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    ミスのあとに笑顔がつくれないならガムをかむ【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    笑顔をつくると自律神経が整う。だからといって笑顔をつくれない人がガッカリすることはない。順天堂大学医学部の小林弘幸教授によると「咀嚼でも表情筋が緩んで副交感神経が高まります」とのこと。それにはガムをかむといい。脳も活性化して集中力が高まるそうだ。

    配信日時:2023年5月16日 05時00分

    • ゴルフライフ
    イラスト・のり
    イラスト・のり
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    ラウンド中にリズムを崩しそうになったときは、笑顔をつくるとプレーを立て直すきっかけをつかめます。顔の筋肉をほぐすことによってリラックスし、自律神経が安定するからです。

    ■副交感神経を咀嚼で高める
     
    もう一つ、顔の筋肉を緩ませるには咀嚼という誰にでもできるよい方法があります。よく「食事はしっかりかんで食べましょう」といわれますよね。早食いを避けて咀嚼回数を増やせば消化器への負担が少なくなるだけでなく、アゴを使ってよくかむことで表情筋がほぐれて副交感神経の働きが高まります。さらに脳を活性化する効果も得られるからです。
     
    多くのアスリートがガムをかむのは、そのためです。野球のメジャーリーガーやサッカーの選手、またゴルファーならタイガー・ウッズもよくガムをかんでいます。一般ゴルファーも、緊張するスタート前やプレーリズムを崩してイライラしたときなどにガムをかむと副交感神経が高まって平常心を取り戻すことができ、ゴルフのパフォーマンスがアップします。
     
    笑顔をつくるのが苦手な人は、こちらの方法を試してみてはいかがでしょう。特別な意識をしなくてもガムをかむと自然に咀嚼が促され、顔の筋肉をはじめ心身がリラックスします。
     
    ■血流が上がり、脳が活性化する
     
    先ほど、よくかむことで脳が活性化する、ともいいました。それはかむ動きによって咀嚼筋から脳へ刺激が伝わり、脳の血流がよくなるからです。チューインガムをかむ実験では、小脳や前頭葉で10~40%も血流が増加したというデータがあるほどです。
     
    副交感神経が高まって気持ちが落ち着き、脳はよく働く。つまり集中力がアップするわけですから、大事なショットやパットへの影響は少なくありません。
     
    また、咀嚼をするほど唾液の量が増えることは広く知られています。少し専門的な話になりますが、唾液には粘膜表面に分泌されるIgA抗体というものが存在しており、これによって花粉症や風邪の予防にもなるのです。さらに内臓脂肪を分解する効果のあるヒスタミンも分泌されるため肥満予防にもつながります。
     
    咀嚼行為はゴルフにも健康にも多くのメリットがありますから、ガムをかむことは大変有効です。コンビニ等で買って携行し、必要なときにかむだけ。それで自律神経のバランスが整い、集中力もアップするなら費用対効果もかなり優れています。
     
    ただ、ガムをかむときは口を開けてくちゃくちゃ音を立てない、ちゃんと紙に包んでゴミ箱に捨てる。ショットだけでなくマナーの質も高めましょう。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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