インドアスクールの若手コーチというお仕事
ゴルフを満喫できるのは、夢中でプレーしている私たちからは見えないところで働いている人たちがいてくれるからこそ。最高のゴルフの休日を陰からサポートしてくれるそのお仕事とは?
配信日時:2018年7月4日 21時00分
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せっかくお金を払って教えてもらうなら、やはりキャリアや実績のあるベテランコーチがいい。そう思うのは、ビギナーでも上級者でも変わらないはず。そんなアマチュアゴルファーからの信頼を得るために、コーチ稼業に励むインドアゴルフスクールの若手レッスンプロはたくさんいます。彼らのお仕事の中身と発展途上ゆえのジレンマとは?
お話をしてくれたのは、インドアゴルフスタジオ、四谷ゴルフ倶楽部の宇津野勇気さん(29歳)。高校からゴルフ部に所属。日体大を中退後、富士桜カントリー倶楽部で5年間研修生をしながらプロテストにチャレンジするも夢は叶わず。研修生のときのキャディ経験で感じたアドバイスをするおもしろさ、人と話すことが好きだった性格から、教える側を目指すことに。大手スポーツクラブのゴルフインストラクターを経て、JGRA認定レッスンプロ資格を取得。この春から四谷ゴルフ倶楽部に入社。所属する4人のレッスンプロの中でもっとも若手。月収は約20万円ほど。
お話をしてくれたのは、インドアゴルフスタジオ、四谷ゴルフ倶楽部の宇津野勇気さん(29歳)。高校からゴルフ部に所属。日体大を中退後、富士桜カントリー倶楽部で5年間研修生をしながらプロテストにチャレンジするも夢は叶わず。研修生のときのキャディ経験で感じたアドバイスをするおもしろさ、人と話すことが好きだった性格から、教える側を目指すことに。大手スポーツクラブのゴルフインストラクターを経て、JGRA認定レッスンプロ資格を取得。この春から四谷ゴルフ倶楽部に入社。所属する4人のレッスンプロの中でもっとも若手。月収は約20万円ほど。
若手コーチのとある1日
10:30 出社
11:00 レッスンスタート(30分刻みでグループ、個人)
「レッスンを別なコーチが受け持つこともありますし、自分でもたくさんの生徒さんを見ているので、正直忘れてしまうこともあります。ですから一人ひとりのカルテにレッスンの様子や課題をメモしておきます。その場ですぐにメモることが肝心ですね」
12:00 年配の方へのレッスン
「自身のゴルフキャリアを振り返って思うのは、やはり褒められた方が伸びるということ。年配の方には特にそれを実践しています。おだてているつもりはありませんが、スクールを離れた日常では考えられないほど、褒め言葉を並べていることに驚くこともありますね」
13:00 若い女性へのレッスン
「主力のコーチは自分よりも年齢が高いベテランが多いです。コーチはおじさんばかりじゃないんだ、と世代の近さを感じてもらうことも、コミュニケーションには役立ちます」
14:00 グループレッスン
「前のレッスンのあと、簡単にできる課題を出すことがよくあります。その次の回、見ているとわかるんですよ、課題をやってくれたのか。きちんとやってきてくれたのがわかるとこちらもうれしいですし、教える側のモチベーションも上がりますね」
15:00 常連さんへのレッスン
「レッスンの終わりに、必ず次回の予約を聞くようにしています。次の予約まで気をつかってもらえるとわかれば、生徒さんもうれしいでしょうし、自分は気づかいだと思っています。ときには、こちらから電話して予約を尋ねることもあります。これは営業というより、ホスピタリティなのかなと思います」
16:00 休憩(昼食) 以降もレッスンが続く。
19:00 初心者へのグループレッスン
「会社に入ってゴルフをはじめなくてはと思って、訪れるビギナーには、レッスンだけでなく、覚えておけば絶対にこの先役立つからと、ゴルフができることのメリットしっかりと伝えるようにしています。実際に生徒さんの話を聞いていたら、まさにその通りだったので」
22:00 スクールの片づけ、清掃
「たとえば練習用のボールの並べ方が、ほんの少し乱れているだけで、今日は何かあったのかと聞かれることがあります。ですからスクールの掃除はきちんと。マットはきれいか、ボールは整然と並んでいるか、など気をつけています」
