日本にはゴルフ場が2000コース以上あるが、中には「思わずこれがクラブハウス！？」と驚かされることがある。まるでお城のように豪華絢爛（ごうかけんらん）だったり有名建築家が設計したもの、さらには登録有形文化財に指定されているもの。外装だけではなく内装が変わっているものまで実にさまざまだ。思わず訪れてみたくなるゴルフ場のクラブハウスを紹介。

今回紹介するのは福岡県北九州市にある九州ゴルフクラブ 八幡コース。北九州市中心部から車で約20分と都心部からアクセスの良いゴルフ場だ。前回紹介した「富士宮ゴルフクラブ」と同じく、有名建築設計家の黒川紀章氏が設計したクラブハウス。前回は富士山とのバランスがとれたクラブハウスだったが、今回はどんなことを意識して設計されたクラブハウスなのかひも解いていこう。

須崎裕昭（すさき ひろあき）支配人のナビゲーションでクラブハウスの魅力をお届け。
〜支配人ナビゲーション〜

須崎支配人：「当倶楽部は1992年10月に開場し、今年で26年目を迎えます。北九州市の中核である小倉駅から車で15分以内、八幡や小倉の市街地に隣接する丘陵地に位置しています。まさに都心部と隣接する環境である当倶楽部のクラブハウスは、「都市生活との共生」、「自然との共生」をコンセプトに黒川紀章氏によって設計されました。

クラブハウスの外観は、コース側の正面部分にミラーガラスのカーテンウォールを用いてコースをガラスに映すことで、クラブハウスが周囲の自然環境の中に同化。自然との共生を促進させたものになっています。また、ガラス面を8度傾斜させることで反射光による障害がコースに発生しないようにも設計されており、四季を通じてプレーに影響を及ぼさないよう工夫がなされています。

内観はコース側が広大なガラス面になっており、周囲の自然とコースの景観を建物内部にまで十分に取り込み、外部環境との連続感に配慮された空間です。エントランスホールを入り、ロッカーやレストラン、お風呂からもコース側の景色を一望でき、お客様は常にコースとの一体感を感じられます。

クラブハウスは昨年、JIA（公益社団法人日本建築家協会）から『25年以上建築の存在価値を発揮し、美しく維持され、地域社会に貢献してきた建築』として、JIA25年建築選に登録されました。これからも、維持管理に努めてまいります」

須崎支配人：「黒川紀章氏は新しいライフスタイルの実現に向けて、同クラブハウスを建築されました。個性や多様性を尊重する時代への移行に伴い、生活環境や価値観は大きな変化を遂げつつある中で、生活と余興の共生が今の時代の基本のテーマになると考えられたようです。

生活と余暇が個別に対立するのでなく、生活の中に余暇の要素が溶解し、余暇の中に日常の生活が融合する、そのような共生の概念を大切にすることが新しいライフスタイルの実現につながる、という思いを持って建築されたのが同クラブハウスです。また、同倶楽部の姉妹コースとして、熊本県荒尾市に小岱山コースがあります。こちらのクラブハウスも同じテーマで黒川紀章氏によって建築されました。ぜひ、小岱山コースのクラブハウスにも注目してみてください」

“自然から得たものは自然に帰す”をポリシーとし、美意識と芸術的感性をバックボーンにした耽美（たんび）派コース設計家の加藤俊輔氏によって設計。18ホールがそれぞれ個性に富んだ顔を持ち、ゴルファーにとって各ホールに味わい深い記憶が刻まれる。中でも10番と17番の間にある自然岩は、造成時に現れた偶然の産物でコースの象徴。

九州ゴルフ倶楽部 八幡コース
〒805-0036
福岡県北九州市八幡東区小熊野1467
TEL:093-652-2221

アクセス
【車】
北九州都市高速道路　山路ランプより車で5分
九州自動車道小倉南インターより車で10分
九州自動車道福岡インターより車で50分
北九州空港より車で30分
福岡空港より車で60分

【電車】
八幡駅より車で15分　
小倉駅より車で20分

九州ゴルフ倶楽部 八幡コースの詳細はこちら

写真提供：九州ゴルフ倶楽部 八幡コース

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