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    やっぱり”生“観戦がいい? 試合の楽しさを現場からお届け【原田香里のゴルフ未来会議】

    原田香里が『ロープ内解説ツアー』をおこなって感じたことを語る。

    配信日時:2023年7月19日 09時30分

    • ゴルフライフ
    「アース・モンダミンカップ」の会場にはギャラリーが観戦しやすいように椅子が準備されていた
    「アース・モンダミンカップ」の会場にはギャラリーが観戦しやすいように椅子が準備されていた (撮影:鈴木祥)
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    ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。豪雨の被害にあわれた方々、お見舞い申し上げます。今後もまだ、台風や線状降水帯発生などの天災も予測されます。みなさん、くれぐれも安全を優先してください。また、夏なので覚悟してはいるものの、容赦ない暑さが続きます。ゴルフだけでなく、日常生活も含めて、みなさまくれぐれも健康を優先してください。

    さて、今回は改めてツアー現場の楽しさをみなさんにお伝えしたいと思います。JLPGA理事時代には、仕事でツアー会場にいるのが当たり前でしたが、退任以降は、会場に足を運ぶ機会が激減しました。退任時がまだコロナ禍だったため、会場に入る人の数を制限していた、という事情もあります。
     
    今年はもっと生で試合が直接見たいな、と思っていたところ、6月末の「アース・モンダミンカップ」、翌週の「資生堂レディス」と立て続けに現場に行く機会がありました。「アース・モンダミンカップ」は、大会のイベントであるロープ内プライベート解説ツアーのガイド役というお仕事でした。
     
    千葉県のカメリアヒルズCCを舞台にしたこの大会は、賞金総額3億円、優勝賞金5400万円というツアー最高の賞金額で知られています。ギャラリーの入場料も他の試合より高めに設定されていて、その分、サービスも十分という大会コンセプト。ゆったりと観戦を楽しみたい方が多く訪れる大会でもあります。
     
    私の仕事は、申し込みのあったグループ(最大4人)のご希望に応じて解説しながら観戦していただくというものでした。『ロープ内解説ツアー』というだけあって、通常、ギャラリーの方は入れないロープの中で観戦していただいて、ご質問に応じながら解説します。
     
    選手との距離が近いため、プレーの邪魔にならないように最大限気を使いながら、その上でお客様に楽しんでいただきます。参加して下さったギャラリーの方には、この特別感は想像以上に好評でした。
     
    4日間、このお仕事をしたので、練習場から本戦コース内と本当に久しぶりに選手たちのプレーをじっくり見ることができました。理事を離れて2年と少し経ちますが、その間の選手たちのレベルアップは、私の想像以上でした。もちろん、テレビなどで彼女たちのプレーぶりを見ることはありますが、改めて生で試合を見ると「今までの日本の女子ゴルフとは違う次元に来ているな」というくらいの違いを感じました。
     
    「女子プロのスイングは男性アマチュアゴルファーの参考になる」などとよく言われていましたが、それもひと昔前のことかもしれません。若さゆえの柔軟性を持ったまま、しっかりとトレーニングを積んで体づくりをした現在の彼女たちの真似をできるアマチュアは、男性でもそうはいないのではないでしょうか。
     
    翌週の「資生堂レディス」には、この連載にも対談で出てくれたことがある藤田光里プロの応援に行きました。こちらは、最寄駅からギャラリーバスで15分というアクセスのよさもあって、さらにたくさんのギャラリーが詰めかけていました。
     
    前週の試合とはまた違う盛り上がりです。ここで感じたのは、熱気と、ギャラリーサービスをする選手の姿勢の素晴らしさでした。
     
    多くの人が、プレーだけでなくイベントとしてツアーを楽しむ姿。ホールアウト後にアテストをしてから、待っているファンのみなさんの元に戻ってきて次々にサインをし、コミュニケーションをとる光里ちゃん。ファンの方たちが、それを喜んでくださっているのがはっきりと伝わってきました。
     
    こういう姿勢が積み重なってのツアー人気なのだな、としみじみと思いました。ふたつの大会を見て、お客様に解説したことで、改めてみなさんにツアー生観戦オススメポイントをふたつほど。
     
    たぶん、現場に足を運んでいただいて最初に驚くのは『音』ではないかと思います。打球音の鋭さ、いいショットをしたときの音には、ぞくぞくさせられます。そして生の楽しさとして、素晴らしいプレーをしたときの喝采と大歓声。選手たちが勇気づけられ、反面緊張もするお客様の前でのプレーがそこにあります。
     
    プロならではのプレーのリズム、スイングテンポなども、歩きながら観戦すると実感するはずです。ロープの外だから大回りしている、という点を除いても、なかなか追いつかない速さだと感じる方が多いのではないでしょうか。
     
    選手の歩く速さを知っている私でも、「資生堂レディス」のときにはルートをショートカットしながらの観戦でした。選手がよく見える位置取りをしたり、グリーン面がよく見える高い場所に先回りして、いいプレーには拍手や声かけをしたりもしました。
     
    何が大変かって、ギャラリーとしてコースを歩いていると、ほぼずっと傾斜地を歩かなければならないんです。単純な上り下りだけでなく、横に斜めになっているところを…。みなさんがそんなに大変な思いをしながら観戦して下さっていることを改めて実感し、お応援していただけることのありがたさを実感いたしました。
     
    暑い季節はムリなく、少し過ごしやすくなった秋を待ってからでも遅くはありません。ご自宅からアクセスのいい会場に、ぜひ、足を運んでみてください。思った以上にご満足いただけると思います。

    ■原田香里(はらだ・かおり)
    1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

    連載

    原田香里のゴルフ未来会議

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