ラウンド中、打つ前に深呼吸3回 たったこれだけで免疫力がグンと上がる【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】
自律神経のバランスが整うと免疫力が高まるという。それには早寝早起き、適度な運動など生活習慣が大切だから、ゴルフはコロナ感染予防にも最適といっていいだろう。順天堂大学医学部の小林弘幸教授に、免疫力をさらに高めるラウンドの方法をお聞きした。
配信日時:2023年5月9日 22時30分
新型コロナウイルスが猛威を奮ってからというもの、感染予防の観点から免疫力が注目されています。ゴルフをする皆さんなら、積極的にラウンドをして免疫力の低下を防ぐのも妙案です。というのも、コースに出ること自体が免疫力を高める行動につながりやすいからです。
個人差はあると思いますが、この数年で多くの人が生活リズムを崩してしまいました。運動不足や暴飲暴食、昼夜逆転などから自律神経は乱れ、免疫力も低下しているようです。
■ゴルフをきっかけに体内時計をリセット
このようなときでも、ゴルフに行けば規則正しく健康的な一日を過ごすはずです。例えば早起きをする、水分を取って体を動かす、普段より早い時間に夕飯や入浴を済ませる……な
どです。心地よい疲労によって寝つきもよく、翌朝はすっきり目覚めると思います。
月1回でも、ラウンドをきっかけに体内時計をリセットすることができるのです。その生活リズムをできるだけ維持し、多少乱れても次のゴルフでまたリセットしましょう。その繰り返しで自律神経のバランスが整い、免疫力もついていきます。
■スコア✕3回の深呼吸で50分の効果
さらに自律神経をコントロールして免疫力を上げるには、呼吸を意識してコースを回るのがオススメです。どうするかというと、一打一打、できれば打つ前に3回深呼吸をするのです。これを毎ショット行うと、例えばスコア90で回る人なら深呼吸のトータル回数は270回。深呼吸を約50分したのと同じです。
ラウンドの合間に行うからこそ、これだけ回数を重ねることができます。深呼吸のやり方は、以前お話しした「1対2の呼吸法」を思い出してください。鼻から4秒間息を吸ったら、倍の8秒かけて口から息を吐くのがポイント。
深い呼吸は脳や細胞に酸素と血流を行き渡らせます。全身の細胞も活発になるので交感神経のバランスが整い、免疫力が高まるのです。
深呼吸をするタイミングは、先ほどいったようにショット前、自分の打順を待つ間に決めると行いやすいと思います。ただ、プレーの進行を妨げないよう注意してください。場合によってはカートの後部座席に乗っているときに済ませたり、グリーンに上がったときに済ませたり、打順や状況を見て行いましょう。
大切なのは、早めに、忘れず、回数を重ねることです。呼吸はタダです。お金や時間をかけなくても自律神経を整え、免疫力を高めることができるのです。せっかくコースへ出るなら打つたび3回深呼吸をし、多くの方にゴルフで健康になっていただきたいと願っています。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。