ネリー・コルダよりすごい!? 米女子ツアー“元祖”5連勝プロのナンシー・ロペスってどんな選手?
「TOTOジャパンクラシック」終了時点でポイント差が埋まらないため、ネリー・コルダ(米国)が2024年の「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」に確定した。今季のコルダといえば、出場5試合連続優勝の達成が思い出されるが、今から46年前に、ルーキーイヤーで出場5試合連続優勝を達成した選手がいることをご存じだろうか?
配信日時:2024年11月6日 04時45分
「TOTOジャパンクラシック」終了時点でポイント差が埋まらないため、ネリー・コルダ(米国)が2024年の「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」に確定した。今季のコルダといえば、出場5試合連続優勝の達成が思い出されるが、今から46年前に、ルーキーイヤーで出場5試合連続優勝を達成した選手がいることをご存じだろうか?
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今年5月、米国女子ツアー「コグニザント・ファウンダーズカップ」の会場に元祖5連勝女子プロのナンシー・ロペス(米国)の姿があった。今大会でネリー・コルダ(米国)が勝利すれば出場6連続勝利達成。5連続勝利の記録を持つロペスとアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)の2人もコースに足を運び、「記録はいつか破られるもの。ネリーが自身を信じて、今のプレーを続けてほしい」と目を細めてプレーを見守っていた。
ソレンスタムが「尊敬する最も偉大な選手」と一番にその名前を挙げるのもロペス。21歳で米国女子ツアーでセンセーショナルなデビューを果たした。1978年のルーキーシーズン、2月に早々にツアー初制覇、さらに5月には“出場5試合連続優勝”を達成。その中にはメジャーの「全米女子プロ選手権」も含まれていた。
9勝を挙げた同年は最少平均ストロークの“ベアトロフィー”を獲得。“ルーキー・オブ・ザ・イヤー”と“プレーヤー・オブ・ザ・イヤー”の両方に選出され、米国一の人気スポーツ誌“スポーツ・イラストレーティッド”の表紙を飾り、女子ゴルフを世界に広めた立役者として今も語り継がれている。
70~80年代に活躍しメジャー勝利は3度、そのすべてが「全米女子プロ選手権」だ。「全米女子オープン」は2位が4度、当時のメジャー「デュ・モーリエ・クラシック」も2位が3度と悔しさも経験している。
一方、ロペスはプライベートも華やか。スター選手だった79年にはスポーツキャスターのティム・メルトン氏と結婚。3年で破綻するが、今度はメジャーリーガーのレイ・ナイト氏と27年間の結婚生活を送った。83~84年には第一子誕生のためツアーから離脱したが、85年には「全米女子プロ選手権」を制し賞金女王の座にも就いた。
多くの女子プロたちが「憧れの存在」と目標に掲げるのは、素晴らしい成績だけが理由ではない。周囲の人々、後輩、ファン……すべての人へ見せてきた“思いやり”の姿勢があったからこそだ。
「全米女子オープン」の会場で、今季限りでのツアー引退を発表したレクシー・トンプソンも「同じ時代にはプレーできなかったが、私にとってのアイドル」と評し、「どれほどゴルフを愛しているかを見せてくれ、ゲームに恩返しをしている。彼女の足跡をたどっていきたい」と話した。また一人ロペスを目指す後輩が増えた女子ゴルフ界、これこそがロペスの目指す未来なのだろう。(文・武川玲子=米国在住)
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