おやじゴルフニュース「拡大する『ひとり予約』に注目です!
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・とがしやすたかのイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2022年11月1日 03時00分
最近またゴルフの「ひとり予約」サービスを利用し始めたのですが、しばらくぶりにエントリーするととんでもない進化を遂げており、驚いています。
「ひとり予約」でこんな女性ゴルファーに出会えたら♥ツアーデビュー当時の原英莉花【写真】
まずサービスですが、2010年に「バリューゴルフ」が「1人予約ランド」を開始しています。これが現在「楽天GORA」と「PGM」が参入して3社に増えました。ここ10年でものすごくマーケットが広がったんですね。
3社のサービスは、おのおのが違うアバターを作って、別々にサービスをしており、予約枠に3社のゲストが混在することはないです。これだけひとり予約サービスが普及するのは、アマチュアゴルファーがひと組予約して、同伴競技者を集めるのがいかに面倒くさいかという現れでしょう。
■ひと組予約してのラウンドは、仲よしが3〜4人存在しているのが前提■
例えばせっかくひと組予約しても、同伴競技者を募れば「料金が高い」「遠い」「難しい」「しょぼい」「電車で行けない」「あそこは詰まるから嫌だ」「クルマで送ってくれるなら」など、みなさん好き放題言うわけです。
そもそもひと組でのラウンドは、仲よしゴルファー3〜4人が存在しているのが前提で、みんなで意見を出し合ってプランを決めます。次はどこに行こうか、例えば「今度は温泉で一泊ゴルフをしよう」などと言って、楽しいゴルフライフを送るのです。
それには仲間が、家がほどほど近いとか年収も近いとか、ゴルフのテイスト、例えばエンジョイ派かアスリート系か、名門コースもしくはリゾート好きとかね、そういうのが合致してないと成立しません。
そんなゴルフ仲間がいれば幸せですが、なかなかどうして、相手に対しガマン出来ないというかね。年をとるとどこかで友達関係、仲間との交流が面倒くさくなり、ちょっとした振る舞いが鼻につくようになるのです。
「昔下手だったのに、最近は自分よりうまくなって、リーダー風吹かせやがって」とかね。「あいつは仕事で当たったのか、高いコースばかり行きたがる、ついていけない」、あるいは「いつもこっそりボールを動かす。それでニギリをしたがるのが許せん」とかね。
だったらひとりで好きなコースを選んだほうがいいとなって、ひとり予約サービスが広がったんですね。もちろんひとり予約でも、ズルをしてボールを動かしたり、カン違いして勝手に2打罰を1打罰にしている人がいますけど、それはその日しか会わない人だから、どうでもいいのです。
■「第1予約女性プレーフィ無料」サービスにぶったまげた■
ひとり予約は下手な人に対してなんの感情も沸かないし、興味もないし、イラつきもない。それが精神衛生上非常によろしく、ストレスにならないのです。しかも、そのひとり予約で、最近驚くべきサービスが始まっているのに、これまたぶったまげました。平日、最初に予約した女性は無料というサービスが、結構な数のコースで行われているのです。
「第1予約女性プレーフィ無料」というもので、通常6000円ぐらいのラウンドフィがタダです。ただし食事代と税金は別となってますが、2000円も出せば十分でしょう。凄いですね。
その昔、ディスコに女のコをタダで入れれば、後から野郎がわんさかやって来るなんてのをやっていたけど、それの延長みたいなものですか。今から5〜6年前、ひとり予約で女性がひとりでエントリーすると、すぐに野郎が3人が集まり、4人のパーティができるが、最初に予約した女性はいつのまにか消えてしまう。そしてバカヅラしたオヤジ3人がゴルフ場で顔を合わせる。そんな話を聞いたことがあります。
真偽のほどは定かではないです。女性が男3人になってびびってキャンセルしたのかも知れないし、誰かが仕込んだのかも知れない。そういう記事を読んだのか分かりませんが、ディスコの客寄せ商売は使えると踏んでの、女性無料サービスなのでしょう。男ってほんとバカですよね〜、女性がいたから何が起こるわけでもないですが、妙にそわそわして集まって来るのですから。慣れないポマードとかつけたじいちゃんがやって来て、青春が蘇るんですね。ほんと帽子をポマードで汚さいでくださいよ〜。
■メンバーさんも「ひとり予約」を利用?■
さらに驚くのは、メンバーシップの予約をひとりゴルフで代行している、そんなコースもちらほら見られます。つまりメンバーが「組み合わせでお願いします」とホームコースに連絡しますよね。すると平日ラウンドの組み合わせは、ひとり予約サイトでオーダーしてくださいとなるのです。これってどうなんだろうか?
