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    逆光では打球の行方を無視「開き直ることで不安が減少する」【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    太陽が低い早朝や日没が近くなると逆光のホールに出くわすことがあるが、打球が見えないのは嫌なものだ。しかし「初めから自分の決め事をつくっておけば落ち着きます」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。逆光のときに有効な考え方と行動を教えてもらおう。

    配信日時:2023年4月27日 22時30分

    • ゴルフライフ
    イラスト・のり
    イラスト・のり
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    太陽が低い位置にある早朝や日没が近くなると、コースレイアウトによっては逆光で打球が見えなくなるホールがあります。特に朝一番だったりすると誰でも大きなプレッシャーを感じて交感神経が高まってしまうことでしょう。

    私は普段から最初の3ホールは「パーオンを狙っていかない」プランを立てるようにしていますので、少々難しい設定でもほとんどストレスなく1番ホールのティショットを打つことができます。
     
    ■方向を気にしないほうが、かえって打球が見える
     
    ただ逆光の場合は、打ったボールが見えないと分かっていても、どうしても打球を追ってしまうのがゴルファーの特性。そんなときは、スイングを崩しやすいため工夫が必要す。
     
    そこで心がけているのは、ティイングエリアに上がったら打球の行方にこだわらないことです。ボールが右へ飛ぼうと左へ飛ぼうと関係ない。それくらい思い切るのもいいでしょう。同伴者やキャディさんに「どこへ飛ぶか分かりませんので見ていてください」と、声を掛けることもあります。
     
    ある程度開き直ることによって「打球を見失ったらどうしよう」、「曲がったらどうしよう」という不安は減少します。心臓の鼓動が収まり、逆光の中でも落ち着いて自分のスイングに集中できるのです。
     
    案外こういうときのほうがしっかりした感覚が残り、ボールがどこへ飛んだか分かるものです。
     
    ■ティアップの位置をはじめから決めておく
     
    このような心がけは自分のリズムでショットを打つために不可欠なのですが、考え方や気持ちといった目に見えないもので自律神経をコントロールする方法は慣れるまでは難しいかもしれません。
     
    そういう方には、上記に加えて次の方法もオススメです。
     
    逆光でも、ホール攻略図を見たりティイングエリアに立ったりすれば、OBや池や林など危険エリアがどこにあるかは分かります。もし危険エリアが右にあればティマークの右端にティアップし、反対に危険エリアが左にあれば左側にティアップする。
     
    そうした約束事をあらかじめ決めておき、機械的に行うのです。もちろん前者はフェアウェイの左サイドへボールを打ち出すように、後者は右サイドへ打ち出すようにスパットをとります。あとはスパットに向けてセットアップし、それを目印にスイングするだけですから、やるべきことが分かりやすく、行動も考えもシンプルになります。
     
    初めから決めていることをルーティンの一環として行うと、心が落ち着きます。余計なことを考えなくなり、疑問や不安や心配が生じにくいからです。
     
    逆光だけでなく、打ち上げなど打球が見えないホールでも自律神経を乱さず自分のリズムで打っていくために有効です。一度お試しになってみてください。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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