このコラムでは、ゴルフを始めたばかりのひよっこマーヤがゴルフにまつわるさまざまなふしぎを雑誌「ALBA」編集部きっての物知りイケメン（自称）、シモムラさんと発見！
奥が深いゴルフのふしぎを、いろいろなテーマから解き明かしていきます。

マーヤ：シモムラさん！ 今回は前回お話した通り、2019年1月から大きく変わるルールについて教えてください！

シモムラ：お、何でも聞いてくれて構わないよ。（しっかり勉強してきたからね★）

マーヤ：提案されたルール変更には具体的にどのようなものがあったのですか？

シモムラ：球が動いたときの罰の削除や軽減が起こるんだ。 パッティンググリーン上や球を捜索している間、偶然に球を動かしても罰はなくなり、故意に動かしたことがほぼ確実な場合を除いて、違反ではなくなるんだよ。 どうやら、昨年の全米オープンでダスティン・ジョンソンに起こった事件が引き金になっているみたい。

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あとは、前回マーヤが言っていたようにハザード内で規制緩和が生じるよ。 バンカーやウォーターハザードではルースインペデイメントを動かしたり、手やクラブで砂や水に触れても罰はなくなる！ つまり前回話が出た、バンカーで死んでしまったカニに出会ったら静かに動かすことが認められるようになるわけ。

マーヤ：球は故意に動かしては駄目だけど、カニやバナナの皮も動かせるんですね！ そしてクラブで砂に触れても罰はないということにも驚きました！

シモムラ：ただ、バンカーではソールしてからボールを打つなどボールのすぐ近くで砂に触れた場合は従来通り2打罰になるよ。

あとはバンカー内でのアンプレヤブルの球について新たな選択肢が増えたんだ。 今までバンカー外からプレーしたい場合は、1打罰で元の位置まで戻って打ち直すこと以外選択肢はなかったけど、2打罰でピンとボールを結んだ延長線上であればバンカーの外側からプレーすることを認める追加の選択肢が加えられるようになるんだ。

マーヤ：初心者的には選択肢が増えることは嬉しいですね！ 元の位置まで戻らずにバンカーの外にボールを出して打てるというのはプレーの時間短縮にも繋がると思います。

シモムラ：プレー時間の短縮といえば、紛失球となるまでの捜査時間が短くなるよ！ 現在の捜査時間は何分か知っている？

マーヤ：えぇっと…確か5分？

シモムラ：正解！ その5分間が3分間に変更されるんだ。 その他にも「レディーゴルフ」が奨励されることになったよ。

マーヤ：レディーゴルフ？ 聞いたことがないのですが何ですか！？

シモムラ：今までストロークプレーの場合、打順はホールから遠い人から順に打っていくのがルールだったけれど、準備ができた人から順に打っていく、スピードプレーを重視したゴルフのことだよ。

マーヤ：なるほど〜今以上にプレーファーストの心がけが必要になってくるんですね。

シモムラ：そう、他にもピンを立てたまま、パッティンググリーン上でパットできるようになったんだよ。 ピンにボールが当たっても罰はなし！

マーヤ：それは結構楽になるかもしれないですね〜ピンを抜いて、また戻してという作業が不要になるんですね！ でもここまでプレー時間の短縮になるようなルール改正が行われるのはなぜなんでしょうか･･･？

シモムラ：プレー時間短縮がゴルフ人口増加に繋がると考えているからだよ。 ルールの内容を分かり易くすることはもちろん、時間短縮に繋がるルールに改訂することで、プロの試合の観戦時間、そして自身のプレー時間を短縮できるんだ。 さまざまなライフスタイルにゴルフを組み込んでもらうためには時間短縮が必要だと考えたんだろうね。

マーヤ：なるほど、ゴルフは丸一日かかるから気軽にできないというイメージを払拭したいということですかね。 う〜ん、でも時間短縮ができたからといって新たにゴルフを始めようという人はいるのかな〜･･･今すでにゴルフをしている人が、ラウンドに行く回数は増えそうですけどね！ フィードバックにはどのような意見があったのかぜひ知りたいところです！

シモムラ：そうだな、またフィードバックの意見によっては変わる内容もあるだろうし。 また変動があったら教えてあげよう！

マーヤ：お願いします！

マーヤ：ところで、なぜルールが大きく変わるのですか？

シモムラ：ルール大改訂の最大のポイントは、ルールの近代化。 近代にふさわしく変化させることで、全ゴルファーにとって分かりやすいものにして、「ゴルフのルールは難しい」というイメージを払拭させたいんだ。 さらにさっきも話が出たようにプレー時間の短縮にも繋げたい背景があるよ。

マーヤ：なるほど〜私はいつもゴルフのルールは難しいと感じていたので、分かりやすくなるというのは嬉しいですね！ ちなみにルールの改訂はどの程度の頻度で行われているのですか？

シモムラ：ルールの改訂は、ゴルフルールを司るUSGA（全米ゴルフ協会）とR&A（ロイヤル＆エインシャント・ゴルフクラブ・オブ・セント・アンドリュース）の連名で五輪開催の年に「こう変わります」と通達されるのが通例になっているよ。 つまり4年に1回の頻度だね。

マーヤ：でも今回は2020年ではなく、1年前に2019年ですよね…え、何でですか！？

シモムラ：今回の変更は、イレギュラーだね。 今回は1984 年以降では初めての根本的な見直しを行う、かなり大掛かりな変更になるから1年前倒しにしているそうだよ。

マーヤ：1年前倒しにするほど大掛かりな改訂なんですね…。 変更される場所はしっかり勉強しなくちゃ！ ちなみにどうやって改訂するルールを決めているのですか？

シモムラ：今回は改訂するまでの流れも超イレギュラー。 まず今年、2017年3月1日にUSGAとR&Aの連名で「このようにルールを変更するのはどうでしょうか」というスタンスの提案が発表されたんだ。

そして、そこから6か月間（8月31日まで）インターネットなどを通じて世界中の一般ゴルファー含めた全ゴルファーに幅広く調査・フィードバックを収集して、最終的なルールを2018年半ばに仕上げ、翌年2019年1月1日から施行するそうだよ。

マーヤ：世界中の全ゴルファーに！？ 期間は終わってしまったようですが、私たちアマチュアも直接意見を伝えることができたのですか？

シモムラ：できたよ！ JGAのホームページから、日本語でフィードバックを送ることができたんだ。

マーヤ：私たちアマチュアの意見も参考にしているなんて、ゴルフをするすべての人にルールが分かりやすいものになるように考えてくれている姿勢を感じますね！ 今回もとっても勉強になりました！ 次回もお願いします！

シモムラ：おう、任せておけ！