【2023年ゴルフルール改正】後方線上の救済エリアが「どの方向にも1クラブレングス」に広がった
2023年の改正されたルールの中で、プレーヤーが頻繁に出くわす可能性が高いであろう、後方線上の救済。この記事では、池などのペナルティーエリアにボールを入れてしまったときの正しい救済方法について解説する。
配信日時:2023年3月24日 08時53分
1.後方線上の救済を受けるときのエリアが変更
2023年の改正により、ペナルティーエリアからの救済やアンプレヤブルの救済などの選択肢である「後方線上の救済」を受ける場合のエリアが、基準線上にボールをドロップした地点を基点として、どの方向にも1クラブレングスの範囲に変更となった。
2019年規則では、「基点よりホールに近づいてはならない」と定められていたため、ドロップしたボールが前に転がるとやり直しになっていた。しかし、今回の改正によって基点より前に転がったとしても1クラブレングス内であれば、プレーできるようになったのだ。
また、以前はニアレストポイントを決めた上で救済エリアにドロップだったが、2023年からはボールが落ちた地点が基点となる。そのため、後方線上にからずれてドロップしてしまうと違反になるため注意しよう。
2.ペナルティーエリア内の3つの救済方法
池やコースの定めたペナルティーエリアにボールがあった、または事実上確実に入った場合、プレーヤーは1打の罰を受けることで以下の3つのいずれかの救済を受けられると、「規則17.1d ペナルティーエリアの球に対する救済」で定められている。
- ・ストロークと距離の救済
- ・後方線上の救済
- ・ラテラル救済(レッドペナルティーエリアのみ)
ストロークと距離の救済
ストロークと距離の救済とは、プレーヤーが直前のストロークを行った場所から、元のボールか別のボールを使って、次のストロークを行う救済方法。直前のストロークを行った場所によって多少救済方法が異なるため、以下を確認しよう。
- 【ティーイングエリアの場合】
- ティーイングエリア(ティアップ可)内からプレーする
- 【ジェネラルエリア、ペナルティーエリア、バンカーの場合】
- 直前のストローク場所を基点とし、1クラブレングス以内(基点と同じコース内、基点より前に出てはいけない)にドロップしてプレーする
- 【パッティンググリーン】
- 直前のストロークを行った場所にボールをプレースしてプレーする。
後方線上の救済
後方線上の救済とは、下図のバツ印の(元のボールがペナルティーエリアの縁を横切った)地点とホールを結んだ後方線上のペナルティーエリア外にドロップする救済方法。
基準線上にボールをドロップしたときの最初の着地点が基点となり、どの方向にも1クラブレングス以内が救済エリアとなる。ただし、バツ印よりも近づいてはならない。
また、後方の距離に制限はないため、フェアウェイなどどのコースエリアにもドロップできる。しかし、ボールが最初に触れた地点と同じコースエリア内でなければならないため、例えばフェアウェイに落としたボールがバンカーに転がってしまった場合は再度ドロップする必要がある。
ラテラル救済(レッドペナルティーエリアのみ)
ラテラル救済とは、レッドペナルティーエリアにボールが入った際に、下図のバツ印からホールに近づかないよう、2クラブレングス以内にドロップする救済方法。
ラテラル救済の場合、「どの方向にも」とは記載されておらず、ドロップしたボールが基点より前になれば再度ドロップする必要がある。また、2クラブレングス以内に複数のコースエリアがある場合、最初に触れたエリアと同じところに止まらなければならない。例えば、2クラブレングス以内にフェアウェイ(ジェネラルエリア)とバンカーがある場合、フェアウェイにドロップしたボールがバンカーまで転がってしまうと再度ドロップする必要があるのだ。
3.まとめ
ペナルティーエリアにボールが入った際、後方線上の救済を受ける場合の救済エリアが2023年から広がった。今まではボールが着地した地点よりも前に転がってしまった場合はやり直しを求められていた。しかし、今回の改正により「どの方向にも1クラブレングス」となり、スムーズに救済処置を完了できるようになったのだ。アマチュアが遭遇する機会の多いペナルティーエリアの救済。競技をやる方でなくとも、ぜひ覚えてほしい。