23:00 退社
11:00 レッスンスタート(30分刻みでグループ、個人)
「レッスンを別なコーチが受け持つこともありますし、自分でもたくさんの生徒さんを見ているので、正直忘れてしまうこともあります。ですから一人ひとりのカルテにレッスンの様子や課題をメモしておきます。その場ですぐにメモることが肝心ですね」
12:00 年配の方へのレッスン
「自身のゴルフキャリアを振り返って思うのは、やはり褒められた方が伸びるということ。年配の方には特にそれを実践しています。おだてているつもりはありませんが、スクールを離れた日常では考えられないほど、褒め言葉を並べていることに驚くこともありますね」
13:00 若い女性へのレッスン
「主力のコーチは自分よりも年齢が高いベテランが多いです。コーチはおじさんばかりじゃないんだ、と世代の近さを感じてもらうことも、コミュニケーションには役立ちます」
14:00 グループレッスン
「前のレッスンのあと、簡単にできる課題を出すことがよくあります。その次の回、見ているとわかるんですよ、課題をやってくれたのか。きちんとやってきてくれたのがわかるとこちらもうれしいですし、教える側のモチベーションも上がりますね」
15:00 常連さんへのレッスン
「レッスンの終わりに、必ず次回の予約を聞くようにしています。次の予約まで気をつかってもらえるとわかれば、生徒さんもうれしいでしょうし、自分は気づかいだと思っています。ときには、こちらから電話して予約を尋ねることもあります。これは営業というより、ホスピタリティなのかなと思います」
16:00 休憩(昼食) 以降もレッスンが続く。
19:00 初心者へのグループレッスン
「会社に入ってゴルフをはじめなくてはと思って、訪れるビギナーには、レッスンだけでなく、覚えておけば絶対にこの先役立つからと、ゴルフができることのメリットしっかりと伝えるようにしています。実際に生徒さんの話を聞いていたら、まさにその通りだったので」
22:00 スクールの片づけ、清掃
「たとえば練習用のボールの並べ方が、ほんの少し乱れているだけで、今日は何かあったのかと聞かれることがあります。ですからスクールの掃除はきちんと。マットはきれいか、ボールは整然と並んでいるか、など気をつけています」
23:00 退社
若い宇津野コーチが目指すコミュ力
レッスンのコンセプトや核となるメソッドは当然スクール内で統一されていますが、実際に生徒さんを前にレッスンするときのノウハウは人それぞれ。大規模なスクールではないので、コーチの研修会が行なわれるわけでもありません。先輩コーチのレッスンを見たり、都度つど質問しながらスキルをあげて、コーチとしての信頼度を高めていきます。
宇津野コーチが研修生時代にキャディとしてアドバイスしていたときは、1日18ホールだけの一期一会的な感覚でした。ところがスクールは週に1回とか継続したつきあいになります。ですから月並みながら、楽しく、おもしろいレッスンになるように努めます。言葉少なく、ワンポイントしかいわないコーチより、いろいろしゃべった方が楽しい時間になるはずだからです。
とはいえ必要以上に話すことが苦痛な生徒さんもいます。そうした生徒さんの嗜好をすばやく見抜いていくこともとても大切。ゴルフスクールは学びの場でありながら、同時にコミ力が問われる、マン トゥ マンのサービス業でもあるのです。
大切なのは言葉。感覚的に自分が1回発した言葉だけで、きちんと理解してくれる生徒さんは20%いるか、いないか。宇津野コーチの自己分析です。今、先輩コーチのレッスンを見ていて感じているのは、もっとはっきり言い切ること。自身がよく使ってきた「〜するといいですよ」という言い回しには「?」が残るのではと思いはじめました。先輩がよくいうのは「〜してください!」。こうした言い切りの方が生徒さんは悩まないのではと気づきました。ゴルフのスキル以外に学ぶことはたくさんあるようです。
