのポピュラーなゴルフ場の受付は、ショップと兼用ですから。そんな所にジャケットを着て行く必要はありません。日本のゴルフ場のクラブハウスの受付は、豪華なシティホテルのようなフロントになってる場合がほとんどです。そこで誤解が生じたのではないでしょうか。
■ポロシャツの襟は大事なポイント■
現実的にはジャケット着用、推進派も根強くいて、そういうきっちりした服装でカントリークラブライフを楽しみたいようです。ゴルフにはポロシャツを着てプレーをする最低限のマナーがありますよね。あのポロシャツの襟が、すごく大事です。
「襟を正す」という言葉があります。それは身だしなみを整え、気持ちを引き締めて物事にあたるという意味です。だからカントリークラブに必要不可欠な襟であって、その延長線上にジャケットがあるのです。
個人的にはジャケットを着ないで入場して、ポロシャツを着てプレーすればよいかと思います。以前、Tシャツでラウンド可能なリゾートコースに取材で行きました。Tシャツでラウンドしましたが、なんか締まらないです。練習みたいな感覚になって、精神的にダレて来ました。
草野球だってGパンとTシャツでプレーするよりは、ユニフォームを着てプレーしたほうが、すごく気持ちが盛り上がりますよね。さあ今からゴルフをするんだぞという意味では、ポロシャツは非常に効果的なユニフォームだと思います。
とはいえ現実的にはジャケット着用を推奨するコースが実に多いです。それで折衷案として、メンバーが多い土日と祝日は、ビジターもジャケットを着用をして行く。ビジターが多い平日はジャケット着用は任意にする。そこらへんが妥協点かと思います。いかがでしょうか。
松山英樹がグリーンジャケットに袖を通した日は忘れられない
そうなってくると、半年間ノージャケット。ならば、いっそ1年中ジャケットを着なくていいかも知れません。単に暑いからジャケット着なくていい程度のマナーなら、最初から着なくてもよかったりして。
■そもそもゴルフ場はなぜジャケット着用なのか?■
現在、多くのコースで自動チェックイン機が導入され、フロントで対面受付をしない状況です。だったらジャケットを着て行っても、誰にそれを見せるのでしょうか? 腕に腕章をした週番や生活指導の先生がいるわけでもないしって、中学校かよ〜。
そもそもなんでゴルフ場に行くときに、ジャケットを着用しなければいけないのか? 正しく説明できる人は少ないんじゃないですか? これは一度NHKに電話して、チコちゃんに聞いてみたほうがいいかもですね。
そこで私が知る限りの、ジャケットの話をしてみたいと思います。日本では多くのメンバーシップのゴルフ場をカントリークラブといいます。本来のカントリークラブはポロやテニス、ヨット、乗馬などのスポーツ全般を楽しむ社交クラブのことを指します。だからゴルフのみだとカントリークラブとは言いません。ゴルフクラブが正しいのです。呼びやすいとか見栄えのために、カントリークラブって、そこがそもそも間違ってるんですよ。
そして本来のカントリークラブは、大英帝国時代のロンドンの社交クラブが発端とされてます。今から100年以上も前からあり、そこらへんの描写は、人気推理小説の「シャーロック・ホームズ」にたびたび登場します。ホームズの兄のマイクロフトが高級官僚をしていて、社交クラブに出入りするシーンが、何度も描かれているのです。
一般的なクラブのメンバーは男子のみで、そこでパーティや食事会、イベントなどを開催し、飲酒、カードゲーム、シガーをたしなむなど、紳士の隠れ家的な場所として使われます。その郊外版がカントリークラブでした。つまり社交クラブ、カントリークラブは限られたメンバーの紳士淑女が集うから、メンバーの証としてジャケット着用を義務づけているのです。
だから日本の超名門倶楽部が「ジャケットを着用しろ」と言うのは理解できますし、自分が行くときは、当然ジャケットを着用して行きます。そこにはあくまでメンバーか、メンバーの知り合いしかいないからです。けど9割以上のネットで予約できるゴルフ場はどうでしょうか? メンバーシップと言ってるけど、平日はセミパブリックのコースになっています。そこでジャケット着用しろというのは、無理がある話です。
