「池ポチャ」ルール図解! 知っておきたいペナルティの処置と数え方【2024年版】
「池ポチャ」は、未経験者でも耳にしたことのあるゴルフのミスの一つです。腕前に関わらず誰でもやってしまう可能性があり、風の強い日などは全プレーヤーが心配になるのではないでしょうか。その心配の中には、「ルールがよくわからない」という不安もあるかもしれません。そこで今回の記事では、池ポチャの最新のルールをまとめました。図解や表を使ってわかりやすく説明していますので、しっかり覚えて、正しくそして有利にプレーを楽しみましょう。
配信日時:2024年5月29日 01時02分
1.「池ポチャ」はペナルティエリアにボールが入ること
「池ポチャ」は言葉通りボールが池に落ちてしまうことの俗称ですが、正式にはペナルティエリアにボールが入ることです。2018年以前はウォーターハザードといい、今でもそう呼ぶ人もいるかもしれません。
ペナルティエリアとは?
ペナルティエリアは赤(レッドペナルティエリア)か黄色(イエローペナルティエリア)の杭や線で示されます。ボールを探しづらく、見つけても打てないプレー続行困難な区域という意味です。
具体的には、池だけでなく海や川、溝、排水路といったすべての水域が含まれますが、そのエリア内に水があるかどうかは関係ありません。また、水域以外の岩場や崖、ブッシュ、森などもペナルティエリアに設定することができます。
なお、ボールの一部でも指定区域にあれば、「ペナルティエリアにある状態」とされます。(規則17.1a)
・球の一部がペナルティーエリアの縁の内側の地面、または他の物(例えば、自然物や人工物)の上にある、または触れている。
・球の一部がペナルティーエリアの縁や、ペナルティーエリアの他の部分の上方にある。
2.池ポチャの処置
池ポチャしてしまったことが確実なときは、まず池に何色の杭が立っているかを確認しましょう。赤と黄で受けられる救済が変わります。
池ポチャの数え方は「救済を受けたら1打罰」
イエローペナルティとレッドペナルティの2種類がありますが、どちらも「救済を受けたら1打罰」です。
ただし大前提として、池ポチャをしても打てそうなら無罰で打てます。2019年のルール改正でソールできるようになったので、ペナルティエリア内の地面や水面にクラブが触れても罰打は問題ありません。
打てない場合は以下の3種類の救済を受けられます。(規則17.1d)
・ストロークと距離の救済
・後方線上の救済
・ラテラル救済(レッドペナルティエリアのみ)
確実に池ポチャしたとわからない場合の対処法
ボールが池(ペナルティエリア)以外の場所で紛失の可能性がある場合は、すみやかに暫定球を打ちます。そのあともボールが見つからず、池(ペナルティエリア)以外のエリアで紛失したことが確実なときは暫定球でプレーを続けます。この場合、1打罰でカウントしましょう。
見つかった場合は、例え暫定球がよいショットだったとしても、元のボールでプレーを続けるのがルールです。そのまま打てそうなら無罰でプレー続行、打てない場合は1打罰で救済を受けます。
池ポチャ:イエローペナルティエリア(黄杭)の処置
イエローペナルティエリアの救済エリアは2種類で、どちらも1打罰が与えられます。
救済内容 | 処置 |
---|---|
1.ストロークと距離の救済 | 元の位置に戻って打ち直す |
2.後方線上の救済 | イエローペナルティエリアの縁を最後に横切った地点とホールを結んだ後方線上(距離の制限なし)にドロップ(ボールが最初に地面に触れた箇所から、方向に関係なく1クラブレングス以内に止まれば完了) |
ただし1の場合は、直前にどこから打ったかによって、以下の通り救済エリアが異なります。(規則14.6)
直前のストロークの場所 | 救済エリア |
---|---|
ティイングエリア | そのティイングエリア内全て |
ジェネラルエリア、バンカー、ペナルティエリア | 直前に打った箇所を基点に1クラブレングス以内かつホールに近づかない場所にドロップ |
パッティンググリーン | 元の箇所にリプレース |
池ポチャ:レッドペナルティエリア(赤杭)の処置
レッドペナルティエリアでは特別な救済エリアが1つ増え、以下の3種類の救済が受けられます。全て1打罰です。
救済内容 | 処置 |
---|---|
1.ストロークと距離の救済 | 元の位置に戻って打ち直す |
2.後方線上の救済 | レッドペナルティエリアの縁を最後に横切った地点とホールを結んだ後方線上(距離の制限なし)にドロップ(ボールが最初に地面に触れた箇所から、方向に関係なく1クラブレングス以内に止まれば完了) |
3.ラテラル救済 | レッドペナルティエリアの縁を最後に横切った地点からホールに近づかない2クラブレングス以内にドロップ |
なお、1の救済エリアは、上述したイエローペナルティエリアと同様に、直前にどこから打ったかによって救済エリアが異なります。(規則14.6)
3は「ラテラル救済」と呼ばれ、レッドペナルティエリアだけの処置です(ラテラルは「側面の」「横の」の意味)。基本的にはこれが最もホールに近い場所からのストロークになるので、池ポチャしたら杭の色を確認し、赤杭ならラテラル救済を受けるとよいでしょう。
2023年に変更された池ポチャにも関わるルール
前述していますが、2023年のルール変更で後方線上の救済は「線上にドロップした地点(=ボールが最初に地面に触れた地点)から方向に関係なく1クラブレングス内にボールが止まれば救済完了」となりました。
以前のルールでは「基点(プレーヤーが選択したドロップ地点)よりホールに近づいてはならない」となっていたため、ドロップしたボールが前に転がるとやり直しとなっていましたが、その点が変更されました。
ただし、これはあくまでも後方線上の救済ルールに関わる変更です。「ストロークと距離の救済」でジェネラルエリア、バンカー、ペナルティエリアにドロップするときには適用されないので、注意しましょう。
池の向こうに着地したボールが戻って池ポチャ! どうすればいい?
池を越えて着地したボールが手前に戻って落ちた場合、杭の色に応じた上述の救済を全て受けられます。
ただし、レッドペナルティエリアのラテラル救済は同じ組でプレーする、ルールを良く知る人のサポートを受けると良いでしょう。というのは、多くの場合、「レッドペナルティエリアの縁を最後に横切った地点からホールに近づかない2クラブレングス」の救済エリアはとても狭いエリア(微妙なアングル)になるので、ルールを良く知る人に確認してもらったほうが無難(=処置を疑われない)だからです。
なお、救済のドロップは2回行ってもボールが「救済エリア」内に止まらなかったときは、2回目のドロップで、ボールが最初に地面に触れた箇所にプレースしなければなりません。もし、その場所にボールが止まらなかったときは、ボールが止まる最も近い箇所にリプレースしなければなりませんが、その場合は同じジェネラルエリア内で、ホールに近づかない箇所(「救済エリア」の内外を問わない)でなければなりません。
3.まとめ
上達したからといって、池ポチャしなくなるわけではないのがゴルフです。それぞれのペナルティエリアでの処置をしっかり覚えて、有利な救済をスムーズに選べるようにしておきましょう。そうすることでスロープレーを防ぎ、「池ポチャしたらどうしよう」という不安もなく楽しくラウンドできるはずです。