全国でもトップクラスのヒートスポットである埼玉県 ゴルフ場が見せる『筋金入りの酷暑対策』とは?
埼玉県の各ゴルフ場が、筋金入りの酷暑対策を実施している。
配信日時:2024年7月23日 04時45分
真夏日が続き、熱中症のニュースが連日報じられている一方で、全国でもトップクラスのヒートスポットを抱える埼玉県の各ゴルフ場が、続々と酷暑対策を打ち出している。東松山CCは夏季営業を15分繰り上げ、武蔵松山CCはプレー時のみシャツの裾出しOKの英断を下した。
そんな中、特に目を引くのが乗用カートへの暑さ対策。PGMが約4000台、全国147コース(総武カントリークラブ北コースを除く)に『クールカート』を導入して話題となっているが、埼玉県内のコースもここに来て導入が一気に増えてきた。
プリンスゴルフリゾーツは県内の3コース(武蔵丘GC、新武蔵丘GC、西武園ゴルフ場)にクーラー付きゴルフカートを台数限定で導入し、日高市の高麗川CCでも5台購入するなど、各コースが注力している。
こうしたゴルフ場の中でも“元祖”といえるゴルフ場がこだまGC。クーラー付きカートの走りともいえる『ミストカー』を導入してからもう15年になる。開始当時から関東平野の西北地域は全国で最も暑い場所といわれていただけに、その対策としてミスト発生器メーカーのスーパー工業にゴルファーが喜ぶ細かいミストを発生させる『クールミスト』の製作をいち早く依頼した。
乗用カートの天井4カ所に『クールミスト』を設置。ボタンを押せば30秒間ミストが発生する。ミストが肌に触れると気化熱の作用により2~5度は体感温度が下がる。マイナスイオンも豊富に含まれており、清涼効果や冷却効果だけでなくリラックス効果も。
ミスト発生器の設置費用は1台約15万円で、当時から全50台に導入。約750万円の出費だったが、平均して年5、6人はいた熱中症のゴルファーが、ここ15年はほとんど出ていないそうだ。
こだまGCの酷暑対策はミストカーにとどまらない。暑さ指数(WBGT)が30を超えるとグリーン奥の高さ約5メートルに設置された扇風機が回りだす。最も暑さを感じるグリーン上でのパット待ち時間に、高所から涼風を提供しているのだ。
また、コース内5カ所に冷水機が設置されており、カートに積んである紙コップで飲める。売店も途中にあるため、トータル7カ所、3ホールに1回は冷たい水が飲める。カートのフロントガラスを下げてクールミストを併用すれば、より一層涼しさを感じられるという。
コースの隅々まで行き届いている酷暑対策は、直近3競技でも熱中症トラブルゼロという成果となって表れているという。(取材・文/日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗)
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