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    『目』の衰えがパットに与える影響 レジェンズツアー初戦に向けて考えた【原田香里のゴルフ未来会議】

    レジェンズツアーのシーズン初戦「太陽生命元気・長生きカップ」の意気込みを語った原田香里。

    配信日時:2023年4月26日 02時30分

    • ゴルフライフ
    22年「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ CHOFUカップ」に出場した原田香里
    22年「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ CHOFUカップ」に出場した原田香里 (撮影:GettyImages)
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    ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。季節が前倒しになるような気がする今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。新緑が美しいとゴルフはいつも以上に楽しくなりますね。みなさんも、思い切り満喫していらっしゃることでしょう。

    さて、今週は、いよいよ始まるレジェンズツアーのシーズン初戦「太陽生命元気・長生きカップ」(28~29日、千葉・東急セブンハンドレッドクラブ東C)への意気込み、そして年齢を重ねた今の私のゴルフのことなどをお話ししたいと思います。
     
    理事退任後、初めて出場したのが2021年のこの大会、「太陽生命元気・長生きカップ」でした。11年を最後にレギュラーツアーからは離れ、12年のレジェンズツアー1試合出場後は、JLPGAの理事職に専念していました。現場や会議などでバタバタし続ける理事の期間は、ゴルフをする時間はあまりとれず、ラウンドも年に10回するかしないか…という状況だったというお話も、以前、したことがあるかと思います。
     
    一昨年のこの大会は、正直、思うようなプレーができたとは言えません。けれども、久々に選手としてティイングエリアに立った刺激は想像以上ものでした。プライベートなゴルフでは味わえない感覚……。
     
    この連載の1回目の原稿を読み返してみると「ドキドキ感、ワクワク感、ヒリヒリ感は、たまらないものでした」と言っています。まさにそのとおりで、ゴルフに真剣に向き合い続ける仲間たちの姿も、私に現役時代を思い出させてくれました。同時に、思うようなプレーができないことに対する悔しさもよみがえってきたのです。
     
    あれから2年。私の生活は、ゴルフに向き合う時間もあの頃よりは増えています。毎週、試合に出ていた頃とは比べられませんが、自分の感覚を取り戻した部分も少しずつ増えています。
     
    45歳以上の選手のためのレジェンズツアー今季初戦であるこの大会に向けての調整も、最終段階に入ってきました、その中で感じているのは、カギを握るのはやはりパッティングだということです。
     
    飛距離は落ちてショットの精度も衰えてはいますが、そこそこ打てています。けれども、アプローチやパットは、試合のセッティングで常日頃やっていないと感覚が鈍るのはまちがいありません。さらに、年齢的な視力の衰えという抗えないものが加わります。
     
    パッティングについて感じることは、打ち方がへたっぴになっているということです。練習量が減っているのは明白ですが、それ以外の原因として『目』が考えられるというのが、私の結論です。
     
    私には近視と乱視があり、中学生の頃からコンタクトレンズを使用していました。プロになってからも数年はそのままでした。その中で、目の調子が悪くなって見えにくく感じると、パッティングも悪くなることを実感していました。
     
    レーシックという技術ができて3年くらい経った頃に思い切ってその手術を受けたところ、ものすごく見えるようになりました。ボールの行方はもちろん、グリーンの傾斜や芝目、ラインが、これまでとは比較にならないほど見えたのをよく覚えています。
     
    人は年齢を重ねることによって、視力は衰えます。私の場合、近視と乱視はレーシックで矯正されていますが、遠視が想像以上に進んでいます。加齢によって、体の様々な能力が衰えるのは、動物である以上、仕方のないことです。長い間プレーできる生涯スポーツのゴルフだからこそ、そんな自分の状態と向き合う時間もたっぷりある、と考えれば、それもまた楽しいものです。
     
    目が見えにくくなることでパットの打ち方がへたっぴになる理由を、前述の経験を踏まえて考え、私が導き出した答えは「自信を持って打てなくなるから」というものです。
     
    バリバリとプレーしていた若い頃の私は、カップの向こう側に当てて入れるくらいの強気でパットを打てていました。オーバーしても、返しはラインがわかっているから大丈夫。そんな気持ちです。でも残念ながら現在は、最初のパットも返しのパットも、自信を持って打つことはできていません。
     
    ただ、そんなことを嘆いてもどうなるものでもありません。体の状態もゴルフの調子も含めて、自分と向き合うのがゴルフ。ゴルフ場や練習場にいるときだけでなく、自宅でもパットやアプローチの練習を続けて、試合までにできるだけ感覚がよみがえるように頑張って臨みたいと思います。
     
    みなさんの応援を力にしながら、今の私なりのベストを尽くして…。

    原田香里(はらだ・かおり)
    1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

    連載

    原田香里のゴルフ未来会議

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