「シューズは少しゆるめが楽という方もいますが、足と一体にならなければ、歩くときにシューズを持ちあげることになり疲れがたまります。さらにゴルフシューズの場合、通常のシューズとは違って、スイング時に横へのねじれが加わり、高いレベルでのフィット感、安定性が必要になります」と話してくれるのが、銀座大賀靴工房の渡邉久美子さん。

こうした完成度の高いオーダーのゴルフシューズを目指して、銀座大賀靴工房が取り入れたのがフルオーダーというシステム。既存の木型をベースに微調整を加えて足に合わせていくのではなく、ひとり、ひとり、左右両足で自分だけの木型を作成して、ゴルフシューズを製作していくものです。まさに本当の意味でのオーダー。あわせてインソールもきちんとカスタマイズしてくれます。

そのために用いたのが3Dスキャナー。従来は人の手による採寸、さらに木型を削りだすのが工程でしたが、8台のCCDカメラが装備された３Dスキャナーが精密に計測。人それぞれに異なる骨の突出などを正確に読み取っていきます。そのデータからCADを用いて木型が作られていきます。計測は立った状態、座った状態で行われ、足長、足幅、甲の高さ、足指のボリューム、カカトの傾斜などを測定。同時に3Dスキャナーのデータから作成されるインソールも、外側は硬い素材で足のブレを防ぎ、土踏まずのアーチをサポート、さらにカカトの衝撃を吸収する独自の構造です。

もうひとつ銀座大賀靴工房のオーダーゴルフシューズの特徴がユニオン構造という製法。従来インソールとシューズは別々に作られて、はく前段階でインソールをセットしてきたのですが、この構造では木型とインソールを一体化してシューズが製作されていきます。これも高いフィット感を実現するための独自のアイデア。そして職人の熟練したミシン作業でシューズができあがります。

オーダーのプロセスは来店してのカウンセリング、フットバスで足をリラックスさせたあと、3Dスキャナーを使った立位、座位での計測、このあと靴のデザインを選び、素材やカラー、ソールなどを選んでいきます。そしてオーダーからおよそ2週間後には仮合わせ。計測データから作られた木型、インソールから製作された塩化ビニール製のシューズを試しはきして調整を加えます。フルオーダーのシューズらしい細やかなプロセスです。ベースになるモデルは下の5モデル。それぞれにツマ先部分もスマートなスクエア、ラウンドなど4タイプを用意。ここからオンリーワンのデザインをカスタマイズしていきます。

このあと、こうしたフルオーダーから生まれたゴルフシューズのサンプルを紹介しましょう。

アッパー部分は撥水加工が施されたブラック、ホワイト、ブラウンと撥水加工がされていない50色のレザーから選んでいきます。格調高いクラシックテイストの正統派フォルムから、個性的な表情が生まれていくのがわかります。

「以前はアドレスのとき、何の気なしに足踏みをしていたのが、オーダーシューズに変えてからそれがなくなり、とてもナチュラルにアドレスできるようになって、スイングもスムースになりました」とは渡邉さんがユーザーさんから聞いた言葉。より高いパフォーマンスを求めるなら、オーダーシューズという選択肢も見過ごせません。

納期はオーダーから仮合わせまでおよそ2週間、そのあと9〜10週間で完成します。価格はおよそ200,000円〜。納品後2ヶ月以内であれば無料の修正に対応。

問い合わせ先／銀座大賀靴工房 TEL.03-6254-5410