ゴルファーの目を危険にさらす怖~い紫外線「レンズは濃い色のほうがいいとか、間違った対策をしていませんか?」
紫外線は春から秋にかけて皮膚にダメージを与えることで知られていますが、実は、目は1年中降り注ぐ紫外線の影響を受けている。それだけに正しい紫外線対策が重要だ。
配信日時:2024年7月9日 02時15分
コースに出るたび全身に紫外線を浴びているゴルファーは、目の病気を発症するリスクが高い。また老眼も白内障も、より多くの紫外線を浴びることで発症が早まるという。それだけにしっかり正しい対策をする必要があるが、思い込みで間違った対策をしているゴルファーは少なくない。
よくある思い込みの間違い代表例を5つ、金沢医科大学眼科学の佐々木洋教授に挙げてもらった。
●間違い1
「サングラスは濃い色のレンズが効果的だ!」
レンズの色が濃いと、視界が暗くなることで瞳孔が開くため、かえって水晶体や目の奥まで紫外線が入りやすくなる。真っ黒ではなく、外側から見たときに目が見えるくらいの薄い色がベターだ。
●間違い2
「日傘で紫外線はカットできる!」
ゴルフ場でも街中でも、熱中症対策として男女を問わず日傘の使用が推奨されている。だが、目に浴びる紫外線をカットする効果は少ない。紫外線対策としては日傘単体でのカット率は10~30%しかないので、サングラスや帽子などと併用してカット率を上げよう。
●間違い3
「日陰に入っていれば安心だ」
ラウンド中の待ち時間にカートや木の下で涼む人は多い。直射日光を避けられるので暑さ対策にはなるが、日陰に入っても紫外線はさまざまな角度から散乱してくるためカット効果は25%と少ない。
●間違い4
「車の運転をするとき、サングラスは必要だ」
車にはUVカット率99%以上のフロントガラスが使われている。そのため、基本的にサングラスは必要ない。横のドアガラスは車により60?99%。窓を開けると紫外線が入ってくるのでサングラスが必要だ。
●間違い5
「西洋人より日本人のほうが紫外線に強い」
西洋人の骨格は顔の彫りが深く、前頭部がいわば帽子のツバのような役目を果たして目に入る紫外線を遮る。それに対し、東洋人は骨格が平坦で彫りが浅いため紫外線が目に入りやすい。
解説・佐々木洋 金沢医科大学医学部眼科学講座 教授
自治医科大学、米国オークランド大学眼研究所を経て、1996年金沢医科大学眼科へ移籍。2005年から現職。国内外で紫外線関連眼疾患の疫学調査を行い、白内障の臨床、疫学、基礎研究において日本をリードしている。これまでに行った白内障手術は4万件以上。特定非営利活動法人 紫外線から眼を守るEyes Arc理事長。
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