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    おやじゴルフニュース「ガチンコは辛いよ! ドラコン番組を見て思ったこと」

    ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・とがしやすたかのイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。

    配信日時:2024年4月2日 02時15分

    • ゴルフライフ
    イラスト・とがしやすたか
    イラスト・とがしやすたか
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    先日、テレビでアマチュア参加型のドラコン番組を見て、いろいろ思うことがあり書きたいと思います。見た番組は「ゴルフ巌流島~飛ばしの一騎討ち」(BSテレ東)で、ドライバーの飛距離自慢の男性がふたり登場し、対決する企画です。

    競技といえば「マスターズが」11日から開幕! ところで「アーメンコーナーの名付け親は誰?」

    番組の構成や演出は面白く、十分楽しめました。その中で注目したのは、アマチュアの出場者です。もの凄く感情移入してしまったのです。

    我こそは飛ばし屋だと登場したアマチュアさんでしたが、緊張していたのかミスを連発します。ハラハラしながら見守っていると、規定の5回を打った結果、1度もフェアウェイキープせずで、自滅してしまいました。

    この日のためにかなり練習したことでしょう。作戦も練ったと思います。5回も打てるのだから、最初から飛ばそうと決めたのでしょうか? 結果的に認定飛距離がゼロとは……。

    その人は体格も良く、対戦前の抱負では、最低でも300ヤードは飛ばしたい。出来れば330ヤードは打ちたいと言ってたんですけどね。彼の名誉のためにいうと、ラフだけど最高295ヤードを飛ばしていました。調子が良かったら、軽く300ヤードは越えていたでしょう。飛ばす実力はあったのです。

    結果、もうひとりの人が272ヤードを飛ばして勝ちました。そういう対戦を見てて、もし自分が300ヤード飛ぶとして、番組に誘われたらどうするか考えました。多分出ないでしょう。あの5球全部外しを見た後では尻込みをしてしまいます。

    番組を見てても辛かったのに、実際に打てとなったら、プレッシャーに押しつぶされるでしょう。というわけでここからが本題って、今まではフリだったのか~?

    おやじゴルファーとしては、若いころアマチュア競技やクラブ競技、プロアマ出場などを体験して来たので、プレッシャーのあるラウンドは十分かなと思っています。過去において完全な場違いで出場したのが、日刊アマ・関東ダブルスゴルフ選手権の予選でした。大利根カントリークラブの長めのティで行われ、ガチ勢が大挙集まっていました。

    雑誌の企画で出ろと言われましたが、多くのミドルホールが400ヤード越えで、ナイスショットをしてもパーオンをしない。ふたりで組んで知らない人とラウンドするのですが、相手側はコンスタントにパーを重ねて行く。こっちはたまに飛ぶけど、ボールが曲がる。やはりボギーが多め。

    ダブルス競技は組んだふたりのスコアのいいほうを採用するのですが、私が採用されたのは2~3ホールのみでした。結果、予選でも最下位近くで撃沈。なんでこんな試合に、高いエントリーフィを払って出たんだろうか。そんな後悔の念で一杯でした。

    ほかには、昔行われていたパブリック選手権の予選にも出て、ボコボコにされたことがあります。その頃はまだ若くて、緊張した状況でゴルフをやりたかったんですね。

    いろいろ体験して、やはりグロスで戦う競技はしんどいと痛感します。ならばハンデ戦で戦う競技はどうだ? そう思い立ち、今度はクラブ競技に参加します。結果、鶴舞CCの月例競技や理事長杯、キャプテン杯などに出て、そこそこの成績を収めました。最初のハンデは20ぐらいで、そのレベルだとかなり上位に食い込めます。

    理事長杯の決勝トーナメントでは、ハンデ3の人にマッチプレーで勝ちました。ハンデって凄いな、5下のシングルに勝てるんだとね。

    というわけでここからは現在のお話です。一昨年の秋に入会した、茨城の扶桑カントリークラブですが、日々ラウンドを重ねてハンデキャップを取得し、現在ハンデ15です。しかもこのコース、ハンデ13以下のBクラスは、レギュラーティで競技が行われるのです。だから今競技に出たら、好成績を収めるんじゃないかって、ふと思ったりもしました。

    じゃ、エントリーするか? いろいろ考えた結果、しばらく見合わせることにしています。理由は簡単にいうと、競技に向けたラウンドをしていないからです。昨年、ホームコースでバンカーにボールを入れたら、ホームランを打って向かいのバンカーへ打ってしまい、そこからまたバンカーに入り、俗にいう往復ビンタをやらかしました。

    頭の中は真っ白になり、気づいたらミドルホールで久々の10オーバー。それが今もトラウマになって、もし競技に出て叩いたらどうしようという恐怖心が勝り、エントリーを辞めています。

    ほか自分に甘いラウンドばかりして、例えばボールがベアグランドやディボット跡にある場合は、6インチリプレースというローカルルールを採用し、避けて打っています。パットも70センチ程度はオーケーを貰いますが、試しに打ってみると入らないことがしばしば。

    競技はオーケーパットもないし、6インチを動かすこともできない。昔はノータッチ、オーケーなしでラウンド出来たんだよな~。今は怠惰なのでしょうか?

    この心境の変化は老化により、常にリラックスした状態でラウンドをしたいという願望の現れだと思います。例えばスコアを友達と競うニギリを、昔やっていましたよね。これは少額でも負けると悔しいわけで、そこで何くそ~と思うじゃないですか。今はそういう感情の起伏があるゴルフをしたくないのです。

    だから当然ニギリもしないし、試合にも出たくないのです。昔、米国のアイゼンハワー大統領は心臓の持病が悪化し、医師からラウンド時の注意を受けました。パット時の緊張感が心臓に悪いから、やめたほうがいいと。結果、グリーンに乗ったボールはパットせず、すべて自動的に2パットで終了にしたのです。

    これが有名なアイゼンハワールールというやつです。自分もアイゼンハワー大統領を見習いますか?


    富士急ハイランドのジェットコースターって、55歳ぐらいから乗車制限があるのを知ってました? 高齢者がアクシデントを起こさないようにという配慮です。我々はそういう年齢なのです。ガチンコゴルフでくれぐれも感情の起伏が激しくなりませんように、皆さん注意しましょう。単に競技に出ないいい訳にも聞こえますが、そこはひらにご容赦を……。

    ■プロフィール■
    木村和久
    きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
     
    とがしやすたか
    1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。

    ◇ ◇ ◇
     
    ●同伴者と6時間近く一緒に過ごすゴルフでは、空気を読まないといけないシーンが多数存在する。アナタに非がなくても相手の地雷を踏んでしまう可能性も……。関連記事【同伴者のスカートの中が見えそう!「こんなとき、どうする?」】

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