自分のタイプを知ればパフォーマンスが上がる 3つの質問で自律神経の状態をチェック【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】
人にはそれぞれの性格や生活習慣等により4つの自律神経のタイプがあるという。「ゴルファーも同じです。たった3つの質問で、その人の自律神経の状態が分かります」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授が作成してくれた表で自律神経の状態をチェックしよう。
配信日時:2023年4月24日 22時30分
まずは、生活リズムに関する3つの質問から、ご自分の自律神経の状態や傾向がどのタイプに属するのかをチェックしてみましょう。各質問に対して当てはまる答えを必ず一つか二つ選んでください。
■A~Dで最も多い答えがあなたの自律神経タイプ
1)食事について
A 決まった時間に空腹を感じる
B 仕事や作業に集中しているとおなかがすかない
C よくおなかがすいておなかが鳴ることもある
D 食べたいときと食べたくないときの差が激しい
2)睡眠について
A 夜、布団に横になると一瞬で寝てしまう
B 寝ようと思ってから寝るまでに時間がかかる
C 夜、寝たのに昼間眠くなることがある
D 朝までに何度か起きる
3)仕事・家事について
A 困っている人がいたら面倒な仕事でも助ける
B 集中し粘り強く取り組めている
C いろいろ考えすぎて考えがまとまらない
D プレッシャーがかかると強い不安感に襲われる
絶対にこれ! というのがなく迷ったら一番近い答えを選んでください。最も多かったアルファベットが、そのままその人の自律神経タイプになります。例えば、Aが二つ、Cが一つの人はAタイプです。
さて、ご自分がA、B、C、Dのどのタイプに入るかが分かったら、次はこの記事トップ画像の別表を見ていきましょう。中心のタテ軸はリラックスモードのとき優位になる副交感神経の値(上は高く、下は低い)を、ヨコ軸は緊張すると上がる交感神経の値(右は高く、左は低い)を示しています。それぞれのタイプ別にゴルフの特徴を説明しましょう。
●Aは「OBをしても投げ出さない丁寧型。自律神経のバランスがよい、生き生き能力発揮型ともいえます」
●Bは「ダメになると一気に崩れるイケイケ型。交感神経が優位で常に興奮状態にある頑張りすぎ型です」
●Cは「落ち着いて見えて挑戦しない安全第一型。副交感神経が高くリラックス状態にあるのんびり型です」
●Dは「バタバタしてスコアにならないどツボ型。両方とも低い、ぐったりお疲れ型のため注意が必要です」
やっぱりなあと納得した方、意外だった方……さまざまだと思いますが、これが今のあなたの自律神経の状態だと考えられます。それによってゴルフの傾向も連動しているのです。では、どのように対処したらゴルフのパフォーマンスがアップするのでしょうか。
■交感神経優位、頑張りすぎるBタイプの人が多い
では、それぞれのタイプに合ったコントロール法を考えていきましょう。
【Aタイプ OBをしても投げ出さない丁寧型】
自律神経が整い、ゴルフをするには心身ともにベストな状態。ただし、注意しないとあっという間に状態は落ちてしまうものです。いつもどおり1ホールずつ、こつこつと丁寧に取り組むことを心がけ、バランスのよい状態をできるだけキープしましょう。
【Bタイプ ダメになると一気に崩れるイケイケ型】
日本人の8割が属するといわれる別名・頑張りすぎ型です。常に交感神経が優位で過緊張状態にあり、副交感神経のブレーキが利かず焦りやイライラを感じやすくなっています。血流が悪くなってスイングへの悪影響もあります。副交感神経を高めて過緊張状態を緩めるには、ティイングエリアに立ったら毎回深呼吸をするといいでしょう。文字どおり肩の力を抜くことが、このタイプには有効です。欲や完璧なイメージは極力持たず、パーオン+1打で乗ればいいや、と考えるようにすると気持ちが軽くなり余裕を持てます。
【Cタイプ 落ち着いて見えて挑戦しない安全第一型】
アクセルを踏み込めず、やる気が感じられないのんびり型と言い換えてもいいでしょう。リラックスした状態は本来よいことなのですが、一歩間違えるとメリハリを失いがちです。プレーを早く、動作をきびきび行うなど体を動かして抹消神経に刺激を与え、交感神経を目覚めさせましょう。とはいえ、ストレッチはやりすぎると副交感神経が優位になるので要注意。一番簡単なのはカートに乗らず速足で歩くことです。
【Dタイプ バタバタしてスコアにならないどツボ型】
交感神経、副交感神経ともに低く、プレーに集中できません。すべてがうまくいかず、どこから手をつけたらいいのか分からなくなって雑になりがちです。このタイプは一つだけしっかり目標を決め、一日プレーすることが大切です。その中でいいプレーや気づきがあると呼吸が安定するからです。呼吸が整うと血流がよくなり集中力も上がってきます。
ちなみに、トップレベルのプロゴルファーは、ほとんどAタイプに属するがCとの境目に限りなく近いことが分かっています。F1レーサーも同じで、このタイプの選手は、落ち着いていてピンチに強く、とりわけ集中力が高いのです。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。