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    スイングに入ったら「ワンポイント」だけを意識する

    スコアアップに技術はもちろん、一打に集中するための脳の使い方も非常に重要なのです!

    配信日時:2018年6月15日 08時30分

    • ゴルフライフ
    目次 / index
    自分の克服すべき点を改善しているつもりなのに、ラウンドに出るとなかなかスイングの質が良くならず、スコアに伸び悩んでいるアマチュアゴルファーは多い。

    そこで、「1打に集中してスコアアップを目指す」フォーカストレーニングを紹介します!

    ショットの瞬間、あなたの脳内は?

    突然ですが、皆さんの脳内はショットの瞬間、どうなっていますか?「右にバンカーがあるから右には絶対に打ちたくない!」、「飛ばしたい!」、「頭を動かさずに、肘を曲げずにスイングして・・・・・・」など、あれこれ考えながら打っていませんか?

    たくさん気をつけるべき点があると、体をしなやかに動かすことができません。ショットを打つ一瞬の動作で自分が現状持っている最大のパフォーマンスを発揮するためには、「ワンポイント」だけに意識を向けることが何よりも必要なテクニックなのです。

    この「意識」とは英語でいう「Awareness(アウェーネス)」。考えるという意味の「Think」とは違います。先ほどの「右にバンカーがあるから打ちたくない」や「飛ばしたい」など、脳内で言葉にしている状態を「Think」といいます。一方、脳内でショットのイメージや体の感覚など、言葉ではなくイメージを作り、感覚に注意を向けることが「Awareness」です。
    脳内で言葉にしている状態を「Think」(イラスト:山里將樹)

    脳内で言葉にしている状態を「Think」(イラスト:山里將樹)

    言葉ではなくイメージを作り、感覚に注意を向けることが「Awareness」(イラスト:山里將樹)

    言葉ではなくイメージを作り、感覚に注意を向けることが「Awareness」(イラスト:山里將樹)



    人間の脳は右脳と左脳があり、それぞれで働きが違います。「考える」は左脳の役割であり、「意識」は右脳の役割です。先ほど、ワンポイントだけに意識を向けるのがパフォーマンスアップにつながると説明しました。つまり、ショットを打つ瞬間は、脳を左脳から右脳に切り替えることが必要になります。
    *厳密には左脳右脳は緊密に連動しながら機能しています。ここでは理解しやすいように簡易的に左脳的、右脳的な使い方と説明しています。

    では、ショットの際は何に意識を向ければ良いのでしょうか。これは、ゴルフのレベル(もしくは技術の習得段階)によってどこに意識を向けるのが最適なのか変わってきます。
    ここで、ゴルフのレベルを4段階に分けたいと思います。皆さんは自身がどのレベルに当てはまるか考えてみてください。

    あなたのゴルフはどのレベル?

    1:そもそもどこが自分の悪いクセで、何を直せばゴルフの技術が上がるのか分からない。

    2:自分が何に気をつけてショットをすれば技術が上がるか知っている。だが、意識していても体をうまくそのとおりに動かすことができない。

    3:自分の気をつけるべき点を知っていて、意識をすれば実際に体をその通りに動かすことができる。

    4:無意識でも自分のやりたいスイングができる。

    1は自分のスイングの技術を上げるために、なにをすべきかまだ分からずに試行錯誤している段階。

    2〜3はアマチュアゴルファーが最も多く当てはまるレベルです。レッスンスクールや雑誌、テレビ、ウェブ、動画などのレッスンコンテンツを通して、スイングをよくするために自分の気をつけるべき点を認知していて、それを意識してできる人が3、できない人が2に当てはまります。

    4は主にプロゴルファーや同のゴルファーが当てはまるレベル。無意識でもレベルの高いショットを安定的に繰り出すことができます。しかし4の人もスイング改善に取り組み、正しい運動を習得する段階ではレベル2からの段階を経ていくことになります。

    多くのアマチュアゴルファーが属するレベル3は運動学習の観点では、体の動作について意識することで徐々に無意識でも運動ができるようになり、4段階のレベルのうち、もっともパフォーマンスアップが期待されます。練習場においては、自分のスイングをよくするために気をつけるべき点を無意識でもできるようにするために、何度もスイングを行い体に覚えこませましょう。

    一方ラウンド中は、3のレベルの人は自分のショットの精度が上がる気をつけるべき点、一つだけに意識を向けます。
    このとき、「頭を動かさない」など言葉で意識するのではなく、体の感覚で意識するようにしましょう。うまくいったスイング時の感覚を再現するようにショットを打つといいですね。打ったあとのボールの先は考えず、箱の中に入って壁に打つようなイメージです。
    打つべき場所を決めたら、あとはワンポイントのみに意識を向ける。(イラスト:山里將樹)

    打つべき場所を決めたら、あとはワンポイントのみに意識を向ける。(イラスト:山里將樹)



    2のレベルの人もラウンド中は同様に一つのことに意識を向けて取り組みましょう。一番やってはいけないのは、“結果”に意識を向けること。ゴルフにおいては“いい球”“いい打感”に意識を向けてしまうと、せっかく取り組んでいる運動課題がインプットできず、もともと持っている(間違った、修正したい)スイングが出てきてしまいます。

    4のレベルの人は、ショットを打つ前に「グッドショットはどういうの?」という質問を自身に問いかけて、その答えをイメージで出します(ビジュアライズ、映像化というテクニックです)。

    イメージとは人それぞれですが、絵で思い浮かべる人もいればボールの飛んでいく方向性のみを考える人もいます。イメージから導かれたターゲットに意識を向けます。

    キャッチボールやゴミをゴミ箱に入れるのが簡単なのは、目から入ってきた情報にシンプルに体を反応させているからです。ゴルフも同じように視覚情報(ビジュアライズ)に体を反応させる(無意識)ことが究極のゴールです。

    このようにどこに意識を向けるかはレベルによって変わってきますが、それまでのどこにボールを打つべきかを考えるコースマネジメントとは一緒。コースマネジメントは考える、すなわち「Think」の動作。つまり、左脳を使って考えます。

    「Think」から脳を右脳に切り替えて「Awareness」するのがナイスショットを打つためには必要です。

    教えてくれた人

    佐々木 信也(ささき しんや)さん
    さまざまな切り口のゴルフ関連プロダクトを取り扱う、株式会社 エンジョイゴルフ&スポーツジャパン代表取締役。佐々木氏自身、フォーカスバンドというデバイスを使ったフォーカス&パフォーマンスコーチとしてツアーで活躍するプロゴルファーのサポートもしている。

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