「以前はゴルフ未経験の状態で、ゴルフを知りませんでした」という山口悦子さんは、キャディ歴40年のベテラン。今では栃木ケ丘ゴルフ倶楽部(栃木県)の看板キャディとして多くの人から絶大な信頼を得ている。
「ゴルフの知識は、チーフキャディやメンバーさんに教えて頂いたんです。元々、接客が好きなので学ぶのは苦になりませんでした。今はコロナ禍でゴルフを始めた若い人に、マナーや知識を教えながらキャディをすることもあります。中にはティアップのやり方が分からない人もいますね(笑)。心がけているのは、出しゃばり過ぎず相手に寄り添うこと。とてもやりがいのある仕事です」と山口さん。
会った瞬間から絶妙な人間関係を作り上げるのが大事なことだという。そんな山口さんの心配りが、プレーヤーに快適なラウンドをもたらすのだ。
山口さんがこれまでに一番嬉しかったことは、「最初ご機嫌ななめだったお客様がエイジシュートを達成されたんです。ハグされて、背中にテープでチップも張ってくれたときかな(笑)」。一方、仕事で大変なことは「お客様の体調管理です。夏は熱中症などプレー中に体調を崩すプレーヤーも多いんです。重症者は命の危険もあるため大変です。足の痙攣用に縛るためのゴム紐をいつも携帯しています」という。
ところで、ハウスキャディの業界平均年収はいくらくらいなんだろう。職業情報提供サイト(日本版O-NET)「jobtag」で調べてみると、350.7万円。平均年齢が39.2歳で、全国の平均労働時間は月162時間。就業形態で割合が多いのは正規職員で52.3%、パートタイマーは34.1%となっている。
最後にキャディの仕事に向いているのはどんなタイプの人か聞いてみた。「明るくていろいろな人と話すのが好きな人ですね。接客業を楽しく感じられて、健康で外で体を動かすことが好きならピッタリです」とのことだった。