ゴルフにインナーは必須? 疲労軽減・汗対策・着心地など選ぶポイントを紹介
最近は冬だけでなく、夏でもゴルフウェアの下にぴったりとしたインナーを着用するゴルファーが増えています。ここまで普及したのは涼しさや温かさ、清潔感、サポート力などのメリットが支持されている証拠でしょう。多くのトーナメントプロが着用しており、アマチュアにとっては”上手そうに見える”点も魅力と言えます。ただし、さまざまな種類のインナーがある中で、何を着てもいいというわけではありません。ゴルフに適した機能が備わったものを選ぶことが肝心です。そこで、ゴルフ用インナーのメリットや選び方について解説します。
配信日時:2024年8月29日 01時42分
最近は冬だけでなく、夏でもゴルフウェアの下にぴったりとしたインナーを着用するゴルファーが増えています。ここまで普及したのは涼しさや温かさ、清潔感、サポート力などのメリットが支持されている証拠でしょう。多くのトーナメントプロが着用しており、アマチュアにとっては”上手そうに見える”点も魅力と言えます。ただし、さまざまな種類のインナーがある中で、何を着てもいいというわけではありません。ゴルフに適した機能が備わったものを選ぶことが肝心です。そこで、ゴルフ用インナーのメリットや選び方について解説します。
1.ゴルフ用のインナーとは
ゴルフ用のインナーとは、快適なゴルフプレーをサポートする機能が搭載された肌着や下着のことです。
どのような特徴があるのかは、ゴルフというスポーツの特性を考えるとそれが見えてきます。
ゴルフは自然の中で行うスポーツで、真夏や真冬、炎天下や雨など、季節や天候を問わずプレーをします。1ラウンドにかかる時間は4時間〜4時間半と長く、乗用カートを利用したとしてもたくさん歩きます。ゴルフスイングは下半身を安定させながら上半身、特に肩から腕を何度も大きく振り回す動きです。また、ドレスコードに則った装いも必要です。
こうした特徴から、ゴルフのインナーにはまず夏は涼しく、冬は温かくする機能が求められます。特に夏は強烈な紫外線から肌を守るため、UVカット機能があると安心できます。
夏季のみならず寒い時季でも動けば汗をかきますから、吸汗速乾性もマストです。
スイングの動きを妨げることがないよう、伸縮性も欠かせません。ゴルフのインナーは体にピタッと密着するタイプのものが多いので、つっぱり感や引っかかり感があるとスイングに影響が出てしまいます。ゴルファーの動きをサポートする着圧タイプのインナーなら、パフォーマンスアップが期待できるでしょう。
ゴルフ用のインナーはトップスやボトムスの下に着るものなので、重ね着しても快適なよう、薄さや軽さも見逃せない機能です。ポロシャツを引き立たせるシンプルな色遣い、及びデザインも大切なポイントと言えます。「インナーは見せるものではない」とドレスコードで禁止しているゴルフ場もあるくらいですから、清潔感はなおさら重要と言えます。
2.ゴルフ用のインナーを着るメリット
以前はポロシャツを1枚着てプレーするのが普通でしたが、今は夏でも冬でもインナーを着用するのが一般的になってきています。なぜかというと、そのほうが心地よく安心だからです。そのメリットについて紹介します。
夏用は涼しくて快適
暑い時季にインナーを着ると余計に汗をかきそうなイメージがあるかもしれませんが、ゴルフ用インナーは逆に、快適なプレーをもたらします。清潔感を保つためにも、夏こそゴルフ用インナーの着用をおすすめします。
接触冷感素材なら、着用時の抵抗が少ない
接触冷感とは、さわるとヒンヤリ感じる生地のことです。特殊な特徴や仕組みを持っており、ふれると肌から生地へ瞬間的に熱が移動して冷たく感じます。接触冷感素材は夏物の衣類や寝具などさまざまなものに使われており、ミズノの「アイスタッチ」、アンダーアーマーの「UAアイソチル」など多くのゴルフ用インナーにも活用されています。
正直なところ、真夏にぴったりした長袖インナーを着るのは若干抵抗があるものですが、ヒンヤリ感が得られるとあれば、そのハードルが下がるでしょう。それも、メリットのひとつです。
UVカット機能のある素材で紫外線対策
紫外線はシミやシワの原因になるばかりか、疲労や熱中症のリスクにもつながります。そのため、腕や脚など露出している部分には日焼け止めを塗って対策をしていると思いますが、こまめな塗り直しが必要ですし塗り残しもあるでしょう。日焼け止めを塗り広げる際に手につくのが嫌、という人もいます。
しかし、UVカット機能のあるゴルフ用インナーなら、着るだけで日焼け対策が可能です。
普通のポロシャツは紫外線を通すため、背中など「服を着ていたのに日焼けした」ということが起こりますが、UVカット機能のあるゴルフ用インナーを着用すれば露出部分以外の日焼け対策も万全になります。
吸水速乾性が高く汗をかいてもサラサラなうえ、防臭効果も
吸汗速乾とは、汗を素早く吸収して乾燥させる性能のことです。吸水速乾性のある素材は、肌側には汗を吸収する機能を、外側には汗を放散する機能を備えており、サラサラした肌触りをキープするタイプが多くあります。
