【2023年ゴルフルール改正】ラウンド中に破損したクラブの交換が可能に! 交換時の注意点も解説
「ラウンド中に打ったら変な音が……よく見るとヘッドにヒビが」 「球を打ったらシャフトが折れてヘッドが飛んでいった」など、ゴルファーなら経験したことがあるかもしれないラウンド中のクラブの破損。これまではラウンド中の交換は認められていなかったが、2023年からは交換可能になった。
配信日時:2023年3月22日 09時05分
1.2023年から破損したクラブの「交換」も可能に
2023年のルール改正により、ラウンド中やプレーの中断中に、クラブが破損してしまったときに交換できるようになった。交換が可能となるケースとして以下が挙げられる。
- ・ショットを打った勢いでシャフトが折れてしまう。
- ・キャディバッグから取り出すときに引っ掛かってシャフトが曲がってしまう。
- ・クラブを落としたときに、ヘッドが割れてしまう。
- ・クラブに寄りかかった際に、シャフトが曲がってしまう。
- ・林からショットした際に木の幹に当たってシャフトが折れてしまう。 など
これまでも、他人が運転するカートにひかれたなど、外的影響や自然の力によって損傷した場合は、例外として交換が認められていた。今回の改訂では林からのショットで木の幹を打ってクラブが曲がってしまったなど、プレーヤー自身が原因でも交換できるようになったのだ。
イライラして破損させてしまったクラブは交換不可
プレーヤーが、イライラして地面に叩きつけるなど、乱暴に扱ったことが原因でクラブが破損した場合はクラブの交換は認められない。
もし交換してプレーした場合失格となる。ただし、交換したとしても、ストロークする前に除外すれば違反にはならない。
2.交換時の3つの注意点
クラブを交換するにあたって注意すべき点として以下の3つが「規則4.1b(4) クラブを追加する、または取り替える場合の制限」で定められている。最悪の場合競技失格になることもあるため必ず押さえておこう。
- 【1】不当にプレーを遅らせてはいけない
- 【2】コースでプレー中の他のプレーヤーのものと交換できない
- 【3】交換することを明示しなければならない
【1】不当にプレーを遅らせてはいけない
ホールのプレー中、またはホール間の移動中に不当にプレーを遅らせてはいけないと「規則5.6a プレーの不当の遅延」によって定められている。例外として遅延が認められているのは、けがや病気、レフェリーに援助を求めている場合などに限られる。違反した場合、以下の罰が次のホールで課される。
- ・最初の違反→1打の罰
- ・2回目の違反→2打の罰
- ・3回目の違反→失格
例えば、クラブを交換するためにクラブハウスや車に取りに戻ると、不当な遅延に該当する可能性が高い。交換するのであれば、ハーフターンのタイミングが妥当だろう。
【2】コースでプレー中の他のプレーヤーのものと交換できない
「規則4.1b(2) クラブの共有の禁止」が定められているため、コース内でプレーしている他のプレーヤーのクラブと交換してプレーすることは認められていない。また、他のプレーヤーの余っているシャフトやヘッドなどの部品から組み立てたクラブも交換不可となっている。
認められていないクラブと交換した場合、ストローク前に必ず除外しなければならず、そのままプレーすると失格になる。やはり、ハーフターンのタイミングでの交換が現実的だろう。
【3】交換することを明示しなければならない
損傷したクラブを交換する場合、「規則4.1c クラブをプレーから除外するための手続き」によって、次のストロークの前に破損したクラブをプレーから除外することを明確にする必要がある。周囲へ伝える方法として以下が挙げられる。
- ・同伴者に破損したクラブを除外すると宣言する。
- ・キャディバッグに逆さまにして入れる。
- ・ゴルフカートの床に置く。
- ・別の人にクラブを渡す。 など
これらの方法によって除外したクラブを再度使ってしまうと失格になるので注意しよう。
3.まとめ
2023年から、一部のケースを除いて競技中に破損したクラブを交換できるようになった。しかし、アマチュア競技の場合、現実的に交換できるのはハーフターンのタイミングくらいだろう。また、勘違いしてルールを覚えていると競技失格になる可能性もあるため、3つの注意点をしっかりと押さえておこう。