松山英樹のマスターズ優勝はなぜスゴイのか? 男子ゴルフの4大メジャー大会を解説【2024】
ゴルフのメジャー大会。よく耳にするものの、大会名に特に“メジャー”とついているわけでもなく、大会名と“メジャー”が一致しない人も意外と多いのではないでしょうか。そこで本記事では、男子ゴルフの4大メジャー大会についてまとめました。2024年の各スケジュール、日本勢の成績と2024年6月5日時点での出場有資格者も紹介していきます。
配信日時:2024年6月6日 08時46分
1.ゴルフで「メジャー大会」とは最も権威ある大会のこと
ゴルフの「メジャー」や「メジャー大会」とは、「メジャー選手権(英語:major championships)」を指します。
男子メジャーの歴史は古く、1860年に開かれた全英オープン(The Open)が最古のゴルフのメジャー大会。 一方、女子メジャーは、1946年に第1回大会が行われて以来、全米女子オープンが現存する最古の女子メジャーとなっています。
世界のトップゴルファーが一堂に会するメジャー大会は、参加すること自体が難しく、コースも難易度が高く設定されているため、最もハイレベルで、最も競争の激しい舞台となります。
さらに、メジャー大会は国際規模でのメディア報道が行われ、全世界のゴルフファンから注目されます。たくさんのギャラリーが大会を現地観戦し、テレビやインターネットを通じて試合を追いかける。ファンの熱い支持が大会の権威をより高めているのは間違いありません。
このようなメジャー大会で優勝することは、選手のキャリアの中で最大の栄誉であり、プロゴルファーとして特別な地位を確立する重要なステップになるのです。
2.男子ゴルフの4大メジャー大会
男子ゴルフのメジャー大会は以下の4つで、「4大メジャー」とも呼ばれています。
【1】マスターズ
開催:4月11~14日/会場:オーガスタ・ナショナルゴルフクラブ(固定)
【2】全米プロゴルフ選手権
開催:5月16~19日/会場:バルハラゴルフクラブ
【3】全米オープン
開催:6月13~16日/会場:パインハースト・リゾート
【4】全英オープン
開催:7月18~21日/会場:ロイヤルトゥルーンゴルフクラブ
各大会優勝者には賞金のほか、大会ごとに特徴あるトロフィーなどのさまざまな特典が授与されます。
以下は、4大大会の優勝で獲得できる共通の特典です。
■各種トーナメントへのシード権
■世界ゴルフランキング100ポイントやフェデックスカップポイント750
メジャーで優勝するとさまざまな大会へのシード権が得られ、ランキングポイントも大量に獲得できます。
【1】マスターズ
「マスターズ」(英:Masters Tournament)は、毎年4月に主催の「オーガスタ・ナショナルゴルフクラブ」(ジョージア州)で開催されます。マスター(名手)たちが集う「ゴルフの祭典」と称され、2021年には松山英樹が日本人として初めてメジャー優勝を果たしました。松山英樹のマスターズ優勝は、アジア勢としても初の快挙となっています。
2024年は4月11日から4月14日まで開催。優勝者はスコッティ・シェフラーで、優勝賞金は360万ドル(約5.5億円)でした。
「マスターズ」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■グリーンジャケット
■クラブハウスをかたどったトロフィーとメダル
■「マスターズ」への生涯出場権
■ほかのメジャー3大会への5年間の出場権
■プレーヤーズ選手権5年間出場権
■PGAツアーへの5年間の出場権
■ザ・セントリーへの翌年の出場権
■各種トーナメントへのシード権
■世界ゴルフランキング100ポイントやフェデックスカップポイント750
2024年「マスターズ」の日本人男子ゴルファーの成績
今年の「マスターズ」に出場した日本人ゴルファーは2名。結果は、松山英樹が38位タイ、久常涼は予選落ちでした。
【2024年「マスターズ・トーナメント」についてはこちら】
【2】全米プロゴルフ選手権
「全米プロゴルフ選手権」(英:U.S. PGA Championship / U.S. PGA)は1916年創設。2019年からは毎年5月に開催される全米プロゴルフ協会(PGA of America)主催の大会です。
2024年は「バルハラゴルフクラブ」(ケンタッキー州)にて、5月16日から19日まで開催されました。
優勝者は大会歴代最少スコア263(-21)を出したザンダー・シャウフェレで、賞金333万ドル(約5.2億円)でした。
「全米プロゴルフ選手権」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■ロッドマン・ワナメーカー・トロフィー
■PGAツアーへの5年間の出場権
■各種トーナメントへのシード権
■世界ゴルフランキング100ポイントやフェデックスカップポイント750