いろいろ疑問を感じながら、某コースにひとり予約ラウンドを使いプレーしに行きました。するとなんとその中のひとりが、ひとり予約を使ってエントリーしたメンバーさんでした。これは面白い、昼休みに話を聞きました。
やはり平日はメンバーがひとりで来て、組み合わせをさせてくれることはまれで、そういう組み合わせ可能日を待ってると、日程調整が難しくなるそうです。だったらひとり予約に紛れてラウンドしたほうが、手っとり早いとのこと。じゃメンバーになる意味ないじゃん。そもそも平日なんてプレー代は、ビジターとメンバーがさほど変わりませんからね。
でもメンバーさんが「このコースが好きだから、これでいい。メンバーさんと回るよりは気楽でいい」と言っていたのが印象的でした。そして最後に「うまくなったら競技に出てみたい」とのこと。
■予約の成立が前日まで決まらない■
そんな破竹の快進撃を続けるひとり予約ですが、弱点もあります。それはまず、予約の成立が前日まで決まらないことです。つまりプレー前日まで、無料でキャンセルが出来るのです。だから適当に予定を入れて、プレー前日の朝、明日雨だからやっぱり行くのやめたは可能です。
でもキャンセルで人数が減り、最低催行人数にひっかかるとプランが消滅します。通常は2人か3人集まらないとラウンドが成立しないというわけです。3人催行で3人の予約で、ひとりキャンセルしたら残りはふたり、これで予約は不成立となります。
試しにとゴルフ場に電話して、他の組み合わせに合流できればラッキーですが、雨などではお客さんが減る一方なので、難しいかも知れません。しかも、電車派で宅急便を使ってゴルフバッグを運ぶ人は、3日前にすでにバッグを送らざるをえません。キャンセルになったら、キャディバッグを単に往復させてしまうことになり、3500円ぐらいの無駄金となります。
実際、自分が予約したパーティでキャンセルが出て、催行不能になりそうになり、びびってキャンセルしたことがあります。キャンセルは連鎖しますから、これも要注意です。
電車組の自衛策としては、キャディバッグをクラブ10本入りの軽量タイプに変え、当日に担いで電車に乗る作戦もあります。これならキャンセルされても、金銭的痛手はないですからね。
次第に慣れてくると、コースによって傾向が見えてくるので、そこを狙ってみるといいでしょう。一番無難なのはオープンコンペやイベントをやっているコースです。これは通常プレーフィに2000円ぐらい加算されますが、景品が豪華で参加賞も貰えるので、まず損はないです。そういうときは10組ぐらいひとり予約を設定してますから、キャンセルされることも少ないでしょう。しかも、賞品目当てなので、雨でも絶対来るはずです。
あと予約したアバターのプロフィールを見るのも大事です。何度もひとりゴルフを使っている人は、「達人」とか「レジェンド」などの称号を得ています。そういう人達は、まずキャンセルしないし、実際一緒に回ると場慣れているので、非常に楽しくラウンドできます。
ひとり予約システムは今後もお客さんが増え、どんどん進化していくと思います。例えば今はアバターを使わずに、単にコースに電話してひとり予約に入れてくれという予約方法もありです。それはひとり予約のホームページをみると、「電話での予約客」マークがつくから分かります。
そうなってくると、ひとり予約は、メンバーコースの平日組み合わせラウンドと何ら変わらなくなります。某コースの平日会員権が安いのでどんな状況か問い合わせをしたら、「平日はなかなか人が集まらないんですよ、組み合わせは時と場合によりますね」と言って来ました。
じゃ予約できないのか? と聞くや「ひとり予約のほうでどうぞ」と言われましたから。なんだんねん。近い将来ゴルフの平日会員権は意味がなくなる。そんな予感がひしひし感じる今日この頃です。
■プロフィール■
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
とがしやすたか
1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。
「ひとり予約」でこんな女性ゴルファーに出会えたら♥ツアーデビュー当時の原英莉花【写真】
