【ゴルフの腰痛問題】ゴルフで腰痛を引き起こす要因と予防法を解説
「ゴルフは腰痛を引き起こすスポーツなの?」「腰痛持ちはゴルフを避けるべき?」といった疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。本記事では、腰痛が不安でゴルフを始めるかどうか迷っている人、あるいは現在腰痛を患っていてゴルフをお休みしている人に向けて、ゴルフと腰痛の関係を解説し、日頃から取り組める予防法も紹介していきます。
配信日時:2024年5月29日 10時02分
1.ゴルフが腰痛を引き起こすスポーツなのは本当?
じつは腰痛の根本原因を突き止めるのは容易ではありません。しかし、ゴルフに腰痛を引き起こしやすい側面があることは、おそらく否定できないでしょう。
実際、プロゴルファーの中には腰痛で悩んでいる選手が多くいるため、腰痛はプロゴルファーにとっての「職業病」とも言われるほどなのです。
レジェンドプレーヤーのジャンボ尾崎(尾崎将司)をはじめ、松山英樹、石川遼、片山晋呉、海外ではタイガー・ウッズやローリー・マキロイなど。女子でもジェシカ・コルダ、リリア・ヴ、金田久美子、原英莉花、稲見萌寧ほか若手選手も含めて、じつに多くのプロゴルファーが腰痛に悩んでいます。
もちろん、ゴルフをたしなむ全ての人が腰痛になるわけではありません。しかし、生涯スポーツとして長くゴルフを楽しむために、腰痛が気をつけておかなければならない一要素になっているのは事実です。
2.ゴルフで腰痛を引き起こす要因は?
繰り返しますが、腰痛の根本原因を突き止めるのは容易ではありません。
特に一般のアマチュアゴルファーにおいては、ゴルフが原因で腰痛になるというよりは、普段の仕事や生活の中で腰痛になってしまい、そのままゴルフをやったために悪化させた、という事例の方が多いのではないかと推察されます。
以上のことを前提としますが、つぎのようなやり方でゴルフに取り組んでいると、腰痛になりやすい傾向があると考えられています。
・スイングで体が正しく回転できていない
・アドレス姿勢が反り腰になっている
・アドレス時に右肩が下がりすぎている
・準備運動が足りていない
・練習をやりすぎている
・体が硬い
スイングで体が正しく回転できていない
ゴルフのスイングで、体を上手く回転できないと腰痛の要因になりえます。スイングのたびに、腰に負荷をかけ続けることになってしまうからです。
特に、ダウンスイング時に上体が伸び上がってしまう人は、腰に過度の負荷がかかるため、腰痛になりやすいです。上体が伸び上がってしまうと、上半身が回転できなくなりますが、すでにクラブが振り出されているので、回転しようとする腕と、止まろうとする下半身の間で無理な力が働き、腰に大きな負荷がかかってしまうのです。
アドレス姿勢が反り腰になっている
アドレス時の姿勢が、反り腰(腰が反った姿勢)になっていると、スイング時に腰部周辺に負荷がかかるため、腰痛の要因になりえます。
ゴルフのアドレス姿勢の基本は、股関節から前傾することです。胸を張るためにお尻を突き出してしまうと、反り腰になりやすいので、股関節から前傾するように意識しましょう。
アドレス時に右肩が下がりすぎている
アドレス時に右肩が下がりすぎている人も、上半身が右に曲がって右腰への負荷が大きくなるため、腰痛になりやすいです。
左右の肩の高さがフラットになるように調整しましょう。
準備運動が足りていない
ラウンドや練習前の準備運動不足が、腰痛の要因になることもあります。ゴルフは一見運動量の少ないスポーツに見られがちなのか、準備運動をしなくても問題ないと判断している人が多いように見うけられます。
しかしゴルフの、特にスイングは、股関節、お尻、腰、背中など、日常生活で使う機会が少ない部位も酷使します。他のスポーツと同じく、入念に準備運動をしなければ、ケガを引き起こしうるスポーツだと認識しましょう。
練習をやりすぎている
ゴルフ練習のやりすぎも、腰痛の要因の一つです。ゴルフに限らず、どんなスポーツでも練習すればするだけ体は疲労していきます。
ただでさえ、ゴルフは普段使わない各部位を勢いよく使うスポーツ。上手くなるために練習は欠かせないものの、やりすぎは逆効果です。腰に違和感を覚えたら、練習を早めに切り上げ、休息を取りましょう。