2024年「全米プロゴルフ選手権」の日本人男子ゴルファーの成績
今年の「全米プロゴルフ選手権」には4名の日本人ゴルファーが参加。日本人トップは久常涼の18位タイで、松山英樹は35位タイ、金谷拓実・中島啓太は予選落ちでした。
【2024年「全米プロゴルフ選手権」についてはこちら】
【3】全米オープン
「全米オープン」(英:United States Open Championship / U.S. Open)は毎年6月開催で、全米ゴルフ協会 (USGA)の主催です。
2024年は「パインハースト・リゾート」(ノースカロライナ州)にて、6月13日から16日まで開催されます。
2023年の優勝者はウィンダム・クラークで、優勝賞金は360万ドル(約5.1億円)でした。
「全米オープン」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■ジャック・ニクラス・メダル
■優勝トロフィー
■PGAツアーへの5年間の出場権
■各種トーナメントへのシード権
■世界ゴルフランキング100ポイントやフェデックスカップポイント750
2024年「全米オープン」に出場資格がある日本人男子ゴルファー
今年の「全米オープン」に出場資格を持つ主な日本人男子プロゴルファーは以下の通りです。(2024年6月5日時点、括弧内は満たしている出場要件)
松山英樹(過去5年以内のマスターズ優勝)、石川遼・河本力・清水大成も「 全米オープン」最終予選通過者として出場権を得ました。
また、規定の期間にランキング上位に入っている選手などにも参加権が与えられます。
【4】全英オープン
「全英オープン」(英:The Open Championship)は毎年7月にメジャー最終戦として開催されます。大会はイギリスにある9か所のコースいずれかで開催されますが、シーサイドリンクス(海沿いで自然の地形を生かしたコース)限定という不文律があります。ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドルーズ(R&A)主催。
第1回は1860年に開催され、メジャーの中で最も歴史と権威のあるトーナメントとされる大会です。当初はほかに同様の選手権は存在しなかったため、単に「ジ・オープン」とも呼ばれています。
2024年はスコットランドの「ロイヤルトゥルーンゴルフクラブ」にて、7月18日から21日まで開催される予定です。
2023年の優勝者はブライアン・ハーマンで、優勝賞金は300万ドル(約4.7億円)でした。
「全英オープン」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■トロフィー「クラレットジャグ」
■55歳までの「R&A 全英オープン」出場権(2024年から適用。2023年までの優勝者は60歳まで出場可)
■各種トーナメントへのシード権
■世界ゴルフランキング100ポイントやフェデックスカップポイント750
2024年「全英オープン」に出場資格がある日本人男子ゴルファー
今年の「全英オープン」への出場資格を持つ主な日本人男子プロゴルファーは以下の通りです。(2024年6月5日時点、括弧内は満たしている出場要件)
松山英樹(過去5年以内のマスターズ優勝)、久常涼(欧州ツアーポイントランキング上位10人)、星野陸也(オーストラリアオープン上位3人)、岩崎亜久竜(2023年日本オープン優勝)、木下稜介・桂川有人(~全英への道~ミズノオープン上位3人)。
また、規定の期間にランキング上位に入っている選手などにも参加権が与えられます。
3.日本の男子ゴルフメジャー大会
一般的にゴルフで「メジャー」といえば、これまでに紹介した海外の大会を指します。しかし、ご存知の通り日本独自の「メジャー4大会」も存在します。
【1】「日本プロゴルフ選手権」(5~7月)
【2】「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」(6月)
【3】「日本オープン」(10月)
【4】「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(12月)
いずれも国内の有力選手が集う大会ですが、特に「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は、国内ツアー最終戦として毎年注目を集めています。
4.まとめ
世界のトップゴルファーが集うメジャー大会は、それぞれに特色ある歴史と権威があります。賞金総額も年々増加傾向にあり、メジャーの優勝で得られるものの価値はさらに増えそうです。
日本の男子ゴルフ界からも若い選手たちがメジャーへの参加を決めています。松山英樹に続く、新たな日本人メジャー優勝者の誕生を目撃する日も近いかもしれません。