ゴルフのワッグルとは? ワッグルの基本とその重要性を解説
「スイングに入るタイミングがわからない」「違和感があってスムーズに動き出せない」そんな悩みを抱えていませんか? ワッグルは気持ちよくスイングするための準備動作です。取り入れる際の注意点を確認して、さまざまなワッグルを一度試してみましょう。もしかしたらスイングの悩みが解消されるかもしれません。
配信日時:2024年6月12日 07時27分
1.ゴルフのワッグルは「スイングの準備動作」のこと
ワッグル(waggle)とは、英語で「絶えず左右に揺れ動く」というような意味です。ゴルフでは、アドレス時に行う「スイングの準備動作」を指します。
ゴルフのワッグルに決まった型はなく、スイング前にヘッドを動かしたり、左右の足を軽く踏み変えたりするなど、個人によってさまざまなやり方があります。
ワッグルはスイング前の準備動作であるものの、ゴルファーのルーティンに組み込まれているため、「スイングの一部」といえるほど重要な役割を担っているとも考えられています。
2.ワッグルの目的とメリット
ワッグルの主な目的は、リラックスしてスイング時の力みを取るためとされていますが、そのメリットはさらに多岐に渡ります。ワッグルには主に次のような効果が期待できます。
メリット1:スムーズにスイング動作に入れる
ゴルフは野球などと違って、飛んでくる球を打つ反射的な運動ではありません。止まっているボールを打つ際、「静」から「動」へとスムーズに動き出すきっかけとして、ワッグルは有効だとされています。
例えば、2024年の全米女子オープンで大会2勝目(初優勝は2021年)をはたした笹生優花は、「ゴルフは(一点に)集中しすぎてはダメ。ゴルフは球が動いていないから、自分が動かないとならないのに、自分が固まってしまってはダメ。動いていた方が(球に)当たる」と、ALBA TVの番組「【笹生優花】飛ばしの秘訣、全部教えます!」で語っています。
メリット2:スイングの最終確認ができる
ワッグルによって、体やフェースの向き、重心などの最終確認ができます。
例えば、浅くテークバックするワッグルでは、バックスイングの注意点(フェースの向き、クラブを振り上げる方向など)をおさらいできるほか、体を軽く動かすワッグルでは、力みを取り除くだけでなく、重心位置のチェックなどにも有効で、スイングに入るための体勢を整えることができます。違和感があればこのタイミングで微調整することもできるでしょう。
3.自分に合ったワッグルのやり方を探そう
ワッグルにはさまざまな効果があるとされますが、プロがやっているからといって、そっくりそのままにマネすべきものではありません。まずは練習場などで試してみて、効果が期待できそうなら、必要に応じて取り入れるといいでしょう。
今回紹介するのは、以下4種類のワッグルです。
【1】クラブを縦方向や横方向に動かす
【2】上半身を上下させる
【3】左右に体重移動をする
【4】ゆったりと浅めにテークバックする
ワッグルのやり方【1】:クラブを縦方向や横方向に動かす
クラブを縦方向や横方向に動かすワッグルは、主に手首の緊張を取ったり、クラブの重心・感覚の確認と微調整をする目的で行います。
具体的にはヘッドを地面に軽くポンポン叩いたり、軽く数回後方に動かすほか、手首を軽くひねるといった動作です。
ワッグルのやり方【2】:上半身を上下させる
お辞儀の要領で上半身を上下させるワッグルは、重心が前後に傾きがちな人に有効とされます。
ポイントは、上半身とグリップの距離は変えずに、上半身の角度を変えるようにして数回上下させること。体が前後に揺られることで、正しい重心位置を感じ取れます。
ワッグルのやり方【3】:足をパタパタさせ左右に体重移動する
足を左右に体重移動するワッグルでは、体全体の力みを取り、重心を意識できる効果が期待できます。
パタパタと軽く足踏みしたり、足は接地したまま軽く体を左右に揺すったりすることで、無駄な力みが取れると同時に適正な重心位置を探れます。
ワッグルのやり方【4】:ゆったりと浅めにテークバックする
テークバックで注意するポイントがある場合には、後方に軽くクラブを引く動作をすると、リラックスしてインパクトまでの動きを確認できます。
具体的にはスイングと同じ軌道に沿って、テークバックの方向に軽くクラブを動かします。振りかぶるのではなく、あくまで軽く引く程度の動きです。
人気プロゴルファーたちのワッグル
さて、人気プロゴルファーたちは、どんなワッグルを取り入れているのでしょうか。ここ一年くらい(2024年現在)のルーティンから見た主なプロゴルファーのワッグルをまとめました。
■タイガー・ウッズ:軽く体重移動+手首をひねるような動き
■スコッティ・シェフラー:足パタパタ+1~2回手首の動きでヘッドを持ち上げる
■ローリー・マキロイ:何度か足パタパタ
■ジョン・ラーム:足パタパタ+何度かゆらゆらとクラブヘッドを動かす
■リッキー・ファウラー:足パタパタ+何度か後方にヘッドを引いてボールの位置で止める動き
■ネリー・コルダ:足パタパタ+後方にヘッドを引いてボール位置で止める動き1回
■松山秀樹:軽く体重移動+手首を使ってヘッドを軽く浮かせ、わずかに左右に振る動き
状況によりワッグルの動作や回数に多少の違いはありますが、どのプロもササッと素早く済ませている印象です。
また、足をパタパタさせる動きは多くのプロが行っているので、一度は試してみる価値があるかもしれません。
4.ワッグルを取り入れる際の注意点
スイングの準備動作として有効とされるワッグルですが、取り入れる際には注意すべき点があります。
まずは、ゆったりとしたリズムで行うこと。スイングのリズムを崩さないように、リラックスして行うことが重要です。速すぎるとテンポが狂い、体にもかえって力が入ってしまうかもしれません。
次に、スロープレーにつながらないようにすることです。回数としては3~5回程度を目安として、手早く行うとよいでしょう。ワッグルが長すぎると打つタイミングを見失ってしまったり、同伴者に対してのマナー違反にもなってしまいます。
ワッグルは止めどきがわからくなり過度に繰り返す病的なクセや、イップスにつながってしまう可能性も考えられます。自分にとって違和感のない最小限の回数を、ルーティンとして決めてもよいかもしれません。
5.まとめ
ゴルフのワッグルはスイングの準備動作ですが、決まった動きはありません。必ずしなければならないものではありませんが、スイングに入るタイミングなどに悩んでいるなら一度取り入れてみてもいいでしょう。
まずはリラックスして気持ちよくスイングに入れるワッグルを、さまざまな動きの中から自由に試してください。