皮膚がん、白内障、免疫低下…ゴルファーに迫る紫外線の恐怖!「日焼けに無関心でいると危険です」
日焼けが気になる季節到来。だが「今さら日焼けを防いだところで……」と、無防備なのでは? 紫外線は老け顔を招くだけでなく、皮膚がんや白内障など、将来の健康も左右する。どうすれば紫外線ダメージを抑えられるのか、専門家に聞いた。
配信日時:2024年6月25日 02時15分
紫外線ケアの重要性がうたわれる昨今。「今さら変わらない」とそっぽを向いていないだろうか。だが、オーストラリアの研究グループが行った調査(※)で、「月1回以上ゴルフしている人の4人に1人は皮膚がんになる」なんて結果が出たと聞けば、心穏やかではいられない。紫外線を浴びると、本当に皮膚がんになるのだろうか?(※BMJ Open Sport Exerc Med. 2023 Jul 20;9(3):e001597.doi: 10.1136/bmjsem-2023-001597.eCollection 2023)
「たばこを吸ったら即肺がんになるわけではありませんが、リスクは上がります。同じく、紫外線を浴びる機会が多ければ皮膚がんになりやすくなります」と、教えてくれた山手クリニックの津田淳子先生。他にはどんな健康被害があるのだろう。
「肌を老化させますし、頭皮が傷めば抜け毛が進行しやすくなります。また、紫外線を浴びると、体内に活性酸素が大量に発生するのも問題。疲れや免疫低下につながります。目に浴びれば白内障や翼状片にもなりやすくなります」
ラウンドの後半バテる、毎年夏カゼをひくという人は、紫外線のダメージが原因かもしれない。紫外線ケアをする意味は、見た目だけじゃない。スコアアップやゴルフ寿命延長のためにも必須なのだ。
では紫外線対策を怠ると、具体的にどんな健康リスクがあるのかを知っておこう。まずは知ることで、紫外線対策を意識し始めて欲しい。
●抜け毛
髪の毛が紫外線を浴びると、痛んでパサつき細くなる。また地肌が乾燥すると、抜け毛が増える。薄毛で地肌が露出しているほど、影響は大きい。
●免疫力低下
細菌やウイルス、化学物質など外部からの異物を察知し、排除するように働く役割を持つ皮膚のランゲルハンス細胞の機能が低下するため、免疫力が落ちる。
●白内障・翼状片
白内障はUV-Bが水晶体内のタンパク質を変性させるのが原因。翼状片は紫外線で角膜に傷つくことで生じる。
●しみ・しわ
紫外線を浴びると、メラニンが多く生成されてしみができたり、皮膚の弾力を保つコラーゲンが破壊されてしわやたるみができる。
●疲労
紫外線を浴びると疲れを感じやすい。ケアせずに紫外線を浴び続ければ、疲労が慢性化するリスクも。
●皮膚がん
紫外線をたくさん浴びると、皮膚の細胞の遺伝子に大量の傷がつく。修復が正しく行われないと異常な遺伝子を持った細胞が増殖する。
これらの健康被害を抑える紫外線ケアの最も身近な方法は、日焼け止めを塗ること。そして傘や帽子などで紫外線を直接浴びないようにすることだ。
教えてくれたのは津田淳子先生
つだ・じゅんこ/山手クリニック、国立スポーツ科学センター非常勤。皮膚科専門医。日本体育協会認定スポーツドクター。同クリニックは整形外科が主体。「日常生活は問題ないがゴルフのときに痛む」というお悩みに応えるゴルフスポーツ外来も開設している。
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