ゴルフ肘の原因と対策は? 痛~い思いをしたくないなら、日々のセフルケアを!
ゴルファーに多いことから、名付けられた肘のスポーツ障害「ゴルフ肘」。軽症の場合は数日ほど休ませれば回復しますが、症状を無視して無理を強いると痛みが続き、当然スコアも悪化。もっとひどくなると、手術が必要になるケースもあります。特に、ダフりがちなゴルファーや練習熱心なゴルファーは肘に負担をかけやすいので、注意が必要です。いくらゴルフが好きでも、ゴルフができなくなるほど肘を酷使するのでは本末転倒と言うもの。そこで、ゴルフ肘とはどういうものなのか、どんな動きが原因となるか、さらに肘の簡単セルフケアについて紹介します。
配信日時:2024年10月10日 04時20分
ゴルファーに多いことから、名付けられた肘のスポーツ障害「ゴルフ肘」。軽症の場合は数日ほど休ませれば回復しますが、症状を無視して無理を強いると痛みが続き、当然スコアも悪化。もっとひどくなると、手術が必要になるケースもあります。特に、ダフりがちなゴルファーや練習熱心なゴルファーは肘に負担をかけやすいので、注意が必要です。いくらゴルフが好きでも、ゴルフができなくなるほど肘を酷使するのでは本末転倒と言うもの。そこで、ゴルフ肘とはどういうものなのか、どんな動きが原因となるか、さらに肘の簡単セルフケアについて紹介します。
1.ゴルフ肘とは
ゴルフ肘(ゴルファーズ・エルボー)とは、手首や肘の使いすぎによって発症するスポーツ障害で、正しくは「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつ ないそくじょうかえん)」と言います。
肘の内側にある腱(内側上顆)に過度の負担がかかって炎症が起こり、肘や前腕の内側に痛みが出ます。
肘のスポーツ障害といえば、テニス肘もよく知られています。テニス肘は「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつ がいそくじょうかえん)」で、一般的には肘の外側から前腕にかけて痛みが現れるものです。
近年は、「スマホ肘」も問題になっています。スマホ肘は、長時間に及ぶスマホやパソコンの作業によってゴルフ肘、またはテニス肘と同じような症状が出るものです。
特に最近のスマホは大きくて重さもあるため、手首で支えるだけでも肘に負担がかかります。さらに、親指でクリックやスワイプなどの操作を繰り返すことで、肘への負荷が増してしまうのです。スマホは片手ではなく、両手で持つだけでも肘への負担が減るので、ぜひ意識してみてください。
いずれも、初めは肘に軽い違和感を覚える程度なのですが、徐々に痛みが出てきます。しかし、「少し休めば痛みが引く」「まだ病院に行くまでもない」とだましだまし使い続けると、慢性化していきます。ひどくなると、ゴルフどころか日常生活にも支障をきたし、大変です。腱は加齢とともに老化していきますから、一層治りづらくなるのです。
実際、肘のトラブルを経験してきたプロゴルファーは多く、テーピングをしたり、肘に負担をかけにくいスイングに改造したり、最終的には手術やリハビリを受けたりして対処しています。
ゴルフ肘はゴルファーの職業病ともいえるケガだからこそ、痛みなど気になる症状は軽視せず、ちゃんとケアすることが大切です。特に、現代のゴルファーは肘のトラブルと隣り合わせですから、十分な注意が求められます。
2.肘への負担大! ゴルフ肘の原因
ゴルフ肘は同じ動作を繰り返し行うことが主な原因ですが、肘に負担をかけやすい動きやスイングもあります。思い当たる人はゴルフスクールのコーチなどに相談し、スイングの改善を図ることも大切です。
ウォーミングアップをしない
なんにせよ、準備運動をせずいきなりプレーするのは言語道断。特に、日頃スマホやパソコンを長時間使っているゴルファーはすでに肘に負担がかかっている状態ですから、ウォーミングアップなしで朝イチのティショットを思い切り打つことは、まさに危険行為と言えます。肘だけでなく、肩や腰を傷める原因にもなります。
プレー前は手首や腕、肩を回したり、軽いストレッチをしたりして血流を促し、柔軟性を高めておきましょう。筋肉や腱に対する負担が減り、スイングもスムーズになります。
両腕のリキみ、強すぎるグリップ
グリップを力の限りギュッと握り、肘を真っすぐ伸ばして腕を突っ張りながらショット……そんなリキみのあるスイングは飛ばないばかりかミスを誘発し、さらには打つたびに肘や関節へ大きな負担をかけてしまいます。