暑そうだからとゴルフ用インナーを着ないでいると、汗でじっとり濡れたポロシャツが肌に貼り付いた不快な状態でプレーすることになりますし、そのままクーラーのきいたクラブハウスに入ると汗が冷えて体を冷やしてしまいます。汗による素肌の透けの心配もあるでしょう。
また、最近は”スメハラ(スメルハラスメント)”なる用語がありますから、におい対策も必須です。いくら小綺麗な格好をしていても「汗臭い人」と思われたらイメージダウンは免れませんから、特に心配な日は防臭効果のあるインナーを選んで着ていくとビクビクしなくてすみます。清潔感を保つためにも、インナーは大切な存在です。
冬用は温かいけどムレ知らず
冬用のインナーは、冬ゴルフのマストアイテム。インナーなしでのゴルフはもう考えられないのではないでしょうか。それほどまで支持されているのは、やはり温かさ。中には2枚重ねて着用しているゴルファーもいるようです。
あったか機能を持つ素材が寒さから体を守る
冬向けのゴルフ用インナーには、保温性や防風効果の高い素材が用いられています。
繊維が汗などの水分を吸収すると発熱する吸湿発熱素材、繊維の内側に空気を含むため保温性の高い素材、冷たい風は通さないけれど湿気は通す防風透湿素材など、さまざまな機能素材があります。
ゴルフ用インナーはストレッチ力が高く、特に肩まわりの動きを邪魔しないようなつくりになっています。インナーの上にトップスやボトムス、さらにベストやブルゾンなどを重ね着する冬こそ、伸縮性や動きやすさも重要なポイントです。
薄着でプレーできるからスイングもNOストレス
冬ゴルフのウェア問題は、寒さだけでなく着ぶくれもそのひとつです。厚手の上着を着てモコモコの状態だと、動きにくくてスイングも思うようにいきません。
でも、最近のゴルフ用インナーは薄くてもしっかり温かいので、着ると着ないでは大違い。一見薄着のようでも実は完全防備、という出で立ちでコースに挑むことができます。
ロングタイツも薄手なので、パンツスタイルのシルエットに影響することがありません。ひと昔前の「股引」のような野暮ったさもないので、違和感なく着用することができるでしょう。
吸汗速乾素材が汗冷えを解消し風邪を予防
いくら真冬でも、動けば汗ばむもの。しかし、ゴルフは静止時間も多いスポーツなので、ずっと汗をかき続けているわけではありません。そのため、汗で濡れたウェアが乾かないまま過ごしていると、体が冷えてしまいます。その状態で北風にさらされたら、寒さから体調を崩すことにもなりかねません。
それを防ぐためにも、冬も吸汗速乾性を持ち合わせたインナーを着ることをおすすめします。インナーが汗を素早く吸収して乾燥させるので、汗冷えや不快なムレを解消してくれます。
コンプレッションインナーは筋肉の疲労を軽減
ゴルフ用インナーは肌に密着するものが基本ですが、さらに筋肉の動きをサポートするコンプレッション(着圧)タイプのものもあります。
コンプレッション(compression)とは圧縮、圧搾という意味で、コンプレッションインナーは着用時に体に圧をかけることで、さまざまなサポート効果をもたらす機能を持っています。着圧ソックスはその一例です。
筋肉の振動を抑える、姿勢を整える、疲労を軽減するといった効果が期待でき、その結果、よりよいパフォーマンスを発揮することにつながります。体が軽く締めつけられる感覚がヤル気のスイッチを入れてくれる、と感じる人もいるようです。
適切な着圧効果を得るためにはジャストサイズのものを着ることが大切ですが、着圧が強くてキツすぎると苦しく感じて集中できなかったり、血流が妨げられたりして逆効果になる場合があります。高額のものも多いので、慎重に選びましょう。
3.ゴルフ用インナーを着る際の3つの注意点
積極的に取り入れたいゴルフ用インナーですが、着用の際はちょっとだけ注意が必要です。これらを頭に入れておけば、安心して着ることができるはずです。
【1】季節に合ったインナーを着る
ゴルフ用インナーはオールシーズン対応のものもありますが、前述のように夏用のもの、冬用のものもあるので注意しましょう。「長袖だから冬用」と思い込んで着ていったら実は接触冷感素材を採用した夏用のインナーだった、というケースもたまに聞きます。
季節に合わせてインナーを上手に使い分けられると、より快適にプレーを楽しむことができます。ギアのひとつと考えて、揃えておくといいでしょう。
【2】ゴルフ場のドレスコードをチェック
半袖ポロシャツ+長袖のインナー、ハーフパンツ+ロングタイツというコーディネートは近年、夏場のゴルフ場でよく見かけるスタイルです。すっかり市民権を得たように感じますが、ゴルフ場によってはインナーを肌着とみなし、「肌着は見せるものではないので禁止」としているところがあります。
仮に長袖のポロシャツを着た場合でも、インナーがハイネックだと襟元から見えてしまうので、ご注意を。ドレスコードの厳しいゴルフ場に行く際は、丸首やVネックのゴルフ用インナーを選び、外から見えないようにしましょう。
