ゴルフ場の行き帰りの服装はゴルフウェアじゃダメ? コースのドレスコードについて考えてみた
ドレスコードはプレー中だけでOK? 着替えにも注意が必要だから、ギリギリ狙いは馬鹿を見る? 四六時中ゴルフ漬けのロマン派ゴルフ作家が語る。
配信日時:2024年7月26日 02時15分
「お客様。申し訳ありませんが、そのような服装は私どものコースではドレスコード違反となります」。一見すると紳士に見える中高年男性が、若作り丸出しのTシャツにジャケットという服装でフロントで精算しているときの出来事。すぐにクラブハウスから出るか、とどまるのであれば着替えて欲しいと、やさしくだが、かなり強めに支配人に注意されていたそうです。
これは、ドレスコードはプレー中だけ、という誤解が不幸の元凶になった一例。カッコイイと思って着替えて、自爆したというわけです。厳しいドレスコードで有名な某ゴルフコースでは、レストランでのジャケット着用がマスト。
前半終了後、ロッカーでジャケットを羽織ってからレストランに行き、後半スタート前に再びロッカーに行ってジャケットを戻すというかなり面倒臭い段取りを儀式のように行っています。
総理大臣でも超有名企業のトップでも、みんな粛々と決まりを守ります。それがピンとした空気になって、そのゴルフコース独特の雰囲気を作っています。
ドレスコードは本来、社交場であるクラブハウス内のために作られたもの。プレー中のドレスコードはオマケのようなものです。ゴルフコースの敷地に入る瞬間から始まって、敷地から出るまでがドレスコードの有効範囲。
「面倒臭いから、帰りの服装もゴルフウェアにするのがオススメだよ」と指導する先輩もいます。確かに安全で、何かあったときには予備の着替えにもなるので一石二鳥というプラスもあります。ゴルフウェア二刀流です。
しかし、ゴルフウェアはゴルフをするときに限定したい、街中をゴルフウェアで歩くのは嫌です、という人たちもいます。ロッカーで着替えて、プレー中と行き帰りの服装を変えるのもオシャレなゴルファーには楽しみの一部なのです。
その際に、自分の好きな服装がドレスコード違反にならないか、というチェックを事前にするようにしましょう。それは、余計なトラブルを防ぐ基本の基本だからです。高級なフレンチレストランもドレスコードがありますので、それを参考にして服装を決めるのがオススメ。
帰りにそのレストランで食事の予約を取っているつもりになって考えれば、案外と簡単に決められるはずです。
昭和の時代には面倒な説明なしに「スーツを着れば良し!」というハウツーがありました。ドレスコードが厳しいコースに行くと、必ず場違いなスーツ姿でウロウロしている人たちがいたものです。
どんな理由があってもドレスコード違反は認められません。ギリギリに挑戦して、失敗すれば迷惑な人というレッテルを貼られて、オシャレ以前の話になってしまうのでやめた方が正解です。
冒頭で注意されていた紳士の話も、そういう恥ずかしい大人がいた、という笑い話として披露されていたもの。実力もないのにOB越えのショートカットを狙い、時間をかけて結局OBを打って大叩きする人は、ゴルフ下手な例として軽蔑されますが、ドレスコードを無視したオシャレも、全く同じように軽蔑されてしまうのです。
文・篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験しゴルフと恋愛のために生きると決意。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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