自分の人生、やりたいようにやればいい 米ツアーQスクール2次予選に日本勢多数出場【原田香里のゴルフ未来会議】
米国女子ツアーでは来季の出場権を争う予選会のステージ2が17日から始まっている。今週はQスクールについて原田香里が語る。
配信日時:2023年10月18日 02時30分
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。今日は米ツアーのQスクールについてお話ししたいと思います。
来季の出場権を争う最終予選会にあたるものがQシリーズ(11月30~12月5日、アリゾナダ州マグノリアグローブGC)と呼ばれています。第1次予選、第2次予選を勝ち上がった選手たちと、直接Qシリーズに出場できる権利を持つ選手たちが6日間108ホールで順位を争います。
フロリダ州のプランテーションG&CCで17日から4日間の日程で行われている2次予選会(Qスクール・ステージ2)には、第1次予選から勝ち進んだ山口すず夏さん、山路晶さん、谷田侑里香さん、長野未祈さん、伊藤真利奈さんの5人の日本勢が出場予定。さらに、ロレックスランキング400位以内の資格で第1次予選を免除された原英莉花さん、馬場咲希さんの2人も加わります。
ロレックスランキング75位以内の資格で2次予選も免除されている西郷真央さん、吉田優利さんもファイナルには出場を予定しているようです。JLPGAの会員もいれば、そうでないプロもいるし、アマチュアもいます。米ツアーのQスクールは、一定以上のチカラを持った17歳以上の女性であれば、挑戦する権利はあります。日本のようにプロテストはなく、オープンフィールドでツアー出場順位を決めるので、腕に覚えのある人が世界中から集まるのです。
その分、戦いは厳しいものになりますが、実力者たちが米ツアーでプレーする夢に向かうための大事なステップです。馬場さんを始め、日本のプロテストと並行して挑む選手もいれば、原さんや西郷さん、吉田さんのように日本ツアーのシーズン中に試合を休んで立ち向かう選手もいます。プロゴルファーとして、いつ、どこでどんな風にプレーしていくのか。それぞれの人生ですから、思うようにやっていけばいいと思います。
情報量は、以前に比べると飛躍的に増えました。並行してゴルフの世界のグローバル化も進み、女子の世界ランキングであるロレックスランキングが浸透。メジャー出場権やQTでの1次、2次免除などに使われています。日本のツアーでプレーしていても、できるだけポイントが獲得できるように、様々な働きかけをした成果も出ています。
また、身近な仲間たちが実際に活躍している姿を見ることで、多くの選手の挑戦意欲が高まり、時には生の情報も手に入ります。実際に試合に行っても、まわり中知らない人、というわけではない状況ができつつあります。人間、自分から動かなければ何も始まりません。挑戦したいと思ったら、どんどん行動したらいいのではないでしょうか。
今、米ツアーに挑戦しようとしている若い選手のみなさんは、50歳になった自分の姿などなかなか想像できないでしょう。私も若い頃はそうでした。けれども、年齢を重ねた読者のみなさんならおわかりいただけると思いますが、時はあっという間に過ぎていきます。1年を、いえ1日1日を、本当に大事にしていって欲しいと思います。選手としてのピークは限られますが、ピークでなくとも戦い続けることはできるのです。
日本シニアオープンで優勝した藤田寛之選手のコメントがとてもいいな、と感じました。「これからの下り坂の人生を楽しみますよ」。登り坂の若い人たちにも、いつかそういう時が訪れるのですが、そんな風に言えるのは上り坂をしっかり登った人だけです。自分なりの人生設計をしながら、大きく羽ばたいて行って欲しいと心から思います。
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。
原田香里のゴルフ未来会議