ドレスコードをチェックして、不安な場合はゴルフ場に予め確認しておくと安心です。
【3】すぐに脱げないので、購入後は予め着用を
ゴルフ用インナーは、上着のようにその場でパッと脱いだり着たりができないもの。サイズが合わずキツすぎたり、暑くなりすぎたりしてもクラブハウスに戻るまで我慢するか、それまで待てない場合はコース内のトイレで脱ぐしかありません。
そうした事態にならないよう、ゴルフ用インナーは事前に着心地を試して、できれば長時間着用しておくといいでしょう。特にコンプレッションインナーはいきなりゴルフ場でデビューさせるのではなく、打ちっぱなしなどに着ていって“慣らし運転”しておくことをおすすめします。
4.ゴルフ用インナー選び方のポイント
ゴルフ用インナーは多種多様。さまざまな機能が搭載されており、かつ高価格帯であることが多いです。そこで、選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。
素材で選ぶ
夏に着るゴルフ用のインナーは、接触冷感、UVカット、吸汗速乾などの機能を備えたものを選びましょう。たいていのインナーにはそうした機能表示があるので、チェックしてみてください。
冬に着るゴルフ用のインナーは言わずもがな、保温性の高いものがおすすめです。繊維を毛羽立てた裏起毛のインナーは着た瞬間から温かいので、着替えの際のストレスも減るでしょう。風速が1メートル上がると体感温度は1度下がるといわれているので、防風機能のあるインナーだと北風の強い日も安心です。
ただし、汗によるムレは逆に体を冷やすことになるので、吸汗速乾性の高さもポイントです。
フィット感や着心地で選ぶ
ゴルフ用インナーは肌に密着し、隙間なく覆うような肌着ですから、フィット感はとても重要です。キツすぎると不快なうえ動きにくくなりますし、大きすぎると保温性などの機能を発揮できません。
インナー類の試着はほとんどの場合不可なので、面倒がらずに自分のボディサイズとインナーのサイズ表記をしっかりチェックしましょう。
スイングのたびにインナーの縫い目や洗濯表示タグがこすれてチクチクする、腕を振り上げると毎回裾がずり上がってお腹が見える、といったことも地味ながらストレスになります。肌着にこそ、心地よさがほしいもの。小さなことだと軽視せず、細部にまでこだわってください。
サポート力で選ぶ
プレーのパフォーマンスをより高めたいなら、コンプレッションタイプのインナーにトライするといいでしょう。ただし、サポート力はメーカーや種類によってさまざまです。テーピングレベルの高い効果がほしいのか、それとも着心地を重視するのがいいのかなど、求める機能によって選び方は変わります。
同じMサイズでも、メーカーによって大きさや着圧は異なるので、注意して選択することが大切です。メーカーによっては試着アプリ「バーチャサイズ」などで自分の体のサイズとインナーのサイズをWEB上で比較できるようになってきているので、ぜひ利用してみてください。
カラーやデザインで選ぶ
ゴルフ用インナーは、あくまでも肌着として重ね着を前提につくられているため、白やネイビー、ブラックなどのシンプルなものがほとんど。半袖ポロの下に着用しても主役であるポロシャツを邪魔しにくく、着回ししやすいデザインになっています。
ファッション的な遊び心は刺激されないかもしれませんが、前述のようにインナーを見せるスタイルをNGとするゴルフ場があることを考えれば、清潔感のある色遣いやデザインは真っ当と言えるのではないでしょうか。
カラーは白、及びネイビーやブラックの2色があれば、コーディネートの幅が広がるはずです。襟の形は、ハイネックだと日焼けや防寒対策に効果的ですが、首周りをスッキリ見せたいならVネックや丸首のものがおすすめです。
Q.ゴルフ専用でないインナーも代用できる?
A. 例えば、ユニクロやワークマンなどで安価で手に入る高機能インナーを、ゴルフで使用することもできます。
しかしその一方で、ゴルフ用に作られた専用インナーは高価格帯であるものの、プレーをより快適にするだけでなく、ほかの衣類と同様、上質な素材感があり、へたりにくいなどの特徴もあります。ご自身の予算に合わせて選ぶといいでしょう。
Q.化繊素材が肌に合わない人は?
A. 化繊素材が肌に合わない人は、綿100%やメリノウールなど天然素材を用いたインナーを選ぶことをおすすめします。
天然素材でも、さまざまな工夫により爽やかな着心地や温かさも追求した、高機能インナーがあるので、肌トラブルを避けつつ、快適さも得ることができます。
5.まとめ
屋外で楽しむゴルフというスポーツにとって、機能性に富んだインナーはもはや必需品。快適なラウンドを約束する、ギアのひとつです。
ただし、人によって暑さ寒さの感じ方は異なるので、このインナーを着ればいい、というものではありません。いろいろ試してみて、自分にとっての最適解を見つけられたら、心強い味方になるはずです。