ゴルフ距離計を使いこなそう!ルールに適合した選び方と使い方を解説
正確な距離を把握して打ったショットと、そうでないショットの精度の差は、歴然としています。そのため、ゴルフ距離計を適切に使いこなせれば、確実にスコアアップに近づいていくでしょう。ただし、ルールに適合していないと、ペナルティになる可能性も……。そこでこの記事では、プロとアマチュアの違い、最新の距離計の選び方と使い方を紹介します。レーザーとGPS、どちらが自分に向いているのかも明らかに。正確な距離感を手に入れて、ライバルに差をつけよう!
配信日時:2024年10月18日 09時12分
1.距離計とゴルフルール:知らないと損するルールのポイント
ゴルフの距離計は、「自分が立っている場所やボールの位置から目標までの距離を測る機器」のことです。距離計を使えば、目の錯覚に惑わされずに正確な距離を把握できます。
ラウンドのスコアメイクに直接役立つだけでなく、ピンや障害物までの距離を基にコースマネジメントのスキルを向上させることも期待できます。
このように距離計はとても便利なギアですが、一方で「使用はルール上問題ないのか?」という疑問や、「どう使うのがスマートなのか?」といったマナーも気になるところです。
距離計のルール変更:プロとアマチュアの違い
距離計の使用は、2019年のゴルフルール大幅改正で原則OKになりましたが、許されるのは2点間の距離を測る機能のみで、高低差や風向きなどの情報を表示するものは使用が禁止されています。
JGTO(日本ゴルフツアー機構)の試合では、基本的に距離計は使用不可ですが、一部の大会ではセルフプレー選手のみ使用が認められています。
しかし、ローカルルールによっては距離計の使用が制限される場合もあり、例えば、男子トーナメント「Sansan KBCオーガスタ」では、距離計の使用により失格者が出ました。当時のニュースはコチラ。
女子の場合、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の大会では2022年から全面解禁されましたが、JGA(日本ゴルフ協会)の大会では使用が禁止されており、違反するとペナルティや失格が課されます。
アマチュア競技の場合、基本的に距離計の使用は問題ありませんが、特定のモードには制限があるため、使用する前に確認が必要です。大会ごとに対応が異なるため、大会参加者はローカルルールを必ず確認することが重要です。
ゴルフルールに違反しないための注意点
ルール違反を防ぐためには、大会のローカルルールを事前に確認し、特に「内蔵されている機能」が許可されているかを確認することが重要です。高低差の計測や風向きの表示などは制限される場合があるため、基本的に「競技モード」を使用するとよいでしょう。
2.レーザー距離計:精度と操作性で選ぶならこれ!
距離計には大きく分けて「レーザー式」と「GPS式」がありますが、精度と操作性を重視するならレーザー距離計がおすすめです。より正確な情報が必要な上級者やプロには、特に最適といえるでしょう。
レーザー距離計の特徴と仕組み
レーザー距離計はライフルスコープ技術を応用したもので、レーザーがターゲットに当たって跳ね返るまでの時間で距離を測ります。ターゲットが目視できる必要があり、誤差は1ヤード前後とされています。
レーザー距離計のメリットとデメリット
レーザー距離計の最大のメリットは、距離測定の精度が高い点です。ピンまでの距離はもちろん、狙いたい障害物や避けたいバンカーまでの距離も正確に把握できるため、スコアアップに役立ちます。
しかし、測定したい対象との間に大きな木やブラインドホール、ドッグレッグがあると、計測が難しくなります。また、照準を合わせる必要があるため、雨や強風などの天候下では使いにくいこともあります。さらに、多機能な機器ほど価格も高くなる傾向があります。
レーザー距離計の基本的な使用方法
基本的には、以下のような手順で使用します。
(1) 電源を入れて、視度調整つまみで自分の視力に合わせる
(2) ヤード表示とメートル表示、高低差モードの切り替えなどを設定する
(3) ファインダーをのぞき、構える
(4) 計測ボタンを軽く押す
詳しい使い方は、各機器のマニュアルを確認してください。
レーザー距離計は屋外で測定することを想定しているため、距離が近すぎるものや、ガラス越しの物体の距離は測れないこともあります。使い方の練習をする際は外に出て、まずは大きな建物などまでの距離を測ってみましょう。
レーザー距離計の正しい使い方とコツ
慣れないうちは、レンズから目が離れやすいことがあります。特に眼鏡をかけている人やメイクをしている女性は、目がレンズから離れやすい傾向がありますので、意識して目をしっかりレンズに近づけるようにしましょう。そうすることで、ファインダー全体が大きく見え、計測がしやすくなります。
