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    JLPGA理事って、何を目的にどんな仕事をしているの?【原田香里のゴルフ未来会議】

    ツアー開幕まであと2週間。今週は、そんなツアー運営の中心となっている理事のあり方について、考えてみたいと思います。

    配信日時:2023年2月15日 02時30分

    • ゴルフライフ
    今季はレギュラーツアーだけで年間38試合あるが、理事たちの仕事は試合のときだけではない 多岐にわたる
    今季はレギュラーツアーだけで年間38試合あるが、理事たちの仕事は試合のときだけではない 多岐にわたる (撮影:佐々木啓)
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    ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。暦の上ではもう春。あちらこちらから小さな春の便りが聞こえてきます。ツアー開幕まであと2週間。今週は、そんなツアー運営の中心となっている理事のあり方について、考えてみたいと思います。

    2021年3月まで、私がJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の理事を務めていたことは、何度かお話ししていますね。13年から約8年間、その前にも選手兼務で理事を務めていた期間があるので、気が付けばずいぶん長いこと協会の仕事をしていました。

    1967年に日本プロゴルフ協会女子部として発足し、74年に独立した日本女子プロゴルフ協会は、87年に社団法人となり88年にツアー制度を施行。同じ年にインストラクター資格認定制度も発足しています。その後、公益法人制度改革を受けて一般社団法人となったのが13年のことです。

    その歴史の中で、会員である女子プロゴルファーが理事として選出され、組織の運営に当たっています。

    22年末の選挙で初めて、ティーチング部門のプロである竹内弓美子さんが理事に選ばれましたが(正式には3月の会員総会で決まります)、それまでは私も含めてツアープロ出身の会員ばかりが理事でした。

    現状を見ると、レギュラーツアーだけで年間38試合。これに加えて年々数が増えるステップ・アップ・ツアー、そしてレジェンズツアーなどの試合があります。それらをしっかりと開催するためには、主催者さまとの折衝、契約に始まるさまざまな準備が必要です。

    コースの選定、下見、セッティング…。これらを、事務局のスタッフや運営会社のみなさん、協力業者のみなさんと一緒に行うのですが、理事の判断が必要な場合がたくさんあります。

    そして、ツアーだけではありません。アマチュアのみなさんと、直接触れ合うティーチング部門(正式な呼び方はいろいろと変わっています)の仕事もあります。ティーチング資格を持つ会員たちとともに、できるだけ多くの人にゴルフを身近に感じて楽しんでもらうことに心を砕きます。

    理事の数は、現在7人。ツアーもティーチングも、日本全国を舞台にしているので理事は大忙しです。次から次へとやらなければいけないことに追われることになります。

    理事の仕事をしていたときには、私のラウンド数が年間1ケタだったということを以前お話ししたと思いますが、仕事ばかりでそれどころではない、というのはそういうことなのです。

    そんな現状の中で、私が考え方の基本にしていたのは「選手(会員)ばかり見るのではなく、広い視野を持って仕事をする。協会理事という立場である以上、だれに対してもどこに対しても平等であるべき」ということです。

    会員の選挙で選ばれるJLPGA理事は、会員のために仕事をします。さらにその先に、JLPGAの目的に挙げられている「国民の心身を向上し、国際親善に寄与する」というものがあります。会員のために仕事をし、会員の資質を向上させつつ、ゴルフを通じた社会貢献も考えて仕事をする必要があるというわけです。

    会員のためだからといって、会員の言うことばかりを聞けばいいというものではないと思います。ただ、年代ごとにだったり、将来的なことを考えながら、臨機応変に会員の声に耳を傾け、できることを実現していく必要があると思います。その上で、長い目で見て会員のためになるためには、時には耳の痛いことを言う必要もあるのです。

    多忙な日々を送るビジネスパーソンのみなさんと同じように、目の前の仕事に追われつつも、そこばかりを見ずに状況を俯瞰する。それを心がけているつもりでした。それでも、組織の内部にいると、正直、自分を見失いそうになることがありました。目の前のことに振り回されて、基本的な考えを忘れてしまうことがあったり、メンタルがおかしくなったり、とでも言いましょうか…。

    例えば、選手からの批判を受けることは覚悟していても、人間ですから批判はイヤだし怖いものです。一生懸命説明しても、文句を言われたり、批判を受けたり…。仕方のないことですが、そういうときは落ち込みます。

    でも、全体を見て仕事をする。私自身ができていたかどうかはいつも不安でしたが、そういう姿勢は変えないで仕事をしてきたつもりです。

    ツアー開幕後の3月に行われるJLPGAの総会を経て、新体制の理事会が動き出します。ありがたいことに女子ツアーは人気を維持しています。ティーチングについても、さまざまなビジョンがあるでしょう。そんな状況の中でも、新しい理事の方々には、忙しい日々の中でも時代の波に乗って、広い視野を持ってJLPGAを引っ張って行っていただきたいと思います。どうぞお体と心を大事にしながら、よろしくお願いいたします。


    ■原田香里(はらだ・かおり)
    1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

    連載

    原田香里のゴルフ未来会議

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