クラブをボールに当てようとするあまり、つい力が入りすぎてしまう初心者は要注意です。
手打ち
スイングの際、体の回転ではなく、手や手首の力だけで打とうとする手打ち。過度な手打ちは上達を妨げるうえ、ゴルファーの肘にとっても大敵です。リキみ同様、肘関節に過度の負荷をかけてしまいます。
手打ちはそう簡単になおらないので厄介ですが、ゴルフ肘の予防や症状を軽減するには、ボディターンによるスイングを習得することが重要です。いくら肘の痛みが引いても、原因となる動きをやめない限り肘に対する負担はどんどん蓄積されていってしまうのです。
ダフり
ダフって思い切り地面を叩いてしまった時、その衝撃はモロに肘にかかります。肘は痛いわ飛ばないわ恥ずかしいわで、まさに泣きっ面に蜂の状況です。ダフる原因は何なのかを見極め、矯正することがゴルフ肘予防の第一歩となります。
練習のしすぎ
ゴルフ肘は、手首や肘を使いすぎることが要因のひとつ。しかも、手打ちなど肘に負担がかかるスイングなのに、「打ちっぱなしで何百球も打った!」というような練習法を続けることは、肘にとって“いい迷惑”です。何事もやり過ぎは禁物です。
たくさん練習をしたあとやラウンド後は後述する肘のケアをして、しっかりいたわることも大切です。
加齢
年齢を重ねるに従い、筋力が低下して柔軟性が衰えるのは仕方ないこと。肘も同様、若い時と同じ調子とはいきません。だからこそ、無理をしないことが大切です。症状がひどくなると回復に時間がかかり、ゴルフができない時間も必然的に長くなってしまいます。
3.自分でできるゴルフ肘対策
ゴルフ肘は、ひどくなる前なら簡単なセルフケアが有効です。プレー後や練習後、使用したクラブを拭いて手入れをするように、頑張った肘もちゃんとケアをしましょう。長くゴルフを楽しむためにも、日々の心がけが重要なのです。
安静にする
プレー中などに肘に痛みや違和感を覚えたら、まずは「気のせいだ」などと思わないことが肝心です。それは、肘から送られたSOSのサインだととらえ、十分休ませるようにしましょう。
痛みが軽いからといって無理をしたり、「なんのこれしき、根性だ!」とさらなる負担を強いるような練習をしたりすることは、絶対NG。ひどくなってからでは後悔先に立たず、ゴルフどころではなくなる場合もあります。
まずは安静にして、痛みが引くのを待ちましょう。ただし、痛みが続くようなら病院へ行くことをおすすめします。
肘のストレッチをする
プレーや練習のあとは、次に紹介するケア方法で疲れた肘をいたわってあげましょう。
手首を伸ばすだけでもいいのですが、肘をひねる動きを加えるとより効果的です。ゴルフや練習の前後、スマホやパソコン作業の合間などにぜひやってみてください。
ゴルフ肘のストレッチ
1.手のヒラを上にして腕を真っすぐ前に伸ばす
2.片方の手で指先をつかみ、手のヒラを下方(手の甲側)に押し下げる
3.余力があれば、その状態のまま肘だけを内側にひねり20~30秒キープ
スマホ肘(テニス肘)のストレッチ
1.手の甲を上にして腕を真っすぐ前に伸ばす
2.手をグーにしてしっかり握り、下方(手のヒラ側)に倒したら、片方の手を添えて固定する
3.肘だけを外側にひねり、20~30秒キープ。この時、手首はなるべく動かさないのがポイント
アイシングやテーピング
プレーや練習後、肘に痛みを感じるようなら、アイシングで患部を冷やすことも効果的です。アイシングは炎症による熱を冷まし、痛みや腫れを抑える効果が期待できます。やり方は、ビニール袋に氷を入れて患部を15~20分冷やすだけ。
できるだけ早く行うのがポイントです。夏ゴルフのお役立ちアイテムとして「氷のう」を持っている人は、ぜひアイシングに活用してみてください。
テーピングも、ゴルフ肘の予防や応急処置、痛みの軽減に有効です。テーピングメーカーのHPなどには肘のサポートに効果的な貼り方などが公開されているので、ぜひチェックして取り入れてみてください。
4.まとめ
ゴルフ肘は一度なると治りにくいため、「まだ、そこまでの痛みではないから」と、我慢している人は少なくないと思います。しかし、たかがゴルフ肘と侮ってはいけません。悪化すると痛くてツラいだけでなく、通院のための時間もお金もかかります。その間、ゴルフができないストレスも感じるでしょう。
また、肘の痛みはゴルフ肘以外のケガや病気が原因になっている場合もあるので、早めに病院で診断を受けるようにしてください。ゴルフギアで最も重要なのは、自分の体なのです。