体が硬い
ゴルフのスイングは、腰や背中の上半身はもちろん、下半身も連動させて大きく動かす必要がありますが、体(関節や筋肉)が硬いと、可動域が狭いために上手く回転させられません。スイングの際、体の回転が正しくできないために、腰のねじれを無理やり大きくしようとして、腰を痛める人も少なくありません。
特に股関節が硬いと、手打ちになりやすい傾向があり、下半身のパワーをインパクトに乗せることもできなくなります。
また、関節、筋肉、骨の各部位は連動している部分が多いので、例えば、腰や背中が硬くて可動域が狭いと肩や股関節への負荷を増大させ、逆に、股関節周りの筋肉が硬いと腰に負荷をかけてしまいます。
お風呂上がりや練習前の準備で入念にストレッチをして、ゴルフで使う各部位の柔軟性を少しずつ上げていきましょう。
3.ゴルフの腰痛を予防する方法
日頃から取り組むことのできる、ゴルフの腰痛を予防する方法を紹介します。
・ストレッチで柔軟性を上げる
・正しいスイングを身につける
・腰回りを温める
・腰を安定させるサポートアイテムを身につける
・定期的に体のメンテナンスを行う
ストレッチで柔軟性を上げる
ゴルフでは、特に股関節、腰、背中の柔軟性が、腰痛を予防するポイントの一つとなります。
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正しいスイングを身につける
ゴルフで腰痛にならないためにも、正しいスイングを身につけましょう。体を正しく回転させるためには、股関節から肩までにかけての体幹を回転させることがポイントです。
また、スイング中の体重移動にも注目しましょう。左右に体重移動(スエー)させるのではなく、あくまでもアドレスの足幅の中で、体重移動を行い、体を回転させることが大事です。
腰痛予防の観点から、自身のスイングを点検する機会を設けてみてはいかがでしょうか。
腰回りを温める
腰を傷めないためにも、ゴルフ中は腰回りを温めましょう。事前にストレッチや準備運動で体を温めても、時間とともに冷えていきます。せっかく温めて柔らかくなった背中や腰が硬くなって、腰痛につながってしまいます。
特に雨の日や冬のゴルフでは、カイロなどで腰回りを温めながらゴルフをすることも検討しましょう。
腰を安定させるサポートアイテムを身につける
腰痛予防のために、コルセットやサポーターなどの腰を安定させるサポートアイテムを活用することも選択肢の一つです。コルセットやサポーターは、スイング時の腰の痛みを和らげたり、症状の悪化を防いだりする効果が期待できます。
コルセットやサポーターは、医療上の理由に限り、ゴルフのルール上も問題ないため、腰に不安がある人は身につけておいて損はありません。ただし、着用初期は、圧迫感によってスイングがしにくくなったり、肌と擦れて炎症を起こしたりする可能性があります。
定期的に体のメンテナンスを行う
ゴルフを長く続けるには、定期的な体のメンテナンスが必要です。現時点で腰痛持ちの人も、定期的に整体や接骨院で体の疲れや歪みを解消してもらって、症状を悪化させないようにしましょう。
また、練習後にもストレッチを行い、帰宅してから十分な休息を取るなどのセルフケアも、腰を悪くしないためには大切です。
4.もしゴルフで腰痛になってしまったら?
ゴルフで腰痛になったら、まず病院に行って医師の診断を受けましょう。自己判断のみでケアをすると、腰痛を悪化させる危険性もあります。
腰痛になった際は、何よりも休息を取ることが大切です。
腰の痛みを我慢したまま練習しても、スイングが乱れたり、症状が悪化したりと、あまり良い結果にはつながりません。ゴルフで腰に痛みが出た際は無理をせず、練習を一時中断して、医師の診断を受けに病院へいきましょう。
5.まとめ
腰痛になったからといって、必ずしもゴルフができなくなるわけではありません。練習頻度をおさえる、正しいスイング・姿勢に改善する、サポーターなどを身につける、などの対処で、ゴルフを続けることは十分に可能です。
腰痛と上手く付き合いながら、生涯スポーツとしてのゴルフを楽しむ道も見つけていただけたらと思います。