あなたのキャディバッグにアイアンは何本? 令和のクラブセッティングを考える
最近のアイアンは、7番から9番、PW、AWの5本セット。オーソドックスな飛距離のアイアンでは、5番から9番、PWの6本が主流になっているようです。
配信日時:2023年7月22日 03時35分
20世紀までは、アイアンのセット売りの基本は9本でした。3番から9番、PW、SWの9本です。
オプションとして、2番アイアンがあると、本格的なモデルという証明になりました。
それでも、2番アイアンがバッグに入っている人は、数パーセント。
その中でも半数ぐらいは見栄で入れているだけで、使いこなせてはいなかったと思います。
当時はキャディ付きのプレーが主流でしたが、2番アイアンの入ったバッグを見るとキャディさんは緊張したそうです。見栄張りか、本当に上手い人か、どっちにしても、ちょっと面倒な可能性があるからドキドキする、ということらしいです。
ユーティリティとショートウッドが普及したことで、現在では2番アイアンだけではなく、3番アイアンなどのロングアイアンは市場からほぼ消えてしまいました。トッププロでも、薄いブレードの純粋な2番アイアンを使っているケースは数えるほどしかいません。長い距離を打てるクラブが他にあって、それが優秀ならどんどん移り変わっていくのは当たり前のこと。
最近では、飛距離が出るアイアンだと、7番から9番、PW、AWの5本セット。
オーソドックスな飛距離のアイアンだと5番~9番、PWの6本が主流になっているようです。
アイアンが得意、あるいは好きという場合は、オプションで上の番手を買い足していきます。バックの中に、何番アイアンから入っているのかを確認すると、その辺りの事情がわかります。アイアンは本来飛ばすクラブではなく、スコアを整える役割のクラブですから、アイアンの本数が多ければどんなゴルフをしたいのかも見えてくるかと思います。
プロゴルファーのセッティングでは面白い現象も。ツアープロのバッグの中に、同じ番手のアイアンが2本入っているケースがあるのです。これは、オーソドックスな6番と、飛び系で1番手アップの6番が入っているようなことが真相だったりします。後者の6番アイアンは、5番アイアンとして使っているのです。飛び系のアイアンは球が上げやすくなっていたりすることが多く、セットで使っているアイアンより、やさしくハイボールでピンを狙えることがあるからというのが理由。
最近では、男子プロでもアイアンを抜いてやさしいショートウッドやユーティリティの本数を増やしているケースも多くなっています。特に飛距離の出ない女子プロではその傾向が顕著で、青木瀬令奈はアイアンが8番、9番、PWの3本だけというセッティングに。ツアープロほど、常識に囚われず貪欲にクラブを選択しますから、この点はアマチュアも参考にすべきでしょう。
昭和の時代、アイアンの基本練習で打つのは、7番アイアンでした。セットの真ん中の番手だったからです。現在は、特に決めないそうです。8番でも、9番でも良いですよ、という感じなのだそう。キャディバッグの中で、7番アイアンが最も長いアイアンだったら、確かに練習クラブとしては難しすぎますね。
2023年。あなたのキャディバッグの中の最も長いアイアンは何番ですか? そして、アイアンは何本ですか?
ゴルフクラブは、やさしさという面で飛躍的に進化しています。どんなゴルフをしたいか、飛距離が出るタイプか、持ち球、スピン量、等々。ゴルファーによってベストなクラブセッティングは千差万別。それを見つけ出すのも、ゴルフの面白さなのです。
(取材/文・篠原嗣典)