ラウンド中に、唯一プレーヤーへの助言が許されているキャディ。宮里藍の専属キャディを経て、現在某ゴルフ場でハウスキャディとして働いている小田美奈さんにこんな質問をしてみた。スライスするとわかっているのにいつも真っすぐ構えようとしている初心者がいたら、アドバイスしたくなる？
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中西直人に聞くスライスが出ないアドレスって？【写真】

キャディを始めて●●年。プロのキャディをしている時もハウスキャディをしている今も変わらずに考えることは、プロやお客様がキャディに何を求めているのかということ。特にハウスキャディの場合、クラブを運んでくれさえすれば良いという方もいらっしゃれば、コースについて教えてほしいという方もいますし、時にはスイングをチェックしてほしいという方もいて、まさに十人十色です。

特に難しいのが、スイングについてのアドバイスですね。それについては、お客様の中でも「してほしい」という人と、「してほしくない」という人の両極端に分かれるものだと思います。自分のコーチ以外のアドバイスを聞きたくない人、ラウンド中にスイングを変えたくない、もしくは変えられないという人…アドバイスをしてほしくない理由は様々で、かく言う私もキャディさんにはアドバイスしないでほしい派です。

お客様の要望に耳を傾けて、出しゃばらず、空気の様にお手伝いをする…というのが、昔から私が目標とするキャディのスタンス。お客様から求められない限りは、スイングについてアドバイスさせていただくことはほとんどありません。

特に初心者の方の場合、一定の状況で打つことのできる練習場とは違ってアドレスのとり方も変化しがち。ライの状況や視界に入って来る障害物など、様々な状況で変わってきます。もしアドバイスできたとしても、その状況によるアドレスのとり方ぐらいかなと。

ただ、ときどき「なんでかなぁ。」「おかしいなぁ。」とお声に出して悩まれるお客様がいると、これはアドバイスした方が良いのかどうか考えてしまうことはあります。ただの独り言なのか、実はアドバイスを求めているのか、これが結構悩ましい！

アドバイスすることが得意なキャディもいますが、私は自分自身がアドバイスされることが苦手でどうしてもあれこれ考えてしまうので、「キャディさん、今のどうだった？」といったように聞いてもらえれば、お答えしやすいのですが…。

■小田美奈／おだみな　元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。