しかし、日常生活でできるようになってもゴルフ場でできなければ意味がありません。でもご安心ください! 切り替えのきっかけはゴルフ場にたくさん転がっています。例えば、歩いているときに聞こえてくる鳥の鳴き声や靴の音、クラブを握っている感覚や足裏の感覚(傾斜や地面の固さなど)、呼吸、ティグランドでのイメージングなどです。
これらに意識を向けて、ボール地点に向かう間にイライラや不安などの雑念を取り除き、頭をクリアにして「グッドショットはどこ?」という質問に対し、イメージ図や弾道イメージで答えを思い浮かべる手助けをします。
では早速、ショット前のルーティンにトライしてみましょうといいたいところなのですが、ラウンドでいきなりトライしてもうまくいくはずがありません。まず、練習場でラウンドと同じシチュエーションを作って練習しましょう。
本当に意味のある練習とは?
でも、実戦の場合、ホールレイアウトや風の向きで状況が変わり、まったく同じシチュエーションで打つことはないですよね? ゴルフのレベルに関係なく、「ブロックプラクティス」のほかにシチュエーションを1球ごとで変える「ランダムプラクティス」も行うべきなのです!
ゴルフは毎回シチュエーションが異なる中で、ターゲットにイメージしたとおりボールを運ぶことが求められるスポーツ。ぶっつけ本番でやってもグッドショットを出すのは困難です。そのため、ラウンドで行う以下の流れを練習場でもトライすることが大切なのです。
シチュエーションに応じた分析
(ここに障害がある、風の向き、ターゲットの選定など)
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望ましいアウトプットを想起する
(どのクラブを使ってどのくらいのパワーで打つ、スタンスの位置など)
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リハーサル
(脳を「意識(Awareness)を向ける」に切り替えて、弾道をイメージする)
↓
ターゲットに意識を向けて打つ
具体的な練習法はコレ!
例えば、10シチュエーション×2周の計20球で練習するとします。
1球1球、距離や位置でターゲットを変更して別シチュエーションを作ります。練習器具を使って傾斜を作ったり、スタンス幅や角度を変えて打つといいでしょう。毎球、異なったシチュエーションでボールを打ち、ミスしてもやり直さずに10球連続で打ちます。すべての球数を終えたら1球ずつ振り返り、改善点を探します。2周目は1周目の反省をふまえて、同じ10シチュエーションを繰り返します。
これを繰り返すことで、さまざまなシチュエーションでターゲットに向かってボールをイメージどおりに打つという、ラウンドと同じ状態を練習場で作ることができます。
これこそまさに質の高い練習法。同時にラウンドの回数を積み重ねて、自身のコースマネジメント力などラウンド経験値を増やしていくこともスコアアップには必要になります。
練習と合わせて、ラウンド経験値も上げましょう!
教えてくれた人
さまざまな切り口のゴルフ関連プロダクトを取り扱う、株式会社 エンジョイゴルフ&スポーツジャパン代表取締役。佐々木氏自身、フォーカスバンドというデバイスを使ったフォーカス&パフォーマンスコーチとしてツアーで活躍するプロゴルファーのサポートもしている。