遠くのフラッグを計測する際は、手ブレに注意して構えましょう。利き手の人差し指を軽く計測ボタンに置き、反対の手で本体を支え、両ワキをしっかり締めると安定します。ボタンを押すときに力を入れすぎると手ブレの原因になるので、注意が必要です。
また、機器には多機能な製品が多いため、購入後はマニュアルに目を通しておきましょう。便利な機能がスコアアップに役立ちますが、操作に戸惑ったり、何度も計測し直したりするとスロープレーにつながることもあります。正しい使い方を事前に確認し、ある程度使い慣れておくことが大切です。
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3.GPS距離計:位置情報を活用した最新テクノロジー
位置情報を使ったGPS距離計には、腕時計型とアプリがあります。コース全体のレイアウトを知りたいときや、毎ホール距離を計測することが手間に感じる場合におすすめです。
GPS距離計の基本と仕組み
GPS距離計は、複数の人工衛星を使用してプレーヤーの位置を察知し、そこからターゲットまでの距離を自動で計測する機器です。自動車のナビと同様の仕組みで、あらかじめ登録された地図情報を元に距離を測ります。
メリットとデメリット
GPS距離計では、各ホールのマップを上空から見下ろす形で表示し、コース全体の把握ができます。目で確認できない場所までの距離も自動で計測されるため、ドッグレッグやアップヒルの激しい場所、林の中など、ブラインドホールではレーザー測定器よりも優れた点があります。
また、一度衛星を受信すれば、その後は自動で残り距離が表示されるため、何度も計測し直す必要がなく、手軽に使えます。
ただし、車やアプリのナビと同様に、多少の誤差が発生します。その差はおよそ3ヤード前後で、メーカーごとの実測方法やグリーンセンターの位置の違いが影響したり、感度が高すぎて山からの反射波を拾ってしまう場合もあります。
さらに、機器ごとにコースデータの精度が異なる点にも注意が必要です。直近のコース改修や、毎日変わるピンポジションが反映されていないこともあり、これが不便に感じられることもあります。
スマホアプリでGPS測定を利用する際は、充電の消耗にも注意が必要です。無料プランでは機能や最新のGPS画像に制限があるため、総合的な機能は期待できないかもしれません。
それでも、手軽に試せて、気に入らなければ別のアプリや機器にすぐ乗り換えられるのは大きなメリットといえるでしょう。
GPS距離計の使い方
まず、コースに出る前に時計のGPS機能を起動し、コースデータを同期します。多くの腕時計型GPS距離計には、世界中のゴルフコースが事前にインストールされているので、使用するコースを選びましょう。
コースに到着すると、時計は自動的にホールを認識します。ホールが始まるたびに、新しいホール情報が表示され、前方・中央・後方のグリーンまでの距離がリアルタイムで更新されます。
ショットごとの距離を測る機能もあり、自分の打った球がどれくらい飛んだかを簡単に確認できます。これを使うことで、クラブの飛距離を把握しやすくなり、より戦略的なプレーが可能です。
GPS距離計の攻略法
GPS距離計は、コースレイアウトや障害物までの距離も表示してくれるので、どこに打つべきか計算しやすくなります。特に、ドッグレッグや池などのハザードがあるホールでは、どの地点にボールを落とすかを事前に考え、無駄なショットを減らすことができるでしょう。
瞬時に距離がわかるため、適切なクラブを選びやすくなり、自分の得意な距離を把握してスコアメイクにつなげられます。機種によっては、おすすめのクラブを教えてくれる機能も備わっています。
さらに、GPS距離計には高低差を計算してくれるものもあります。上り坂や下り坂のショットでは、実際の距離に加え、打ち上げや打ち下ろしを考慮した距離が表示されるため、より正確なショットが可能です。
試合中に使用する際は、距離だけを測定する「競技モード」を使うのが一般的です。高低差や風向きなどを計算するモードは、試合では禁止されている場合があるので注意が必要です。
最後に、基本的なことですが、機器に内蔵された機能や操作方法には事前に慣れておくことが重要です。多機能な機器が多いため、必要なデータをすぐに表示できないとスロープレーの原因になります。機器ごとの操作方法や機能を把握するために、マニュアルをしっかり読み、一通りの機能を試しておくことが大切です。
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4.レーザー距離計 vs GPS距離計:どちらが自分に向いている?
