ツアーで全国のみなさんに会えるのが理想【原田香里のゴルフ未来会議】
今週の原田香里のゴルフ未来会議では、ゴルフツアー観戦の見どころを語る。
配信日時:2023年9月20日 02時35分
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは、原田香里です。今さらながらですが、みなさんはツアー会場に足を運んで下さったことがあるでしょうか? 毎週、全国あちこちのコースで開催しているツアーですので、お近くの時、観戦して下さった経験のある方も少なくないと思います。
まだ行ったことがない、という方もたくさんいらっしゃるでしょう。テレビやインターネットではわからない楽しさがたくさんあります。生の打球音や打っている時はもちろんですが、1打1打の合間に歩いている時、考えている時の選手の表情、緊張感など、ぜひ、一度ご体験していただきたいです。
先々週の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯の舞台が長崎のパサージュ琴海アイランドゴルフクラブだったことは、私がプレーした話とともにお伝えしました。先週は愛知県の新南愛知カントリークラブ・美浜コース。そして今週は、宮城の利府ゴルフクラブで試合が行われています。その次の日本女子オープンは、福井県の芦原ゴルフクラブで行われます。
「全国あちこち」とは書きましたが、どうしても偏りは出てしまいます。今年でいえば、沖縄のダイキンオーキッドで開幕し、宮崎のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップで終了する年間38試合のうち、一番開催が多いのは千葉県と静岡県。それぞれ5試合ずつあります。次が北海道と兵庫県で、こちらは4試合ずつ。この4か所だけで18試合になるので、残りは20試合です。
どう考えても、行くことができないエリアができてしまいます。気候やコースの条件、主催者様の意向など、様々な事情を考え合わせて、ツアー会場は決まります。試合を行うにはお金がかかることもあり、どこででもできるというわけではありません。それを考えると、こんな風に偏ってしまうのは、ある程度仕方がないことだとはよくわかっています。けれども、毎年はムリでも、何年かのスパンで全国47都道府県を回れれば最高だな、と個人的には考えています。ステップアップツアーやレジェンズツアーも含めて考えてみてもいいでしょう。
全国のファンのみなさん、ゴルフを初めて体験する方などにツアーをお届けできればどんなに素晴らしいことでしょう。今回、日本女子プロゴルフ選手権に出場して、改めてその思いは強くなりました。
前回、日本女子プロゴルフ選手権が同じ長崎のパサージュ琴海で行われたのは2015年のことですが、この時、私は担当理事。現地には何度も通いましたが、試合には出ていません。にもかかわらず、先週、お話ししたように、私のことを覚えて下さっている方や、応援して下さっている方にお会いできて、本当にうれしかったのです。そのときに、事情はさておき、やっぱりもっといろいろなところで試合ができたらいいな、と単純に思いました。
日本女子プロゴルフ選手権や、日本女子オープンは、毎年、開催コースが変わります。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)主催競技の日本女子プロゴルフ選手権に関しては「できるだけ全国各地でやりましょう」と言う方向性は以前からあり、その努力はしています。例えば、来年の舞台は沖縄県名護市のかねひで喜瀬カントリークラブ。大会史上初の沖縄開催になります。沖縄は毎年、開幕戦ダイキンオーキッドで訪れる地ですが、また違う時期、違うコースでファンのみなさんにお会いできることでしょう。
沖縄は、早い時期からジュニア育成に力を入れて下さっていて、宮里藍さんはじめ、たくさんのプロを輩出しています。ゴルフへ関心を持ってくださっている方もたくさんいらっしゃっるので、また新しい出会いもあるかもしれません。一方で、ある程度開催コースが決まっているものも多く、それはそれで地元に定着しています。毎年、心待ちにしてくださる方がいるのは、本当にありがたいことです。
環境の違う様々なコースでプレーすることは、選手たちの技術の向上に役立ちます。天候、芝質、地面の硬さ、風、などに工夫して対応するからです。
色々な場所で皆さんとお会いして試合をお見せすること。ツアーがそんな風に育って行くといいのかな、と改めて考えています。
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。
原田香里のゴルフ未来会議