生徒さんの中には社会的地位が高い人もいます。もちろん他の生徒さんと変わらず接するように心がけますが、相手が相手ですから、どこか言葉が気後れしてしまうこともあるというのは、正直なところでしょう。ところが先輩コーチを見ていると、大きな会社の社長さんが相手でも、「こうしないとヘタになるから!」とズバリいうそうです。聞いていると言い切りを超える迫力だそう。こうしたコミュニケーション能力は、まだ若い宇津野コーチには高いハードル。舌を巻くばかりだとか。
まだまだキャリアの浅いコーチ稼業とはいえ、生徒さんから「この前コースへ行って、先生に言われたことを守ったら、いいショットがたくさん出た」といったうれしい報告を聞かせてもらうと、自分が教えてきたことが正しかったかなと思えて、心の底からホッとするといいます。日々のレッスンでのプレッシャーからなのでしょうか、それは弾けるような解放感なのだそうです。コーチという教える立場の仕事の重みなのかもしれません。
通う立場は上手くなるはずと信じて、コーチの教えを乞います。そんな思いに応えるために努力を重ねる若手コーチも、ゴルフの1日を支えてくれる人のひとりです。
YGC Group
四谷、都立大学でインドアゴルフスタジオを運営。グループ、マントゥマンのレッスン、さらにラウンドレッスンを行う。最新シュミレーターや動画を用いたスイング分析によって、ビギナーから上級者まで結果を出す指導を目指す。どちらのスクールも駅間近のロケーションで仕事帰りにレッスンを受けられる。四谷ゴルフ倶楽部 TEL.03-3225-3700 都立大学ゴルフクラブ TEL.6459-5672
宇津野コーチが研修生時代にキャディとしてアドバイスしていたときは、1日18ホールだけの一期一会的な感覚でした。ところがスクールは週に1回とか継続したつきあいになります。ですから月並みながら、楽しく、おもしろいレッスンになるように努めます。言葉少なく、ワンポイントしかいわないコーチより、いろいろしゃべった方が楽しい時間になるはずだからです。
とはいえ必要以上に話すことが苦痛な生徒さんもいます。そうした生徒さんの嗜好をすばやく見抜いていくこともとても大切。ゴルフスクールは学びの場でありながら、同時にコミ力が問われる、マン トゥ マンのサービス業でもあるのです。
大切なのは言葉。感覚的に自分が1回発した言葉だけで、きちんと理解してくれる生徒さんは20%いるか、いないか。宇津野コーチの自己分析です。今、先輩コーチのレッスンを見ていて感じているのは、もっとはっきり言い切ること。自身がよく使ってきた「〜するといいですよ」という言い回しには「?」が残るのではと思いはじめました。先輩がよくいうのは「〜してください!」。こうした言い切りの方が生徒さんは悩まないのではと気づきました。ゴルフのスキル以外に学ぶことはたくさんあるようです。
生徒さんの中には社会的地位が高い人もいます。もちろん他の生徒さんと変わらず接するように心がけますが、相手が相手ですから、どこか言葉が気後れしてしまうこともあるというのは、正直なところでしょう。ところが先輩コーチを見ていると、大きな会社の社長さんが相手でも、「こうしないとヘタになるから!」とズバリいうそうです。聞いていると言い切りを超える迫力だそう。こうしたコミュニケーション能力は、まだ若い宇津野コーチには高いハードル。舌を巻くばかりだとか。
まだまだキャリアの浅いコーチ稼業とはいえ、生徒さんから「この前コースへ行って、先生に言われたことを守ったら、いいショットがたくさん出た」といったうれしい報告を聞かせてもらうと、自分が教えてきたことが正しかったかなと思えて、心の底からホッとするといいます。日々のレッスンでのプレッシャーからなのでしょうか、それは弾けるような解放感なのだそうです。コーチという教える立場の仕事の重みなのかもしれません。
通う立場は上手くなるはずと信じて、コーチの教えを乞います。そんな思いに応えるために努力を重ねる若手コーチも、ゴルフの1日を支えてくれる人のひとりです。
YGC Group
四谷、都立大学でインドアゴルフスタジオを運営。グループ、マントゥマンのレッスン、さらにラウンドレッスンを行う。最新シュミレーターや動画を用いたスイング分析によって、ビギナーから上級者まで結果を出す指導を目指す。どちらのスクールも駅間近のロケーションで仕事帰りにレッスンを受けられる。四谷ゴルフ倶楽部 TEL.03-3225-3700 都立大学ゴルフクラブ TEL.6459-5672