まずサービスですが、2010年に「バリューゴルフ」が「1人予約ランド」を開始しています。これが現在「楽天GORA」と「PGM」が参入して3社に増えました。ここ10年でものすごくマーケットが広がったんですね。
3社のサービスは、おのおのが違うアバターを作って、別々にサービスをしており、予約枠に3社のゲストが混在することはないです。これだけひとり予約サービスが普及するのは、アマチュアゴルファーがひと組予約して、同伴競技者を集めるのがいかに面倒くさいかという現れでしょう。
■ひと組予約してのラウンドは、仲よしが3〜4人存在しているのが前提■
例えばせっかくひと組予約しても、同伴競技者を募れば「料金が高い」「遠い」「難しい」「しょぼい」「電車で行けない」「あそこは詰まるから嫌だ」「クルマで送ってくれるなら」など、みなさん好き放題言うわけです。
そもそもひと組でのラウンドは、仲よしゴルファー3〜4人が存在しているのが前提で、みんなで意見を出し合ってプランを決めます。次はどこに行こうか、例えば「今度は温泉で一泊ゴルフをしよう」などと言って、楽しいゴルフライフを送るのです。
それには仲間が、家がほどほど近いとか年収も近いとか、ゴルフのテイスト、例えばエンジョイ派かアスリート系か、名門コースもしくはリゾート好きとかね、そういうのが合致してないと成立しません。
そんなゴルフ仲間がいれば幸せですが、なかなかどうして、相手に対しガマン出来ないというかね。年をとるとどこかで友達関係、仲間との交流が面倒くさくなり、ちょっとした振る舞いが鼻につくようになるのです。
「昔下手だったのに、最近は自分よりうまくなって、リーダー風吹かせやがって」とかね。「あいつは仕事で当たったのか、高いコースばかり行きたがる、ついていけない」、あるいは「いつもこっそりボールを動かす。それでニギリをしたがるのが許せん」とかね。
だったらひとりで好きなコースを選んだほうがいいとなって、ひとり予約サービスが広がったんですね。もちろんひとり予約でも、ズルをしてボールを動かしたり、カン違いして勝手に2打罰を1打罰にしている人がいますけど、それはその日しか会わない人だから、どうでもいいのです。
■「第1予約女性プレーフィ無料」サービスにぶったまげた■
ひとり予約は下手な人に対してなんの感情も沸かないし、興味もないし、イラつきもない。それが精神衛生上非常によろしく、ストレスにならないのです。しかも、そのひとり予約で、最近驚くべきサービスが始まっているのに、これまたぶったまげました。平日、最初に予約した女性は無料というサービスが、結構な数のコースで行われているのです。
「第1予約女性プレーフィ無料」というもので、通常6000円ぐらいのラウンドフィがタダです。ただし食事代と税金は別となってますが、2000円も出せば十分でしょう。凄いですね。
その昔、ディスコに女のコをタダで入れれば、後から野郎がわんさかやって来るなんてのをやっていたけど、それの延長みたいなものですか。今から5〜6年前、ひとり予約で女性がひとりでエントリーすると、すぐに野郎が3人が集まり、4人のパーティができるが、最初に予約した女性はいつのまにか消えてしまう。そしてバカヅラしたオヤジ3人がゴルフ場で顔を合わせる。そんな話を聞いたことがあります。
真偽のほどは定かではないです。女性が男3人になってびびってキャンセルしたのかも知れないし、誰かが仕込んだのかも知れない。そういう記事を読んだのか分かりませんが、ディスコの客寄せ商売は使えると踏んでの、女性無料サービスなのでしょう。男ってほんとバカですよね〜、女性がいたから何が起こるわけでもないですが、妙にそわそわして集まって来るのですから。慣れないポマードとかつけたじいちゃんがやって来て、青春が蘇るんですね。ほんと帽子をポマードで汚さいでくださいよ〜。
■メンバーさんも「ひとり予約」を利用?■
さらに驚くのは、メンバーシップの予約をひとりゴルフで代行している、そんなコースもちらほら見られます。つまりメンバーが「組み合わせでお願いします」とホームコースに連絡しますよね。すると平日ラウンドの組み合わせは、ひとり予約サイトでオーダーしてくださいとなるのです。これってどうなんだろうか?
