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    おやじゴルフニュース「ビギナー急増でありえないことが起こる?」

    ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・とがしやすたかのイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。

    配信日時:2023年11月21日 02時00分

    • ゴルフライフ
    イラスト・とがしやすたか
    イラスト・とがしやすたか
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    この前、団塊世代が大挙引退する話を書きました。ここ5年ぐらいでゴルフを引退する人は、100万人程いるそうです。その代わりに新しくゴルフを始めたり、昔やっていたけど最近人気だからと復活させる人が、合わせて約100万人いるそうです。

    ゴルフ業界にとっては嬉しい新陳代謝ですが、受け入れるコース側やベテランゴルファーは大変です。新規参入してくるビギナーは新人類ですので、今までの価値観や伝統が通用しません。寛容の心を持って優しく迎え入れ、ゴルフを継続させるように心がけたいです。

    今ゴルフ場でどういうことが起きているか、検証してみましょう。

    1)乗用カートの些細なトラブル
    先日、某コースで2組前に何かトラブルが起き、ひと組前の人たちと喋っていて、乗用カートがまったく動きませんでした。聞いたらコンペの参加者で、スタートするホールを間違えてしまったとか。

    それはいいんだけど、ティショットを4人全員打ってから気づいて、ティイングエリアから戻って来るかと思いきや、意外な行動に出ました。打ったボールがもったいないと、200ヤード先までカートで走行したのです。それから、散らばったボールをおのおの拾い、乗用カートをUターンさせて戻って来ました。すべての進行が遅れたのはいうまでもありません。

    コースを勘違いしたのはミスだから咎めても仕方ありません。けど打ったボールは、後続の人に拾ってもらうしかないでしょう。すでにスタートが遅れていたのに、さらに遅延しましたからね。

    あとルーズな人たちの組でよくあるのが、カートの合流です。乗用カートで2人組と3人組の前後2台がラウンドしている場合があります。仲間内で盛り上がりたいのか、5人が一緒になって2台のカートが同一行動を取り始めるのです。特にリゾート系のコースでこういうことが多いです。やはり5人で打てば進行が遅くなるのは当たり前、迷惑ですね。

    コース側は乗用カートの位置を把握していて、ほどなく離れるように無線で指示します。それでもやめない人たちは、かなり危険な集団です。こちらで注意するのはトラブルの元。あくまでコース側に任せるようにしましょう。

    ほか乗用カートをビギナーに運転させるのも心配です。ビギナーはラウンドに精一杯で、カートの運転に余裕はありませんから。コース内の道も知らないしね。あと女性でペーパードライバーだから、乗用カートをくるま代わりに運転してみたいという人がいます。そこは臨機応変にですか。免許証を持っていれば、乗用カートを運転できますが、ナメてると大変なことになります。コースには癖があり、下り傾斜でスピードを出し過ぎ池に入ったなんて話がありますから、注意してください。ゴルフ場は自動車教習場じゃありませんからね。


    2)コースの練習場でのトラブル
    初心者はゴルフ場の練習場でも、緊張したり興奮したりしているので、思ったようなボールを打てないことが多いです。この前もマイナス20ヤードぐらいのショットをしている女性を見かけましたが、どうやったら後ろにボールが飛ぶのか? 謎でしたけど。

    対処の仕方としては、初心者の近くの打席に立ち、様子を見てあげつつ、練習させるのが良いでしょう。決してひとりで、練習をさせないことです。大胆なミスをして周りの人に迷惑をかけそうになったら、そばにいる人間がやんわりフォローしましょう。

    夢中になって打っている初心者は、迷惑をかけていることに気づかないものです。だから練習グリーンの上で足を擦りながら歩いたとか、アプローチ場でみんなが打っている逆側に立って、ほかの人の邪魔になったとかね。当たり前のことが、まだまだできない人がいます。温かい目で見守りましょう。


    3)コース内では
    初心者は空振り、チャックリ、OBはよくやります。ここでルールどおりゴルフをやるのもよろしいし、多少便宜を計って打ちやすい場所にボールを置いてあげるのも、個人的にはありだと思います。

    けどそういうのを後ろでしっかり見ている人が、たまにいるんですよ。そして「ルールどおりやれ」とかね。決して遅延プレーじゃないから迷惑はかけてないのですが、他人が適当にやっている事が許せないのです。今は監視社会ですから、どこから矢が飛んでくるか分かりません。とりあえず後ろの組が近かったり、誰かが見ている場合は、誤解を招く行為はしないほうがいいです。

    4)ボールは状況見て拾わせる
    ビギナーはよくOBやワンペナになりがちで、そのボールを拾いに行く場合がありますが、これもケースバイケースです。傾斜がきついとか地面が滑る、蛇や虫が出るなど危険なこともあります。特に女性とか、ケガをせずとも尻餅をついたりしてウェアが汚れるのも嫌でしょう。しばらくは一緒に拾いに行って、助けてやるしかないですね。

    5)トイレはジェンダーを守る
    すいません。10年以上前ですが売店脇のトイレで、女性用に入ったことがあります。売店のおばちゃんが「今は女性客がいないから入っていいよ」と言ったから入ったんですけどね。

    冬場など体が冷えて、男4人が一斉にトイレに行く場合があるでしょう。そういうとき、トイレが混むので空いている女子トイレをちゃっかり拝借する。午後の3時過ぎなど、もう誰も来ない時間帯でそんなことがありました。

    でも今の時代は絶対ないですね。そういう行為はアウト。万が一女性がいたら、犯罪行為とみなされる場合があります。女性ゴルファー増加で、茂みでの立ちションなども、不謹慎な行為となるでしょう。くれぐれも昼休みに、ビールなど飲みすぎないように。

    6)突然現れる人には優しく
    最近増えているのがプレーをしているホールに突然現れる、初心者とおぼしきプレーヤーです。間違って打ち込んでしまったのでしょう。我々は「ラウンド中の人が優先だから、ボールを拾う側はプレーが終わるまで待て」と、きつく言われて育ってきました。

    けど今は、こっちがプレー中なのに挨拶やアイコンタクトもしないで、いきなりボールを拾ったり打ち始める人がいます。あっちもテンパッテいるから、打ちたくてしょうがないのでしょう。おそらくマナーを知らないのかもしれない。

    だからどっちが先だと言わず、先に打たせたり、拾わせたりすることもあります。今の新しい人たちは、厳しい先輩や上司などからゴルフを教わっていないと思います。サークル的な仲間でわいわいゴルフをやり、ユーチューブやネット記事から学んでいます。ルール&マナーの学習は頭で分かっていても、実際は対応できないことが多いのです。

    つまりボールが大きくそれたら「ファー」を言うのは分かっているけど、実際は声が出ないということです。そんなわけで大量のビギナーの進出で、今後厳格にプレーをする名門コースと、カジュアルにラウンドする大衆コースとの棲み分けが、進むんじゃないですかね。

    20年後の大衆コースはどのようになっているか? 見てみたい気もします。そのために長生きしようっと。

    ■プロフィール■
    木村和久
    きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
     
    とがしやすたか
    1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。

    連載

    木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報

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