花粉症ゴルファーがやるべきことは、付けない、入れない、払い落とす! 着ていた服はキャップも一緒にビニール袋に!
日本列島はスギ花粉の飛散がピークを迎えている。多くのゴルファーは、ティッシュ片手にコースを駆け回っていることだろう。しかし、鼻をグズグズさせていてはプレーに集中できないし、カッコも悪い。花粉症をコントロールしてゴルフを楽しむ方法を、耳鼻咽喉科・アレルギー科の松脇由典先生に教えてもらった。
配信日時:2024年3月18日 02時15分
花粉症ゴルファーの最大の対策は、花粉を浴びないこと。だがスギ花粉が飛び散るゴルフ場ではそうもいかない。では、どうしたらいいのか? 自らの花粉症をコントロールすることに成功し、ゴルフのハンデを大幅にアップさせた耳鼻咽喉科・アレルギー科の松脇由典先生に話を聞いた。
「自分でできる花粉症対策の基本は「抗原回避」といって、アレルギーの原因となる抗原(花粉)を体に入れたり家の中に持ち込んだりしないように気をつけることです。ゴルフ場のスギ花粉は日の出とともの飛散を始め、お昼頃ピークを迎えるまで午前中ずっと飛び続けます。そういうところへ行ってゴルフをするというのは、降り注ぐ花粉のシャワーを頭から浴びているのと同じようなものです」
それを前提として、まず、自分はどういうゴルフ場へ行くのか。その地域の花粉量や飛び方の特徴を知ることもゴルファーに大切な情報のひとつになる。それには花粉の飛散状況がリアルタイムにわかるウェブサイトなどを見て、その日の花粉の飛散の度合いや飛び方をチェックしておくようにしよう。
「いずれにしても、花粉症の症状を抑えるには抗原となるスギ花粉をできるだけ浴びないようにし、体の中に入れないことが大切です。具体的な抗原回避の方法は、クラブハウスに入る前に行なうべきもの、プレー後に行なうべきものがあります」
「コースでは目、鼻、口からの花粉の侵入を徹底的にガードしましょう。防護カバーが付いた花粉症用のゴーグルタイプがオススメですが普段使いのサングラスやメガネでもOK。アッパーには花粉が付きやすい毛織物は避け、ツルツルのナイロン生地のウインドブレーカー。そしてキャップにマスクが有効です」
頭には花粉がびっしり付着しているという。髪の長い女性は、一つにまとめてキャップの中に収めて欲しい。
「プレー後は、顔、髪、服に付着した花粉をしっかりと除去してください。クラブハウスに入るときは、シューズクリーナーのエアガンで花粉を払い落とすことはもちろん、洗面所でのうがいを習慣にしましょう。帰り支度を短縮させるためにお風呂に入らずに帰る人がいますが、頭と髪と顔には花粉がたくさん付着しています。お湯をかけるだけでもいいので、お風呂でなるべく早く洗い落とすようにしてください」
そしてお風呂の後は、すべての服を着替えるのがオススメ。キャップやウールのセーターやズボンは、繊維の中に花粉が入り込んでいる。他の服と分けてすぐにビニール袋に入れること。花粉を体に付けて車や家の中に入らないことが大切だ。
「プレー後も、着替えているからと安心せず、車のドアを開ける前や自宅の玄関ドアを開ける前には、衣服や髪をよく払いましょう。腕、胸からお腹、腰、太モモからヒザ下へ、念入りに払うことでゴルフ場から花粉を持ち帰らないようにしたいです」
ジャケットなどの上着は玄関先にかけて部屋に持ち込まない、帰宅後すぐにうがい、洗顔、鼻をかむことも花粉を体内へいれないためには有効だ。
「抗原回避をしっかり行なうことで花粉の付着や吸い込みを避けることができ、アレルギー症状が出るのを遅らせたり症状を軽くしたりることができます。薬もお金も使わず誰にでもできるちょっとした心がけを取り入れ、スギ花粉症の方も、ぜひラクにゴルフを楽しんでください」
松脇由典(松脇クリニック品川 理事長・院長)
耳鼻咽喉科・アレルギー科医師
1994年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。2005年東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科講座講師を経て、2016年医療法人社団 恵芳会 松脇クリニック品川を開院。ゴルフ歴は30年、ハンデ6。「カレンダーの赤い数字(休日)はほとんどゴルフにあてる」という。
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