いろいろ疑問を感じながら、某コースにひとり予約ラウンドを使いプレーしに行きました。するとなんとその中のひとりが、ひとり予約を使ってエントリーしたメンバーさんでした。これは面白い、昼休みに話を聞きました。
やはり平日はメンバーがひとりで来て、組み合わせをさせてくれることはまれで、そういう組み合わせ可能日を待ってると、日程調整が難しくなるそうです。だったらひとり予約に紛れてラウンドしたほうが、手っとり早いとのこと。じゃメンバーになる意味ないじゃん。そもそも平日なんてプレー代は、ビジターとメンバーがさほど変わりませんからね。
でもメンバーさんが「このコースが好きだから、これでいい。メンバーさんと回るよりは気楽でいい」と言っていたのが印象的でした。そして最後に「うまくなったら競技に出てみたい」とのこと。
■予約の成立が前日まで決まらない■
そんな破竹の快進撃を続けるひとり予約ですが、弱点もあります。それはまず、予約の成立が前日まで決まらないことです。つまりプレー前日まで、無料でキャンセルが出来るのです。だから適当に予定を入れて、プレー前日の朝、明日雨だからやっぱり行くのやめたは可能です。
でもキャンセルで人数が減り、最低催行人数にひっかかるとプランが消滅します。通常は2人か3人集まらないとラウンドが成立しないというわけです。3人催行で3人の予約で、ひとりキャンセルしたら残りはふたり、これで予約は不成立となります。
試しにとゴルフ場に電話して、他の組み合わせに合流できればラッキーですが、雨などではお客さんが減る一方なので、難しいかも知れません。しかも、電車派で宅急便を使ってゴルフバッグを運ぶ人は、3日前にすでにバッグを送らざるをえません。キャンセルになったら、キャディバッグを単に往復させてしまうことになり、3500円ぐらいの無駄金となります。
実際、自分が予約したパーティでキャンセルが出て、催行不能になりそうになり、びびってキャンセルしたことがあります。キャンセルは連鎖しますから、これも要注意です。
電車組の自衛策としては、キャディバッグをクラブ10本入りの軽量タイプに変え、当日に担いで電車に乗る作戦もあります。これならキャンセルされても、金銭的痛手はないですからね。
次第に慣れてくると、コースによって傾向が見えてくるので、そこを狙ってみるといいでしょう。一番無難なのはオープンコンペやイベントをやっているコースです。これは通常プレーフィに2000円ぐらい加算されますが、景品が豪華で参加賞も貰えるので、まず損はないです。そういうときは10組ぐらいひとり予約を設定してますから、キャンセルされることも少ないでしょう。しかも、賞品目当てなので、雨でも絶対来るはずです。
あと予約したアバターのプロフィールを見るのも大事です。何度もひとりゴルフを使っている人は、「達人」とか「レジェンド」などの称号を得ています。そういう人達は、まずキャンセルしないし、実際一緒に回ると場慣れているので、非常に楽しくラウンドできます。
ひとり予約システムは今後もお客さんが増え、どんどん進化していくと思います。例えば今はアバターを使わずに、単にコースに電話してひとり予約に入れてくれという予約方法もありです。それはひとり予約のホームページをみると、「電話での予約客」マークがつくから分かります。
そうなってくると、ひとり予約は、メンバーコースの平日組み合わせラウンドと何ら変わらなくなります。某コースの平日会員権が安いのでどんな状況か問い合わせをしたら、「平日はなかなか人が集まらないんですよ、組み合わせは時と場合によりますね」と言って来ました。
じゃ予約できないのか? と聞くや「ひとり予約のほうでどうぞ」と言われましたから。なんだんねん。近い将来ゴルフの平日会員権は意味がなくなる。そんな予感がひしひし感じる今日この頃です。
■プロフィール■
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
とがしやすたか
1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。
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木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報