レーザーとGPS、どちらの距離計がベストなのかは、悩ましい問題です。精度とスピード、使い勝手の違いがあるこの2つのデバイス、それぞれのメリット・デメリットを比較し、あなたのプレースタイルにぴったりの距離計を見つけましょう。
各タイプのメリット・デメリット比較一覧
各タイプにはそれぞれ以下のようなメリットとデメリットがあります。
タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
レーザー距離計 | ・ターゲット(ピンや特定の障害物)に対して非常に正確な距離が測れる。 ・高低差の情報を含むモデルもあり、正確なショットプランが可能。 ・どのコースでも使える。 | ・手ブレや障害物で測定困難な場合がある。 ・計測範囲内に対象物がないと距離が測れない。 ・天候や視界に影響を受けることがある。 |
GPS距離計 | ・グリーンまでの距離やコース全体のレイアウトがわかる。 ・自動的にホールを認識し、コース攻略の計画を立てやすい。 ・地形に関係なく使える。 | ・コースデータがないと使えない。 ・距離の正確性はレーザーに劣る場合がある。 ・高低差のデータは一般的に含まれない。 |
選ぶ際にチェックすべきポイント
距離計を選ぶ際は、まず「測りやすさ」「表示の見やすさ」「持ちやすさ」など、自分のプレースタイルに合わせて優先順位をつけることが大切です。コストパフォーマンスも重要な要素なので、価格に見合った機能が備わっているかをしっかりと考慮しましょう。
例えば、慣れていないコースをよくラウンドするなら、コース全体を把握できるGPS距離計がおすすめです。逆に、いつも決まったコースを回るなら、正確にピンまでの距離が測れるレーザー距離計や、シンプルなGPSウォッチでも十分です。
また、「いちいち計測したくない」という方は、常にグリーンまでの距離が表示されるGPS距離計が便利です。特にアップダウンの多いコースでは、スロープ機能つきのレーザー距離計が役立ちます。
もし予算に余裕があるなら、両方を購入して使い分けるのも賢い選択でしょう。例えば、コース全体のイメージをGPSでつかみ、アプローチショットでレーザーを使うなど、シーンに応じて使い分けることでベストな結果を引き出せます。
さらに、GPSを試してみたい方は、まず無料のGPSアプリを活用して、どんな機能が必要かを把握するのもよい方法です。
どちらかを選ぶ際には、可能な限り実機に触れて、以下のポイントを参考にしてみてください。
■使用シーンに合わせて選択する:精密な距離を知りたいならレーザー距離計、コース全体の攻略を視野に入れたいならGPS距離計がおすすめです。競技ゴルフや公式な場面では、ルールに従って選ぶ必要があります。
■距離の正確さ:レーザー距離計はピンや特定のターゲットに対して非常に精度が高いものの、手ブレが問題になる場合もあるため、安定した計測が必要です。一方でGPS距離計は距離の測定が速く、全体的なコースの攻略に適していますが、レーザーに比べると誤差があります。
■携帯性と利便性:どちらもコンパクトで持ち運びやすいものの、腕時計型のGPS距離計は特に携帯性が高く、プレー中に簡単にチェックできます。レーザー距離計はバッグに入れておく場合が多いので、少し時間がかかるかもしれません。
■使用するコース:GPS距離計は、事前にコースデータがインストールされている必要があります。新しいコースや地方のコースでは、コースデータがない場合もあるので、確認しておくことが重要です。一方、レーザー距離計はどのコースでも使えるため、データに依存しません。
5.まとめ
距離計を正しく使いこなすことで、あなたのゴルフは確実にレベルアップします。ルールを守りながら、レーザーやGPSのメリットを最大限に活用して、次のラウンドでその効果を実感してみましょう。自分に合った距離計を手に入れて、精度と戦略でプレーを進化させてください。