個人的には昔メンバーだったコースで、平日はジャケットを着用していませんでした。ただし月例などの競技の日は、ジャケットを着用していました。それは万が一、入賞するとスピーチをしなければならないからです。競技で最初から入賞もしないと諦めるのは、気持ちですでに負けています。だから入賞するんだという意気込みを見せるための、ジャケット着用でした。
何を言いたいかというと倶楽部競技、クラブイベントで何かに参加するなら、ジャケット着用です。メンバーとしての誇りを見せたいときにもね。それをネットで予約したメンバーと関係のないビジターに、ジャケット着用をお願いするのは筋違いです。
倶楽部側の言い分は、由緒あるメンバーシップのコースを、特別にビジターに開放しているのだから、クラブのルールに従ってジャケットを着用してくださいとなります。けどそれは建前であって、実情はもはやメンバーのみで運営が成り立たなくなったクラブが、ネットに頼んで大量にビジターを動員しているのです。だからビジター連中同士で「あそこは口うるさいから、もう行かない」みたいになっているのはよくあります。
ビジター側がこれはジャケット着用して行くべきコースと思えば、着ていけばいいだけの話です。大衆的なクラブは、そこらへんの事情を分かっていて、表現がマイルドになっています。通常はホームページにこう書いています。「入場の際にはジャケット着用をお願いします」です。しかし、服装が緩めの倶楽部は「ゴルフに相応しい服装で来場してください」と、ジャケットという文字を入れないのです。そこらへんは狙い目ですね。
■ジャケット着用と歩きラウンド■
次にゴルフ文化を英国とアメリカに分けて考えてみます。大雑把に分類すると、ジャケット着用と歩きラウンドは英国流の文化といえます。だから平成以降に出来た新名門クラブでも、皆さんジャケット着用で来場し、しっかり歩きラウンドしています。それはそれでブリティッシュスピリットを大切にしており、むしろ清々しいと思います。
だからジャケット着用にするなら、しっかり歩きラウンドをして、メンバー同伴の客以外入れないで頂きたいです。一方、アメリカンスタイルのゴルフといえば、乗用カートのセルフプレーが主体です。日本ではそれに、GPSナビを付けて、キャディさんがほとんどいないコースが増えています。そういうアメリカンスタイルで、ネット予約をばんばんやっていながら、ジャケット着用はないでしょう。私はそう言いたいのです。
だいたいアメリカのポピュラーなゴルフ場の受付は、ショップと兼用ですから。そんな所にジャケットを着て行く必要はありません。日本のゴルフ場のクラブハウスの受付は、豪華なシティホテルのようなフロントになってる場合がほとんどです。そこで誤解が生じたのではないでしょうか。
■ポロシャツの襟は大事なポイント■
現実的にはジャケット着用、推進派も根強くいて、そういうきっちりした服装でカントリークラブライフを楽しみたいようです。ゴルフにはポロシャツを着てプレーをする最低限のマナーがありますよね。あのポロシャツの襟が、すごく大事です。
「襟を正す」という言葉があります。それは身だしなみを整え、気持ちを引き締めて物事にあたるという意味です。だからカントリークラブに必要不可欠な襟であって、その延長線上にジャケットがあるのです。
個人的にはジャケットを着ないで入場して、ポロシャツを着てプレーすればよいかと思います。以前、Tシャツでラウンド可能なリゾートコースに取材で行きました。Tシャツでラウンドしましたが、なんか締まらないです。練習みたいな感覚になって、精神的にダレて来ました。
草野球だってGパンとTシャツでプレーするよりは、ユニフォームを着てプレーしたほうが、すごく気持ちが盛り上がりますよね。さあ今からゴルフをするんだぞという意味では、ポロシャツは非常に効果的なユニフォームだと思います。
とはいえ現実的にはジャケット着用を推奨するコースが実に多いです。それで折衷案として、メンバーが多い土日と祝日は、ビジターもジャケットを着用をして行く。ビジターが多い平日はジャケット着用は任意にする。そこらへんが妥協点かと思います。いかがでしょうか。
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
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