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    カストロールレディースを続ける理由〜 BPカストロール株式会社 代表取締役社長 小石孝之

    ゴルフ界に携わるビジネスマンに、ゴルファーとしての生き方やゴルフへの接し方を聞く。考え方は十人十色。だからゴルフ人生は面白い…。

    配信日時:2017年8月16日 04時00分

    • ゴルフライフ
    目次 / index
    今季から賞金ランキング制が敷かれ、ロレックス・ランキング(女子世界ゴルフランキング)のポイント加算対象ツアーとなった国内女子ゴルフ「ステップ・アップ・ツアー」。これからの女子ゴルフ界を担うルーキーや、レギュラーツアーへの進出・返り咲きを狙う中堅、そしてベテランがひしめき合う舞台は年々試合数が増加し、2017年は21試合まで成長した。国内男子ツアーに迫る勢いを見せているが、2010年時点は年間5試合。地道な活動を続けてきたうえでの活況を見過ごしてはならない。当時から現在まで大会を開催するのは、『ANA PRINCESS CUP』『カストロールレディース』『山陽新聞レディースカップ』『ルートインカップ』の4試合。その中で『カストロールレディース』は唯一アマチュア出場枠を設けず、プロのみが出場できる大会としての姿勢を貫いてきた。今回は同大会共催者であるBPカストロールの代表取締役社長・小石孝之氏に、トーナメントを開催し続ける理由と自身のゴルフ観を聞いた。(取材・文/標英俊)

    トーナメントはプロを優先させるべきという理念

    カストロールレディースに対する思いを語る小石社長

    カストロールレディースに対する思いを語る小石社長

     今年で8回目を迎えた『カストロールレディース』。カストロールは本拠点を英国に置く、世界トップのプレミアム潤滑油メーカーだ。

     当然のようにさまざまなレースをサポートしてきたが、なぜゴルフトーナメントに携わったのか? それは、ビジネス面でのメリットが大きいという理由からだった。

     「モータースポーツを見る方には、すでにカストロールは広く認知していただけていますが、別のユーザーへの認知度向上を検討していく中で、親和性が高いと感じたのがゴルフでした。ゴルフはコースまでの移動で車が不可欠なスポーツ。われわれのターゲットに、十分になり得ます。カストロール製品を広めていくうえで、価値があると思ったことがキッカケですね」  

     実は、大会を開催する以前の2004年から選手スポンサードを始めていた。昨今はレギュラーツアーデビュー前の若手プロでさえ、2〜3社からスポンサードを受けるのが当たり前となっているが、宮里藍のアマチュア優勝という後ろ盾を得たものの(2003年)、当時の環境はそこまでではない。しかし、同社は『フジサンケイレディス』のプロアマ戦に出場した縁で、佐藤靖子(※現在は終了)と契約を結んだ。その後も李知姫(イ・チヒ/韓国)や馬場ゆかり&由美子姉妹、吉田弓美子、大江香織らと契約を結び、現在は16名のプロをスポンサードしている。  

     「いくらシード選手といっても、試合で予選落ちをすれば一銭も入らないわけです。そのような状況にいる選手に少しでも協力できればなと思い、サポートを始めました」

     選手のスポンサードを継続していく中で、プロゴルファーの厳しさを知ったという小石社長。その6年間で感じた「プロの環境」こそ、「プロのみが出場できるトーナメントの開催」という理念につながった。
    大会終了後の表彰式で挨拶する小石社長

    大会終了後の表彰式で挨拶する小石社長

     「QTの上位に入れなかったとすれば、余計に試合へ出場したいと思うのが当然。年々アマチュアへの推薦がどんどん多くなっている影響で、プロの出場枠は必然的に減っていきます。もちろん2020年を見据えればアマチュア育成は大事だと思いますが、トーナメントではまずプロが優先されるべきではないでしょうか。具体的にいうと、出場資格を持たない選手が年間で推薦を受けられるのは、レギュラーツアーで8試合、ステップ・アップ・ツアーであれば全体の25パーセントなので今季は5試合。一方でアマチュアは制限がなく、何試合でも出場できてしまう。1打によって賞金が稼げない悔しさ、本当に1打の大切さを知っているのはプロだと思うんですけどね」  

     勝みなみの史上最年少ツアー優勝(2014年/15歳293日 ※史上4人目)、畑岡奈紗のアマチュア初の『日本女子オープン』制覇(2016年)、さらにステップ・アップ・ツアーでは2014年から4年連続アマチュア優勝者が生まれる(2014年『ABCレディース』堀琴音2015年『ラシンク・ニンジニア RKBレディース』新垣比菜、2016年『ルートインカップ 上田丸子グランヴィリオレディース』吉本ひかる、2017年『静ヒルズレディース 森ビルカップ』平塚新夢)など、特に女子の世界においてアマチュアの活躍が目ざましい。  

     アマチュアの活躍は確かにゴルフファンの興味をかき立てるが、「トーナメントではプロが最優先されるべき」という考えは確かに正論だ。"プロだからこその真剣勝負"が実現すれば、それもまた全体の底上げにつながる。身をもって体感した小石社長は、ビジネス面でもゴルフというツールを"真剣勝負の場"と捉えている。
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